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初星学園ぬいぬい部(エア)

藤田ことねちびぐるみが欲しい!
でも初日に近所へ行ったらすごい行列&次の日には在庫なし…
というわけで、

 …とやってみたら、思った以上に反響があったこちらの投稿。
およびその後の投稿関連の解説や使用ツールを紹介します。

忙しい方は、まとめ まで飛んでください。

①作るしかぬい の動画

 こちらの画面は UnrealEngine(以下、UE) ですが、この動画以外で使用した場面は少ないです。
 本来ならモデリング(造形)からリギング(可動化)までできるっぽいのですが、操作感が不慣れだったので Blender を使う場面が多かったです。

 なお、自分自身が学校で習ったのは Maya の方でした。
 もちろんMAYAを使った方がいい場面も多々あるのですが、何しろまともに買おうとするとべらぼうに高いし、サブスクだし、円安だしで、ちょっと気軽には使えないツールでしょう。
(1年ライセンスで約29万円、indie版で約5万円。なお学生版は無料でも、授業料がやっぱり30万円ぐらい。手を出すなら学校は行った方がいい)

ツールまとめ①
UnrealEngine 
ゲーム製作向けだが色々できる総合ソフト。収益100万ドル未満なら無料。
機能更新が早いので最新情報が入手しづらいのが難点。
Blender
オープンソースでフリーソフト。モデリング、アニメーションに強い。
様々なプラグインがあるが、バージョン違いに注意。

( MAYA 
プロ向けの総合ソフト。お高いが、業界的には入口となるソフトなので参考資料は多い。

 動画はどちらもUEのスクショです。
最初は「全行程をUEで作ろう」と思えるぐらいには機能があるのですが、イマイチ「あれはどこにあるんだ?」といった場面があったので、blenderでモデリング→UEにインポートという作業を経ています。
 したがって、UV展開(色や画像テクスチャを、どの部分で適用するかという作業)やリギング(ボーンと呼ばれる関節を取り付け、動かせるようにすること)もBlenderで行っているので、UEでやったのは最後のアニメーションだけです。
 もちろんBlenderでアニメーションをやってもよかったのですが、逆にアニメーションの操作はUEの方がやりやすかったのと、FKリグ(ボーンを操作するコントローラーのこと)を自動で作成してくれるありがたさもあってUEで操作することにしました。

②悔しかったから3Dで作ってみた の画像

 こちらがBlenderでの作業時のスクショです。
1枚目がワイヤーフレーム(3Dを構成する線画)、
2枚目がサーフェース(面)を表示させたもの、
3枚目がテクスチャ(画像)を反映表示させたもの。

 ぶっちゃけた話、今回の色付けに使ったテクスチャは公式の販促画像をダウンロードして活用している都合で、モデルを再配布できません(苦笑)
 もしどんこめの真似をしたい方は、恐れ入りますが各々で真似をしていただくか、各自でテクスチャ用イラストを描いていただくなりして調達していいただけたらと思います。
 その分、「何をどうして作ったか?」辺りは解説していきます。

③いつかは本物を! の動画

 わかりにくいかもしれませんが、自宅でAR合成をしてみました。
ARというのは、実際の映像に3DCGなどをリアルタイム合成する技術のことです。
 VRはゴーグルなどをつけ全視界を覆って楽しむのに対し、ARはスマホなどを使って部分的な合成を楽しみます。

 もっとも手軽に楽しめるのは、AdobeAERO です。
ただし、まだβ版であることもあり、現在日本では iOS=iPhoneかiPadでのみしか公開されていないようです。(Android版も存在するものの、なぜか日本ではダウンロードできなかった)
 なお、PC版はスマホ版への編集ソフトと考えた方がよいでしょう。

 作ったモデルをFBX形式で出力し、AEROで読み込んで、アニメーションを仕込みます。
 細かな動きを指定したい場合は、FBX出力時点でアニメも仕込んでおき、アニメーションの再生時間で動きを仕込むと良いでしょう。
(たとえば、5-15秒で歩くアニメ、20-30秒で手を振るアニメを用意し、30秒のアニメとして出力。起動時は5-15秒前のアニメをループさせ、タップすると20-30秒のアニメをループさせる、など)

ツールまとめ②
AdobeAERO
 手軽にAR体験ができるスマホアプリ。β版ということもあり、無料

④藤田さんを召喚できました の動画

 AdobeAERO がAndroidでは使えないという問題に対処するため、Androidで3Dモデル表示ができるアプリが無いか探していました。(この前の動画はiPadで撮影していました)

 すると、Gatebox というい非常に都合のいいソフトを見つけることができました。本来はデジタルフィギュアを投影したり、AIアバターを表示するためのソフトのようなのですが、自作モデルにも対応していることがわかりました。

撮影光景

 なおツリーでも言及していますが、この動画の音声はゲーム音声を撮影しながら横で流しているだけという、非常にシンプルなアナログ合成です。

ツールまとめ③
GateboxCollection
キャラクター召喚装置と呼ばれる、3Dモデル投影装置。
そのデジタルフィギュアコレクションを鑑賞するためのアプリ。
自作の3Dモデルもスマホで鑑賞することができる。
このアプリ自体は無料。

