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大株主動向 TOPIX30②日本電産

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日本電産の大株主動向 2016~2022


日本電産の大株主割合。下の灰色は大株主リスト以外の「その他」
下から3番目の黄色が創業者の永守重信氏、
下から2番目の赤色が日本マスタートラスト信託銀行。

 最近ニュース記事で見かける機会も増えたのではないかと思われる日本電産です。2022年の株価はかなり低迷し、年初来▲50%と苦しい展開となりました。
 そんな日本電産の大株主割合、2021年頃までは大株主リストの株主が4割程度でしたが、2022年3月期のリストでは50%ほどに増えていました。
 この期間で特に株主比率を高めたのは、下から2番目の赤色、日本マスタートラスト信託銀行です。1年間で実に3700万株も増やしているようでした。

日本電産大株主の特徴

 日本電産の大株主で特徴的だと感じたのは、次の3つです。
1つは、創業者である永守重信氏の保有割合が8.3%と高いこと。
2つ目は自社株買いが多いこと。
3つ目は、SSBTCに大量保有され、後に売られ始めていること、です。

黄色の太線は永守氏の保有量。
黒い太線は自社株。
赤い点線はSSBTCの保有量。
なお、2022年以降に筆頭になっている赤い実線は、日本マスタートラスト信託銀行。
一番上の灰色は、大株主以外のその他。
2020.3~2021.3の間に株式分割が行われている。

 まず1つ目ですが、日本電産の創業者である永守重信氏(グラフの黄色い太線)は長年筆頭株主であり続けていました。永守氏の株式保有数自体は、分割の時は別として増減はずっと起きていません。
 この状況に変化が起きたのは2022年3月期。日本マスタートラスト信託銀行が保有量で永守氏を上回ったのは、前述の通りです。
 この情報が公開されたのが6月20日で、永守氏がCEOに復帰したのが4月のことでした。それ以降、"永守氏叩きV.S.永守氏擁護"とも言える報道合戦が続々と出てきたのもこの頃からです。

 日本電産の有価証券報告書には、ある変わった文章が出てくる特徴があります。事業等のリスクの中に、「永守重信(氏)への依存に係るリスク」という項目が、毎年期末の報告書に書かれているのです。
 しかしどういうわけか、今年に関しては第2四半期の報告書にもこのことが書かれていました。やはり、何かしら永守氏に関して社内がざわついているようだ、と読み取られても仕方が無いように思えます。


 さて2つ目の特徴ですが、先ほどのグラフの下の方にある黒い太線。これは自社株保有量です。最近だと年間500万株ペースで買い集め、更に今年の3月末~9月末のわずか半年間でも500万株規模の自社株買いを実施しているようです。
 現在の自社株保有量は約2104万株で、これは大株主5位に相当する量となります。(約3.5%)
 
 創業者が大量に株を保有し、なおかつ自社株買いも大量実施。この構図は、前回のソフトバンクGともよく似た状況であるような印象を感じます。
 もっとも、その割合はソフトバンクよりはずっと低いですが。

これが意味することとは?

 日本電産に関しては、過去に決算に関する記事を書いています。そちらも読んでいただけたらと思います。 
 https://note.com/donkoucomet/n/nde78a53a1fdf

 その中で、結構な「中国依存」があることを指摘していました。
それを裏付けるような特徴が、3つ目のSSBTCの保有量です。

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