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卵がワタシの子宮に戻ってくるまでの2時間、今わたしの頭に浮かぶこと。

今日は凍結胚移植の当日。
簡単にいうと、ワタシの卵子を取り出してとダンナさんの精子を顕微鏡で受精できたものを凍結、その受精卵を子宮に戻す日。

そう、「簡単に言うと」そう言う話。
でも簡単じゃない。ここまでにもたくさんの奇跡が詰まってる。
今クリニックで採血と受付を済ませた。ワタシは11時まで外出を促された。受精卵は解凍されているところ。
同じビルに入っているタリーズはまだ開いていない。5分歩いて、あったかい紅茶とソファ席のあるドトールに行き着いた。現在9時すぎ。

付き合った当初ワタシは、当時38歳と言う年齢とともに、自分の姉妹が妊娠出産に苦労している姿を近くで感じていたこともあり、妊娠出産への希望は薄いのではないかと彼に告げていた。彼はそんなワタシに「自分も36歳。年齢も高いし沢山不摂生もしてきた。お互い様だ。」と言った。結婚すぐにも子どもについて話をした。「この1年は、子どものことを中心には考えずに自然に今を楽しもう!」そう2人で決めていた。
そうして、結婚して1年経ったある日。「子どもができるように積極的に努力してみよう! 検査から始めて2人でその都度話し合って進めていこう!!」と車で1時間の婦人科に行った。その日は、検査をしたり医師や看護師と不妊治療を開始するにあたっての問診や、何もかもわからない私たちからの質問(今考えたらきっとハチャメチャなことを聞いていたのかなと思ってる)をして終わった。「まずは現状の把握から! よーし、2人で病院のみなさんと頑張っていこう!」的な感覚でドキドキしながらも2人の大きな目標に対して高揚感もある感じで終わった。

早くも2回目の受診で事態は変化した。わたしの採血の検査結果を見て、まだ知識も乏しい、ただヤル気しかなかった2人に医師が言った。
ー ホルモン値として時間的に余裕がない可能性が高い / タイミングや人工授精から始めて進めていくような基本的な不妊治療のステップアップを踏むのではなく、お2人の希望次第では体外受精から始めることをは視野に入れる必要があると思う / 当院は人工授精は行なっているがその先のステップである体外受精は行なっていないので、自分の信頼している体外受精のできる婦人科を紹介したい ー

こうやって、車で2時間のクリニックへの転院がきまり、今行なっている体外受精へと突入した。

そして今10時を過ぎた。
もうすぐわたしの体に「どん丸」が帰ってくる。
「不妊治療」という言葉が、まだ勉強不足な自分達には大き過ぎて私たちはクリニックからの帰り、長いドライブの途中に何気なく目に入った「丼専門店ーどん丸ー」の名前が可愛くて勝手に拝借した。その日から「どん丸治療」と名付けられ、2人のGoogleカレンダーにも「どん丸クリニック受診」と打ち込まれた。

どん丸治療は、たくさんの覚悟と決意とたくさんの奇跡が詰まってる。

ワタシは40歳、AMH0.144。閉経が近い数字と言われた。この数字が全てを現すわけではない。

心から結婚したいと思える人に出会えたこと
その人もワタシと一緒に生きていきたいと思ってくれたこと
その人がワタシのやってきたことを肯定して尊重してくれること
ふたりで話し合いながら前にすすめること
病院との出会いにめぐまれていること
まだワタシの体に毎月生理がちゃんと来てくれていること
もらったお薬に身体が反応してくれてること
卵子が1個採卵できたこと
その卵子が成熟できていたこと
精子が正常に取れたこと
精子が卵子に入って受精してくれたこと
その卵がちゃんと分裂して受精卵として育ってくれたこと
ダンナさんがいつもいつもワタシ以上に緊張してドキドキしてくれること

全てが奇跡だ。
挙げきれない。
何もかも奇跡でその奇跡が紡がれて今がある。奇跡で子供は、人は、生きている。
これからも奇跡が続くのか…今日からそんなことはもう考えない。どん丸が体に帰ってくるんだ。何がどうあれ、今奇跡が起こっているのは事実。この奇跡に感謝して今を最大限に感じようと思う。
明日には家に戻ればダンナさんにどん丸を会わせられる!

もう時間だ。
11時前にクリニックに着いておかなきゃ。

もう10時30分を過ぎた。移動しよう!

張り切って、可愛いどん丸を迎えに行ってきます!!

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