横浜市営地下鉄の減便に関する考察
2023年ダイヤ改正は減便
なぜかまだ市交通局のHPには掲載されていませんが、横浜市営地下鉄の2023年3月ダイヤ改正に関する情報が出ました。それによると、全体的に減便傾向の改正を実施する模様です。
グリーンラインは減便も増結効果で混雑緩和か
グリーンラインはこれまで日中毎時8本×4両運転でしたので、毎時32両の輸送量がありました。
今回のダイヤ改正で毎時6本への減便となり、従来通り4両だと毎時24両への輸送力減となります。しかし昨今6両編成化が始まっており、6本中4本が6両化されれば同じ輸送量となる見込みです。
(6×4+4×2 = 24+8 = 32)
現在グリーンラインの1周は53分、日中7本運用。これが新ダイヤになると、おそらく日中6運用になるものと思われます。
現時点では6両編成は2編成しか組成されていない模様なので、当面は輸送力減となる見込みです。
22年度と23年度は各3編成、24年度4編成の計10編成が6両化される予定です。(+20両)
日中時間帯に全列車が6両化されるのは早くても24年度になると考えられます。
全列車6両化は? なぜ新造は10編成分だけなのか
グリーンラインの車両は17編成68両ありますが、朝ラッシュには14編成56両が可動しているようです。これは6両なら10編成あれば足ります。予備に3編成が必要ならば13編成78両で足りることになります。
新造で10編成20両が増結された後、残り7編成が4両編成となりますが、この内3編成の中間2両を他の編成に充当すれば、6両3編成を作ることができます。
・新造中間車で増結 →6両10編成60両
・編成組換えで増結 →6両3編成18両
・非改造 →4両1編成4両1編成4両
・組換えで余剰となる先頭車→3対6両
計88両、稼働78両13編成、休車10両
編成組換えによる6両化は発表されていませんが、全車6両編成化を早めるならば十分ありえると考えられます。というのもグリーンラインは、鉄輪式リニアモーターカーというかなり高価な設備であるため、全編成分を新造増備するのはかなりのコストがかかると考えられるからです。
そしてこの予想通りの展開となった場合、残りの4両1編成分の中間車も、先頭車4両を改造して捻出する可能性もあると考えられます。
乗務員室側をカットし、もう1両の連結面を溶接すれば車体は構築できますし、足回りの電装品だけを新規発注すれば2両は制作することができるはずです。
これで更に6両1編成を構築できれば、休廃車は先頭車2両で済みます。(あと運転台4つ。部品取りに使える?)
ただし、これはグリーンラインが今後一切延伸せず、10,000形は増備予定が無いとした場合の話です。もしそのような話になった時は、おそらく新形式による最初から6両での増備となるでしょう。それはかなり先の未来の話になりそうです。
ブルーラインも日中10分間隔に
さて、今回の話の肝はブルーラインです。日中毎時8→6本への減便となり、朝ラッシュも運用数が33→32編成に削減となります。
4000形の導入予定数が、旧車両で廃車予定の3000A形と同数である8編成であることから、最終的に車両運用数は36編成になると思われます。
これは2021年度に事故廃車した2編成分の純減となるので、日中についても運用数を削減せざるを得なかったものと思われます。
現在のダイヤの場合おそらく日中は22編成が稼動しています。今回のダイヤ改正により、19編成に削減されるものと思われます。
グリーンラインと異なり、ブルーラインは増結が行われるわけでは無いので、単純に輸送力が減ることとなります。
減便による快速増発などの救済も無いのはこういった理由と思われます。ただし、快速運転時間帯は日中・土休ともに1時間ずつ延長される見込みです。
東急・相鉄新横浜線の開業により、相対的に需要減も予想されますから、それを見込んだ減便なのかもしれません。今後、快速増発、停車駅見直しといった取り組みが行われるかは、その影響次第となりそうです。
減便以外の情報
その他の情報として、下記の情報がありました。
・関内~伊勢佐木長者町間での減速措置
上記区間には、R125という普通鉄道としてはかなりの急曲線があります。この区間での通過速度を現在よりも下げることで、レールや枕木等への負担を軽減し、補修頻度を下げて経費削減を狙うそうです。
具体的には37→27km/hへ 10km/h下げることで、年間4000万円程の削減効果が見込めるとのことです。
・駅停車時間の余裕時分確保
各駅の停車時間は20秒程度だったようですが、1駅あたり25秒以上確保するように変更するようです。これにより、普通列車で片道1分程度の所要時分が増加するようです。(途中30駅×5秒=150秒なので、特に増えない駅もある?元々30秒以上確保していた駅がある模様)
最後に
今後、ブルーラインは新百合ヶ丘延伸が予定されています。そうなれば車両の増備も必要となりますが、昨今の状況を考えるとなるべく最低限で抑えようとすることになりそうです。
したがって、新百合ヶ丘~あざみ野間開業時には快速運転区間の延長は行わないと考えられます。もし快速区間拡大を考えているならば退避駅の新設もありえますが、本当に退避駅が必要なのは横浜~関内間のいずれかの駅のはずです。
ただ、3000A形が廃車されたように、今後も旧型車両(3000N~)の置換更新が行われるとすれば、なかなか純増となるような車両増備は難しいと考えられます。
そうなると、快速の運転中止による車両捻出もありえるでしょう。
今後も劇的な利用状況の回復が起こらなければ、あまり大規模な改善は起こらないことでしょう。
今後もコストカット施策が求められるならば、無人運転化もありえるかもしれません。シーサイドラインで実例がある以上、無いとは言い切れません。