回文
回文を作りました。それだけです。
・狢、餅食う口も馴染む
・うこん信仰
・軍手食うと浮く天狗
ご自由にお使いください。
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せっかくなんでショートストーリーを付けてみますか
・狢、餅食う口も馴染む
「この付近には狢が出る。」
「むじな?」
「そう、奴らは人に化けることができる。用心しなされや。」
「人に化けて何をするの?」
「そうじゃな。人のものを勝手に食べたりする、せっかく作った飯を半分以上食いやがるんじゃ。」
「そりゃ困るね。見分けられないもんなの?」
「むずかしいのぅ、一度化けるとすぐ周りの人間とも馴染むからのぅ。」
「そうか、まあお互い気をつけよう、じいさん。」
そう言って僕はじいさんが焼いていた餅を一つ頂戴し、巣穴へ戻った。
・うこん信仰
「本日の飲み会もどうか、無事に切り抜けられますように…」
酒の苦手な俺は、毎日のように飲み会をしたがる会社で苦しい思いをしている。そんな俺に唯一味方してくれたのは、このウコンの飲み物。毎日、助けられてます。
「はぁ〜、ありがたや。では、いただかせていただきます。」
グビッ
・軍手食うと浮く天狗
山道の舗装作業は正直言うとかなりキツイ。すでに俺は疲労で頭がおかしくなりそうだった。
「ダメだ。ちょっと休憩。」
そういって日陰で休もうと、生い茂る草をかき分け道なき道を歩いていった。
少し歩いたところで、川の流れの音がした。
俺はその音のする方へどんどん歩いていった。
しかしいつまで経っても川は現れない。
気がつくと俺は、自分が今どこにいるのかさえわからなくなった。
すると、
「お前を呼んだのはワシじゃ、この山で何をしている?」
振り向くと、大柄で鼻の長い山伏のような男が立っていた。
て、天狗だ…
「ほ、舗装作業です、山道の。ボコボコになっていると聞いて…」
「祠に用があったわけではないのだな?」
「ほ、ほこら?」
「どうやら知らないようだな。この山には絶対に触れてはならぬ祠がある、ワシはそれを守るためにここにいる。目的が祠でないのなら帰してやろう。だがもし嘘だったときは…」
天狗はいきなり近づいてきた。反射的に出してしまった俺の手に、天狗は噛み付いた。
「うわあああ!」
幸いにも軍手をはめていた俺は、手を勢いよく軍手から引き抜いた。
すると天狗は俺の軍手を一飲みで食った。
次の瞬間、
ハハハハハ!
大笑いしながら天狗は宙に浮かび、そのまま山の奥へ消えていった。
俺は疲れを忘れて全速力で走って逃げた。