一時帰国中に訪ねた大阪の漢方薬局のこと
去年は実に3年ぶりの日本一時帰国で、5月に母と二人、天橋立、伊根の舟屋、金沢、酒田の土門拳記念館、鳥海山温泉と、日本海を鉄道で旅していい体験ができた。今年は飛行機のチケットがグンと値上がりしていたため、5月ではなく6月にした。ちょうど梅雨の時期であったことは航空券を買った後に気がついた。梅雨の時期は海外からの観光客が減るから比較的安かったのだろう。
母が、「またどこか行こうか?」と言うので行きたい場所を訊ねると、淡路島、という答えが返ってきた。淡路島は私も行ったことがないし、海と温泉が良さそうだ。そこでさっそく宿の手配を始めた。車ではなく、電車・バス利用なので、時間の制約で行きたくても諦めなければならない場所もあった。
洲本温泉のホテルは、同じグループの隣接したホテル2つの温泉も利用でき、食事も最高においしかった。中でも、宝楽焼という、土鍋に丸い石を敷き詰め、昆布を敷いたところへ鯛の半身をどーんと置いて野菜と一緒に蒸し焼きにした料理は、素材そのものの旨みがわかって気に入った。翌日福良で泊まった民宿では鱧を使った料理を出してもらった。こちらは量ばかり多くて味の方はそれほどでもなく、がっかりだった。玉ねぎなど、大きいのを丸2つ分、「鱧すき」用に切ってあったが、半分も食べられなかった。
さて、旅行の準備をしていたのと同時に、実は大阪の漢方薬局を訪ねる計画も立てた。すでに10年前から、肝臓の酵素の値が平常値よりも高くなってしまっているために専門の医者にかかり、超音波、磁気による画像診断や果てには肝生検まで受けて、大学病院にも行かされてまた返されて、結局はっきりとしたことは分からずに終わって、もちろん薬も出なければ説明もろくにしてくれない。お金ばかりかかっている。ただ検査値がやっぱり良くないままだし最近は身体のあちこちが痒かったりもするので、ネットで肝臓の疾患をいろいろ調べているときに偶然見つけたこの漢方薬局の先生に頼んでみることにした。
まず、これまでやった血液検査の結果をメールで送った。旅行の初日、大阪を通る時間に合わせてアポを取った。新大阪で地下鉄に乗り換え、西田辺という駅で降りた。お茶を出され待つこと10分、そうして面談した薬剤師の先生は時間をかけて丁寧に説明してくれた。オランダの病院での、私の顔さえろくに見ない医師による5分未満の診察とはえらい違いである。また、一回の検査結果だけを見るのではなく、経過を見ることによって、分かることがあるのだと言う。これも大きな違いである。
91日分の漢方薬と免疫力を高める椎茸エキスの薬を大箱2個。とりあえず試しに飲んでみよう。
これから利尻・礼文島へ向かう。ひとり旅。