⑤メリークリスマース! の動画

④の動画をベースに、映像編集ソフトを使ってクリスマス装飾を施したバージョン。サンタ帽はBlenderで新たに付け加えた。
 音楽はYouTubeAudioLibraryから。

⑥スターリンク の動画

 本当に偶然に、12月24日にスターリンクが非常に好条件で撮影することができた。
 ④の動画の背景をグリーンバックにして出力し、2つの映像を合成した。

ツールまとめ④
AdobePrimePro
 いわずとしれた映像編集ソフト。それなりに高価だが、安定して使いやすい。今回の範囲なら、別に他のソフトでもいいと思う。

まとめ

Blnederでモデリング(造形)、
 UV展開(テクスチャ、色)
 リギング(関節)

↓ (FBX、VRMで出力※)

UnrealEngineでアニメーション(動き)
AdobeAERO でAR合成
GateBox で3Dモデル鑑賞

※VRMでの出力は、Blenderの プラグイン 導入が必要

※参考:モデリング(造形)のやり方

 モデリングにはさまざまやり方がありますが、大きく2つのアプローチがあります。

 1つは、スカルプトモデリング。
粘土細工のように、直感的に盛ったり削ったりしながら造形していきます。
よく使われるソフトは、ZBrush などです。

 もう1つは、ポリゴンモデリング。
 バーテックスと呼ばれる点の座標を指定し、それらを線で結ぶことで面を構成し、立体を構築します。
 つまり、基本的には三角形の集合体となるようなモデルを作成します。

 今回のちびぐるみ再現はそこまで複雑な造形を必要としないので、どんこめはポリゴンモデリングで挑みました。


参考になるサイト


 3DCGは、「どのような過程であれ、最終的に見せたい絵になればヨシ」といった所があります。
 全部を学ぼうとするのではなく、まずやり始めてみて、
こうしたいのにわからないな」と壁にぶつかった時に必要なことをその都度調べてみると良いでしょう。

 実際のところ、今回どんこめがモデリングで使ったツールは、
「押し出し(Extrude)」
「細分化subdivision(subdivision)」
「ミラー(mirror)」
程度だったかと思います。

 現在はChatGPTという強力な助っ人もいるので、よりハードルは下がっていると思いますし、どんこめも久々のモデリングだったので結構聞きまくりました(笑)


今回のことねの場合、

・球体を作る
・上半分を押し出して拡大。上側が髪の毛、下側は顔の部分として使う。
・顔のバランスを若干調節して、首になる部分を選択して押し出す。
・首の部分を更に押し出し、体の長さ分を押し出す。
・体の部分を選択して横に拡大。必要に応じて細分化。

・基本的に左右対称なので、ここで全体の半分(右か左)を削除する
・腕と足を押し出して製作。この時、関節を考慮して多少細分化しておく
・腕と足ができた段階で、全体を選択してミラー。削除していた半分もできあがる。

・髪の毛は、線を押し出して面を作るようにして作っていく。今回はぬいぐるみ再現なので、そこまで立体感は気にせずに。
・形ができたらテクスチャの用意。正方形の画像に、顔と洋服。それから髪、肌、ピンの色などを準備。
・テクスチャの色を適用したい部分を選択して、UV展開。
(ビューを元に投影)たとえば、顔の部分を選択しカメラを正面にしてUV展開すると、選択した部分をテクスチャの顔に合わせれば顔が表示される。
・これを繰り返し、全身のUV展開を行う。ある程度は自動でやって、顔など重要な部分だけ手動でやると楽。

・モデルが完成したら、関節となるボーンを入れていく。
・構造がよくわからない場合は、前述のVRMプラグインを入れて、基本形のボーン配置を参考にしてしこむと良いし、そのボーンを動かして配置してもOK。
・最後に、ウェイトを決めて完成だが これが一番面倒くさい。
 どのボーンを動かした時に、どのメッシュが動くかという指定をしていく。Blenderの場合は、コレクションで指定していくと楽。
 注意してほしいのは、そのボーンだけが動かす部分を指定するのであって、そのボーンの子ボーンが動かす部分は指定しなくていいということ。
 (たとえば肩のウェイトは、肩~ひじの部分だけを指定すれば良い。腕だからといって、肩から指先まで指定しまうと、後で想定外の動きになってしまう原因となる。)


 文字ばっかりで申し訳ないですが、途中の記録画像を撮ってなかったので(苦笑)

・やらなかったが拡張的にできること

 たとえば表情も表現できるようにすることもできるでしょう。

 目や口の部分を立体的にモデリングして可動させる方法と、
 表情の差分テクスチャを用意して切り替える方法があります。
 顔を赤らめるなどの表現の時には、普段は無色透明な面を用意しておいて、使う時だけ透明度を下げるなどの方法も。

 今回はそこまで作りこまなかったものの、興味がある方は是非チャレンジを!


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