深夜アニメの思い出
最近、よく昔のことを夢に見る。
高校の教室。仲良かった友人。あいつら今も元気かな。私よりは元気なんだろうな。あいつらとするアニメの話は楽しかった。あのとき、アニメの話をできる人間でよかった。そうでなければ友人を作ることなどできなかったかもしれない。流石に盛り過ぎか。
今回は『深夜アニメ』の話。その存在との出会いからオタクになるまで。時系列と記憶を照らし合わせて矛盾はなくなったけど、記憶違いとかはあるかもしれない。一応各アニメの放送時期とかは確認した。
中身の都合上ほんの少しだけネタバレあるかも。でも5年以上前の作品だし、ネタバレでもあまり気にならない程度だとは思うけど一応念の為。
知らない世界
昔から、麻雀が好きだった。物心がついた頃には既に麻雀のゲームをしていたし、「なんでこれは三暗刻じゃないの?」とか親父に聞いていた記憶がある。
ある日、ネット麻雀の天鳳という存在を知った。天鳳で『遊び』始めた。
びっくりするくらい勝てなかった。トップ率が2割を切ったときは、今まで十年以上NPC相手にやってきたことが何だったのか分からなくなった。
まあそれはさておき、天鳳民って咲が好きなんですよ。あの麻雀漫画の。みんな好きみたいでちょっと気になるし、見てみることにした。
咲-Saki-、すげー面白かった。当時の私は、純粋にキャラのカッコよさに惹かれたし、これのせいで麻雀の打ち方が色々と歪んだ。特に影響を受けたのは部長だった。だいたいこいつのせいで今でも地獄待ちとか好きで困る。
咲といえば麻雀風異能力バトルだったり色々な別名があるが、一つ大きな要素として存在しているのは百合だ。こんなアニメを最初に見てしまったものだから、気が付けば美少女同士でそういう関係になることに対し何も疑問を持たなくなってしまっていた。私のアニメの趣味が決定した瞬間である。
でも最初は麻雀目的で見始めたので、例えば阿知賀編の序盤は麻雀シーンが少なくて退屈した記憶がある。キャラに興味がなかった頃もあったんですね……。今はその部分も結構すきです。
ところで裸ジャージが性癖になった話していいですか?特に穏乃の貴重な制服シーンと同時に存在する憧のジャージシーンめちゃやばでありえんやばい(語彙力)って感じ。ちなみにこれは5周目あたりで溢れてきた感想。
絶望との邂逅
マミるという単語を知った。意味も知った。まどマギというアニメが由来らしい。せっかくだし見てみるか。
魔法少女まどか☆マギカを見た。
3話を見たとき、あっ……ここか……と思った。ネタバレを先に知っていたおかげであまり苦しまずに済んだけど、知らなかったらどうなっていたのだろう。10話で見たとき泣いちゃうのかな。
8話を見たとき、私はそのシーンが意味することをあまり分かっていなかった。私はバカだったから絶望せずに済んだ。あたしってほんとバカ……。その後9話を見て、あれがそういう意味だったのだと気付いた。絶望した。
10話を見たとき、二周目序盤で私に一つの感覚が芽生え、それに悶えた。その感覚の名前がずっと分からなかったが、最近になってそれが共感性羞恥と呼ばれるものであると知った。なるほど、確かに。
12話見て、その数週間後にちょうど公開された叛逆の物語も見に行って。映画見た後の虚無感、やばかった。暫く何も手が付かなくなった。ひたすら感想を読み漁って余韻を確かめるくらいしか食指が動かなかった。
叛逆の物語は公開初日の朝一で見に行ったきりで、その後は一度も見ていない。今となってはあのとき感じた虚無感がどのシーンを見て何を思った結果なのかも分からないが、なんとなく見るのが怖い気がして見れていない。7年前のトラウマだ。
日常の始まり
1年近い月日が流れていた。その間何も見ていないのだから、この時点で深夜アニメにハマっていたわけではなかった。ただ私は、天鳳とかいうクソゲーには飽きた(※)ので、暇潰しになるものを探していたのだった。
※飽きた:その日はもう遊ぶのをやめ、翌日また遊ぶこと。
色々と動画を漁っていた。すると、なんかやたらとごちうさというアニメのネタを見かけることが多かった。当時の私はまだ逆張りオタクではなかったので、それを見てみることにした。
見た。ご注文はうさぎですか?。見終わったとき、既に私はオタクになっていたのだろう。美少女が存在するというだけの日常に、ただただ惹かれていた。12話を見終わったとき、あまりの喪失感にもう1周してしまった。
当時の私は、あまりにアニメを知らな過ぎた。アニメを知らない人が手を出すべき作品ではなかった。終わらないはずの日常が突然更新されなくなるという喪失感が、私を狂わせた。
だが、今見ても当時ほどの喪失感を味わうことはない。今の私には、数多のアニメの記憶がある。この目で数多の日常と美少女を見てきた。だから、もう君を見ても狂わないよ。ココア……
ちなみにこの後にも数年単位で天鳳やってるのだけど、一番やってた時期はココアは俺の嫁とかいうアカウントで打ってた。ごめんなさい、やばい黒歴史抱えててごめんなさい……今までありがとうございました、さよなら……
しかも自分の最高成績をこのアカウントで達成してしまったせいで、正確に言うときにはココアは俺の嫁九段と言わないといけないらしい。死ぬか。
それは綺麗な金色の
ごちうさで心にぽっかりと空いた穴を埋める為に、何かそういう感じのアニメを探した。きんモザがいいらしい。
きんいろモザイク、見た。この時点で私はもう百合という概念を理解していたのだろう。日常系に対する欲求は一時的に満たされたが、すぐにもっと見たいという依存性が現れていた。
ちなみに私はカレンがすき。どれくらい好きかというとごちうさより先に見ていたらカレンは俺の嫁とか言ってたかもしれないくらいすき。うわ……
この後に見た作品は全く順番が分からない。きらら系の何か日常系な何か見てそうだと思ったけど調べてもよく分からなかった。アニメを一気見ではなく毎週追う形で見るようになったのも2015年の後半あたりからのようだし、その期間は何を見ていたのかほとんど分からない。
その中で一つ、とても重要な、オタクとしての転機になった作品がある。
いつかまた巡り会えますように
私の初めて見たラブストーリーにして、一番好きな作品。
思えば、人間と人間以外の恋愛に強く惹かれるようになったのはここからだったかもしれない。種族の異なる者同士の関係とは常として、二人は死によって別たれる。だからこそ尊く、儚く、美しい。
プラスティック・メモリーズ。
この作品を知ったのは、2015年の5月頃だった。当時フォローしていた人が振り返り上映会のリンクとともにおすすめしていた。作品に目を引かれた訳ではなく、ただほんの気紛れで見ることにした。
この時点での感想なんて今となっては覚えていないが、このあと続きを毎週見ていたのだから、多分この時点で好きだった。最終話が近付くにつれ、いつしか一週間で一番の楽しみになっていた。
最終話を見たとき、生まれて初めてアニメを見て泣いた。
今に至るまで
プラメモの影響で、もっと色々なアニメを見たいと思うようになった。その次クール、2015年夏からは本当に色々な作品を見るようになった。ここから5年、毎期見たいアニメを見つけては毎週見ている。
私は毎期平均10作品くらいしか見ていないが、それでもあれから200作品ほど見たことになる。昔見たアニメを今でも覚えているのは、他に知らなかったからなのか、それとも本当に好きだったからなのか。後者だといいな。
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