パトロンになった
先月のほとんどを両親がわが家に滞在したため、さまざまな場所に案内し、お土産を探すのを手伝い、同時に週1回は働きながら食事も用意してと手前味噌ながら八面六臂の働きぶりだった。
そして両親のこととは関係ないが、パトロンになった。この絵↑は先日小規模なアート展で画家さんから直接購入したが、この絵はその人から買う5点目の絵だ。この絵に一目ぼれした私はすぐに描いたときの背景などを画家さんに聞いたり、話しこみ始めた。夫は私が即決即断で買うのをみて目を飛び出させつつも「地元のアーティストを支援することはいいことだよね」とつぶやいていた。この画家さんとはすでに半年以上の知り合いなので、買いたくなる気持ちもヒトシオだ。ところでアメリカでは「壁に絵を飾っていない家は引越したばかりか貧乏人」と言うこともあるそうで、皆さん驚くほど絵画やポスターを飾っている。持ち家が多いので壁に穴をあけるハードルが低いということも背景にあるとは思う。アパートでも絵をかけるくらいの画鋲の穴は許容範囲になっているので、私もどんどん絵を増やしている。
そういえばこのところ東アジアに住んでいる友人から「アメリカの選挙の盛り上がりはどう?」と聞かれる。どうやら私の携帯電話番号の前の持ち主"Christineさん”は民主党の熱心なサポーターだったらしく毎日"Christine"宛にテキストメッセージが10件ほど届く。夫の番号へは0件だそうだ。民主党の選挙キャンペーンへの募金を募っているのだ。しかし私がChristineかどうかはさておき、日本国籍の私がアメリカの政党に献金するとアメリカ合衆国連邦法の選挙法違反になる。献金はできないがボランティアとしてお宅訪問はできるようだ。私の住むアパートは政治もしくは信条を表したヤードサイン(庭に立てるバナー/旗)を禁止しているので隣近所では見かけないが、一戸建て住宅地ではとくに民主党支持のヤードサインが目立つ。私の住む郡のもっとも保守的とされるエリアですら圧倒的に民主党支持バナーが目立つ。とはいえ、投票日まで誰も実際の情勢はわからない。どこかのニュースサイトで「天才統計学者が直感ではトランプ勝利とみる」という見出しで見通しを紹介していたが、統計学者の直感って・・・統計で語らないんかい、と思わずつっこんだ。そういえば先月両親を連れて観光客が集まるエリアに出掛けたときのこと。商店街エリアを窓を開けてゆっくり運転していたとき、対向車の窓からすれ違いざまに「COVID!!!」と叫ばれた。私はそのとき日焼け防止対策でサンバリア100(日傘メーカーさん)の遮光マスクをしていた。またもや手前味噌だが、もはやぼーっとしていても聞こえてくる英語を聞き間違えないようになったうえに、徐行運転でのすれ違いざまだったので言われたことは間違いないと思う。怒りよりも不愉快な気持ちだった。投票日が近付くにつれて、街で民主党応援Tシャツを着た人は見ないのに”トランプ応援”Tシャツを着た人だけはよく見かけるようになった。バンパー目いっぱいにトランプの顔写真を張り付けた車もみかけた。新興宗教の興りをみているようだ。親しい人とは選挙の話を軽くすることもある。それでもあまり「言わないでほしい」と思う。その人の発言によってその人に対する私の認識が変わってしまうことを避けたいから。とはいえ、知り合いの夫婦はそれぞれ支持政党が違ったりするのを見るにつれ、私も学ぶことができる。アメリカに引っ越す以前は、なんでも好き嫌いが明確でしかもすぐに判断していた私もいまは違う。ちゃんとアラフォーになれたようで、今では他人を遠回しに攻撃するブログをたまたま読んでも「あらあら尖っちゃって」とは思わず「私もその年ごろだったらそんなこと言ったかもな」と思うようになった。はじめて年を重ねるのはいいなと思った。