#読書週間だからRTされた数だけお勧め文学少女・文学少年を紹介する
内容は表題の通りなのですが、筆者は1万RTくらいされて大変なことになると慌ててリサーチしたものの、たった3RTしかされなかったため、悔し紛れに記事にしている次第です。
定義はどうにも難しいのですが、単純に「本が好き」というだけでなく、本がアイデンティティ、本と自己が切り離せない、本のためなら死ねる……と、そんな人物を狭義の「文学少女・少年」として採用してみました。もうちょっと広義に「本好きのキャラクター」というのは別項に。それでは、早速。
1 天野遠子先輩("文学少女"シリーズ)
愛読書:『人間失格』『嵐が丘』他多数
なんというか、もう自称からして「文学少女」。本を愛するあまりに本のページを食べたりしますが、決して「妖怪」などと呼ばないこと。ライトノベルのその名も"文学少女"シリーズに登場し、本のうんちくを語ったり、物書きのもう一人の主人公、心葉くんに創作をねだってそれを味わったりします。三つ編みセーターとこちらも文学少女テンプレートなので眼鏡は外したと推察。
2 読子=リードマン (R.O.D Read Or Die)
愛読書:すべての本 作家「菫川ねねね」(架空)
名前からして様子がおかしい。英国政府のエージェントでコードネームは「ザ・ペーパー」本、というか紙を自由に操って戦う能力者。本を読むか戦うか寝てるかのどれかで、レベルの違う文学少女……少女? テレビ版で出てくる三姉妹のアニタが好きだったりするのだけど、こちらは本嫌いなので入れられず。でもたった一冊の本『赤毛のアン』が彼女とその友人の人生に強い意味を与えてるなら、それはそれで「文学少女」と呼びたくなる気持ちもあります。
3 月島雫 (耳をすませば)
愛読書:「ウサギ号」シリーズ(架空)
たぶん日本で一番有名な文学少女。ようやく、幾分現実的な女の子の登場ではあるけど、文学少女の基本スキル「夢見がち」は続編『猫の恩返し』で十分に体現している。創作をするために図書館で調べ物をする、という描写はアニメ・マンガではあまりないので貴重かと。ラストシーンばかり印象に残りますが、僕はといえば、おじいさんに小説をほめてもらって「嘘! 書きたいことがまとまってません! 後半なんかめちゃくちゃ!」と泣き崩れるところが最高だと力説しては、「ああ、そんなシーンもあったね」と言われます。愛読書の「ウサギ号」の元ネタはいろいろありそうですが、まあアーサー・ランサムのシリーズ「ツバメ号とアマゾン号」ではないかと。
4 汐宮栞(神のみぞ知るセカイ)
愛読書:『もっとあぶない岡っ引き』(架空)
「神のみ」の主人公桂馬が「最近ゲームで図書委員が絶対出てくる」と言ってますが、調べた感じそんなに多くない気がする……「人とふれあうのは苦手……でもいいの……本さえあれば……ここにいれば……私は大丈夫……この城の中で……私は生きていくんだ」最終的には図書館に立てこもるという文系少年少女の夢を叶えてくれる。名前が「栞」というのもベタだけど、作品の性質状「文学少女」という属性を背負っているためか。確か後半の女神編で割と重要な役回りだったような。
5 パチュリー・ノーレッジ(東方シリーズ)
愛読書:?
マーキュリポイズン奇麗ですよね。「動かない大図書館」という二つ名もあるそうで、図書館に暮らしている正真正銘のビブリオマニア。アニメやらの作品があるわけではないのですが、設定としては地下の図書館に引きこもってひたすら本を読んでる文学少女……少女?(百歳とからしい)なお僕は本好きでパジャマ萌えなので好きなキャラクターの一人です。本とパジャマ。最高のコンボだ。
6 ミド・プリヴィア(ファイナルファンタジーⅤ)
愛読書:マダレムジエン(嘘)
FFⅤに登場するショタ文学少年。最高だと思うのですが、中々目にすることのない属性ですね、ショタ文学少年。そろそろ少年も出さないと、という気持ちから。本に集中していると、魔物が出ようがおかまいなし……的なことがwikiに書いてある。ところで「学者」というジョブはⅤにはないんですね。残念ながら。FF14ではヒーラーをやってたので良く敵を本で殴っていました。
7 鷺沢文香 (アイドルマスターシンデレラガールズ)
愛読書:『はてしない物語』『注文の多い料理店』
「・・・本は・・・お好きですか?」長い前髪、ストール、内向的性格、カチューシャ、「文学少女アイドル」というふれこみですが、世の中のアイドル全部文学少女だったらいいのに、という思いでいっぱいです。そういえば堀北真希など「文学好き」イメージのアイドルも実際いますね。デレマスアニメでは気弱な姿を見せつつ、ありすとの感動的な交流を見せてくれました。
8 七尾百合子(アイドルマスターミリオンライブ!)
