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”発音の良さ”はただののろい

 日本で働いていた時、顧客との会議では英語のみでコミュニケーションをとることがしばしばだった。なにせアメリカの企業ばかりが顧客だったので。面白い仕事をしている気になっていたが違った。基本的に英語を話せる人だけが居る部署だったがそのレベルはとてもマチマチ。6人いた営業メンバーで実際に会議ができる英語を話せるのは上司と私だけ。私は留学したこともなく、ただの見様見真似英語だった。アリーマイラブをたらふく観たおかげだった。当時は英語の発音がうまい、うまくないをお互いに横目でチラチラみているような空気があった。中学生である。
 アメリカに引越しして2年と半年が経ち、はっきりと理解したことは英語を話すのに発音の良さは関係ない。そもそもネイティブからしたら、ネイティブ発音でない限り全員外国訛りなのだ。その中で多少聴き取りやすい発音の人が居てもただのどんぐりの背比べだ。私に教えてくれている英会話講師が言っていたが、9歳以下で外国語環境に住みはじめ、さらに数年継続しない限りは発音がネイティブレベルには発達しないそうだ。
 なぜそんなことをいきなり思ったかというと、私の知り合いが規模と知名度で世界一と言えるような企業に転職したことを知ったからだ。彼女は生まれはアメリカ国外で発音もネイティブではないが、ずば抜けた頭脳とたゆまぬ努力の結果現在の仕事を得ていると思うからだ。しかも難関資格のある専門職である。彼女と話したときに「あれ、私のほうが英語の発音が上手?」と思った自分がはずかしい。土に埋めたい。そんなの小島よしおなのだ・・・CNNのホワイトハウス詰めキャスターにもインド英語の男性がいる。私には聴き取りずらい気もするが、彼は全世界的ネットワークのキャスターなのだ・・・そしてAmazonのカスタマーサービスに電話すれば大体がインド英語な担当者がでる。でも丁寧にゆっくり伝えようと先方も私も注意して会話すれば無事にリクエストを解決してもらえる。発音なんて関係ない!!
 さらに、このところ私自身が発音を褒められてもうれしくなくなってきた。すでに私は2年半アメリカに居住し、しかも働いている。とりあえず話せるという状況になったからだろう。なぜかこの話でいつも思い出す、小室さん。小室圭さんのバックグラウンドは気にならないが、NY州の弁護士資格を取得して働いていることは手放しですごかろう。彼だけではなく成人後に渡米して公職についている人だってその辺にゴロゴロいる。私には時間もないし、がんばれないし、そんなにやる気もないしと言い聞かせていては本当に進めないままになる。なにはともあれやってみようが今のところ私に必要なモットーだ。ということで今日から職探しを再開したい。