生物分類技能検定2級植物部門 合格への道 Part0
おはこんばんにちは
皆様、生物分類技能検定はご存知でしょうか。
生物分類技能検定とは…
一般財団法人自然環境研究センターの認定する生物分類の検定試験で、
「生物に関心をもつ方々を対象に、分類の知識向上を目的とし、野生生物や自然環境の調査・保全を担う人材を育てるとともに、動物分類学や植物分類学の発展に寄与しようとするものです。さらに、野生生物調査に関わる生物技術者の育成と、自然環境調査の精度向上への貢献をめざします。」
としています。
4級から1級までの試験があり、
1級、2級の登録者は、環境省の「一般競争(指名競争)参加資格申請」の有資格者として認められています。そのほか林野庁や地方自治体などの自然環境に関わる調査・保全業務等の入札資格としても取り入れられています。
生物関連業務の従事を目指している方は2級の合格を目指しましょう。
新卒の生物関連会社の求人などを見ると、ビオトープ管理士、技術士補、生物分類技能検定2級などが望ましい資格として書かれてることが多いです。
2級の合格率は10%前後となっており、とても難関試験であることがわかると思います。
私自身、2017、2018の2度挑戦していますがどちらも合格には至らなかったです。
私は今年、3度目の正直ということでリベンジします。
2級には動物部門、植物部門、水圏生物部門があり、私の専門は植物です。
試験内容
共通問題(各部門共通)・・・生物学の基礎、分類の基本、野生生物に関する広範な知識、関連法規などに関する問題が中心です。(受験する部門の対象生物群にかかわらず生物全般が対象となります。)
専門問題(専門分野別)・・・日本に生息する生物の分類に関する広範な知識を問う問題が中心です。生態、形態、分布、標本作製などに関する問題を含みます。
実物問題(専門分野別)・・・実際に生物の標本を観察し、指定された部分を正確にスケッチできるかどうかを問うものです。また、標本の各部位の名称なども出題の対象となります。
出題範囲
動物部門・・・哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類(淡水・汽水産)、軟体動物(陸産、淡水・汽水産貝類等)、節足動物(水生昆虫を含む)などを中心に、動物全般が対象です。
植物部門・・・維管束植物のほか、菌類、藻類、コケ類なども含みます。
水圏生物部門・・・淡水・汽水・沿岸海域に生息する生物で、魚類、甲殻類、頭足類、貝類、藻類など広範な分類群が対象です。
合格基準点
100点満点で70点。
この基準点は毎年前後しており、大体65点でも合格出来る感覚です。
このnoteでは、2級植物部門の合格に向けた日々の勉強の日記として書いていこうと思っています。
2級の合格には膨大な量の知識が必要となります。
4級、3級には公式の解説集がありますが、2級と1級には過去問題集しかありません。
なので、自ら図鑑や参考書を購入し、ひたすら知識を叩き込んでいく他ありません。
机上の勉強だけでなく、フィールドに出て観察することも重要です。
試しに過去問題から植物部門の専門問題3問出題します。
①葉は対生、花柱は2本または3本の形質を持つ日本の野生植物が属する科をひとつ選びなさい。
1.Ericaceae
2.Hydrangeaceae
3.Pinaceae
4.Rubiaceae
②タイ類をひとつ選びなさい。
1.アカミゴケ
2.ウマスギゴケ
3.オオウロコゴケ
4.クラマゴケ
③エライオソームをもち、アリ散布される植物をひとつ選びなさい。
1.オオバコ
2.カタバミ
3.ゲンノショウコ
4.スズメノヤリ
問①の答えは、2のHydrangeaceaeです。
この問題では、前提として植物の科名をラテン語表記で覚えておく必要があります。
生物分類技能検定では、このようにラテン語で答えを求めてくることが多々あります。
1のEricaceaeはツツジ科。
2のHydrangeaceaeはアジサイ科。
3のPinaceaeはマツ科。
4のRubiaceaeはアカネ科。
となります。
科名を覚えた上でそれぞれの形質の特徴も抑えておく必要があります。
図鑑を見るのも大切ですが、実際に植物を観察することで形質は覚えていけると思います。
問②の答えは3のオオウロコゴケです。
コケ植物は、蘚類、苔(タイ)類、ツノゴケ類の3つの郡に分けられます。
1のアカミゴケは地衣類でコケではありません。
2のウマスギゴケは蘚類。
3のオオウロコゴケは苔類。
4のクラマゴケはシダ植物でコケではありません。
コケ植物やシダ植物、地衣類は観察が難しいため、図鑑でひたすら覚えるしかないと私は思います。
問③の答えは4のスズメノヤリです。
エライオソームとは、スミレやカタクリなどの種子に付着するやわらかい付着物で、種子をアリに運んでもらうために進化したものです。
アリはエライオソームのみを食べ、種子は巣の周りに捨てられ、そこから新たな繁殖が始まります。
この中でエライオソームを持つものは4のスズメノヤリのみとなります。
このように、2級では科名、属名、形質から特徴、生育範囲、系統関係など幅広く出題されます。
フィールドで観察しながら図鑑や参考書を用いてひたすら知識を叩き込んでいく他ありません。
皆様も私と共に生物分類技能検定に挑戦して見ませんか。
まずは4級や3級から挑戦することが望ましいと思います。
生物の知識が深まれば、人生がより豊かなものになると思いませんか。
生物多様性や絶滅危惧種、外来種など、近年自然環境の問題は私たち全人類の課題であると注目されています。
生物や自然環境の専門家を目指して、勉強していきましょう。
おわり