愛読作家:太宰治、ブラッドベリ、トールキン
「はぁ…人見知りを直す方法だけはブラッドベリも太宰もトールキンも教えてくれなかったんですよ…。」鷺沢さんが人見知り系文学少女のイデアなら、こちらは夢見がち系文学少女のイデア。もといアイドル。グリマスアニメ、待ってます。こう言ってますがそんなに人見知りには見えない。確かに、上述の3人はどれも人づきあいうまくなさそうだ……なお、ミリマスでは北沢志保も絵本好きという設定を持っています。
9 西園美魚 (リトルバスターズ)
愛読書:若山牧水歌集
白鳥はかなしからずや空の青海のあをにも染まずただよふ (若山牧水)主観ですが、僕が思うに彼女は最も正しい意味で「文学少女」だと思うんですね。それは、物語の中で、美魚というキャラクターと、若山牧水の詩が離れがたく結びついているからです。「わたし、そのものが書いてある」と言うその本。物語自体が、ある歌を軸に進んでいく。若山牧水がいなければ、このキャラクターは生まれてこなかった。そう言ってしまえるような存在はそう多くないように思います。そしてまた、僕たちは彼女の目を通して、牧水に触れることにもなるのでしょう。
10 里見こだま(それは舞い散る桜のように)
エロゲですが、シナリオライターの王雀孫さんは児童文学を相当愛してるらしく、のちの『俺たちに翼はない』でも随所にそのエッセンスを感じることができます。こだま先輩のシナリオでは、エロゲシナリオの枠を超えて、「児童文学とは?」という演説めいたシーンが白眉。
番外 バスチアン・バルタザール・ブックス
本を愛し本の中を旅する『はてしない物語』の主人公。鷺沢さんが持ってたり、『俺たちに翼はない』や『電脳コイル』なんかにも、直接ではないけどこの本が遠く響いているような、文学少年垂涎の―と同時に最も恐ろしくもある―一冊。
#別項 本好きのキャラクターたち
「文学少女」とは言わないまでも、本・読書がイメージの一部になっているキャラクターたちをご紹介。
1 長門有希 (涼宮ハルヒの憂鬱)
愛読書:ハイペリオンシリーズ
言わずと知れた長門。「長門有希の100冊」なんて企画が出来たほど。雑食だけど割とSF好きだったような。本が面白いかと尋ねられ「ユニーク」と答える場面はあまりにも有名。
2 高島ざくろ(すばらしき日々)
愛読書:『シラノ・ド・ベルジュラック』、ニコラス・クザーヌス
「文学少女」キャラというわけではないけど、彼女も西園さん同様に『シラノ・ド・ベルジュラック』という一冊と深く結びついたキャラクター。本とともに生き、本と共に変わり、本に救われる美しいストーリーにいつも震える。
3 城之崎灰流+宮乃伽子 (FOREST)
愛読書:不思議の国のアリス、宝島、イギリス児童文学
児童文学をモチーフにしたエロゲなので、基本的に全員読書好きなのですが、主人公と裏ヒロインともいえる「黒のアリス」は別格。二人で「宝島」の海賊の歌の翻訳を考える、なんてシーンはうらやましくて涙が出る。様々な児童文学のオマージュになっているエンディングはエロゲーにとどまらず物語の至宝。
4 一之瀬ことみ (clannad)
愛読書:たんぽぽ娘
ひらがなみっつでことみちゃん。生息地は図書室の天才。「おとといは兎をみたの。きのうは鹿、今日はあなた」という『たんぽぽ娘』の一節をそらんじる。どっちかといえばバイオリニストの"超弦"少女。
5 金色の闇 (toLoveる)
愛読書:?
長門同様、宇宙人無口キャラは本が好きになる宿命でもあるのだろうか。そういえばミギーも本読んでましたよね。知的生命体のいるほかの惑星について、翻訳機を持って本やにかけこむ、それが銀河文学少女。
5 槙島聖護 (サイコパス)
愛読書:マックス・ウェーバー、ベンサム、伊藤計画
文学少……年? 本の力が管理社会への抵抗の拠点となる……というポイントから言えば、むしろ『華氏451』か。彼の場合も、本と「インターアクト」することで自らの行動を変化させていく、という点で単なる「本好き」とは一線を画しているように思います。
#まとめない
以上ですが、僕があまり親しんでないだけで、ヴィクトリカ(Gosick)とか、シェスカ(鋼の錬金術師)とか栞子さん(ビブリア古書堂)とか、金魚や古書店とか図書館の主とかダンタリアンの書架とかいろいろありますよね。ただし、単に「本好き」のキャラクターは多くても「本と共に生きる」という、深い繋がりが描かれている、となるとあまり多くはないように思います。ファッション文学少女はお呼びではないのだ。『図書館戦争』読んでて、こうした意味での「文学少女」が一人もいないように感じて放り投げた覚えがあります。早く登場するヒロイン全員が文学少女のギャルゲー作りたいです。