映画と投資は少し似ている
誰でも使える1つの指標
もう一度お金を払って、その映画を見たいか?
これは、自分が映画をレビューする上で最も重きを置いている基準です。
世の中には色々な映画があります。
「最高の映画」「最低の映画」「繰り返し見たくないが、一度は見てみてほしい映画」「無料なら見てもいいかなと思える映画」
しかしこれらは時に、邪な価値観で推し測られる時があります。
「興行収入○○億円!」
「観客動員数○万人!」
「全国〇〇〇シアターで上映!」
「総制作期間○十年!」
だからどーした。と言うよりも、言葉のイメージの裏に真実が隠されている場合があります。
「興行収入○○億円!」→奇跡的大収入! or だけど赤字。
「観客動員数○万人!」→リピーター続出! or 実はみんな招待券客
「全区に〇〇〇シアターで上映!」→連日満員 or 全館閑古鳥
「総制作期間○十年!」→世紀の名作! or 昔の新しいは今の常識
…まあ、色々あります。
映画は人材も機材もたくさん使いますから、芸術というよりは商売として成り立たなければ意味がないわけで、しばしばこの手の謳い文句が宣伝に躍るわけです。
作り手にとっての「当たり」の映画と、視聴者にとっての「当たり」の映画は、しばしば違うのです。
投資に当てはめてみる
今の話を、そのまま投資に当てはめて考えてみましょう。
もう一度リスクを払って、その投資を買いたいか?
映画での作り手は証券会社、視聴者は投資家でしょうか。
証券会社にとっての「売りたい」投資対象と、投資家にとっての「買いたい」投資対象は、しばしば違いますよね。
「売上高〇〇億円!」→ 黒字or赤字?
「出来高〇〇で超人気!」→買いor売り?
「あのインフルエンサーがオススメ!」→有益orポジショントーク?
「創業〇〇周年!」→定番or衰退産業?
もちろん投資の場合、実現損益という明確な数字が出せますから、映画よりよっぽど結果が明確でわかりやすいです。ただ、結果が出るまでにずっと時間がかかるのが、映画とは大きく異なる点です。
好きな映画を見つけよう
人によって好みの映画が異なるように、人によって好みの投資スタイルも違うものです。そしてそれらは共有、あるいは強要されたり、確固たる正解があるわけではなく、自分で正解を決める物なのでしょう。
中には「一切考えるのが嫌で、証券会社やインフルエンサーのオススメをひたすら疑問も持たずに買うのが答えだ」という人もいるかと思います。それも1つの正解のありかたでしょう。
とはいえ、なるべく万人に当てはまるような基準とは何かを考えた時、おそらく最終的に行き当たるのは、先ほど記した通りになるのではないかと思います。
もう一度お金を払って、その映画を見たいか?
もう一度リスクを払って、その投資を買いたいか?
自分の身銭を切ってストレスを感じたい人は、そうそういないはずですからね。
映画と投資で違うことがあるとすれば、それは映画の中身が不変であるのに対し、投資は中身が常に変化している、ということでしょうか。
だから「当たり」の投資を見つける方が、「当たり」の映画を見つけるよりもずっとずっと難しいのです。
投資で「当たり」を見つけるために、映画の「当たり」を見つけるコツをつかむことに意味があるのか?それはわかりませんが。
その直感を鍛えるためには、やはり映画館へ足を運び、当たりの映画を見つける勘を鍛えるほか無いのかもしれません。
投資の失敗より、映画の失敗の方が、コスト的にも時間的にも、リスクは低いはずですからね。
(という、【映画館で映画を見ましょう】という宣伝をするお話でした)