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黒幕甲子園2    #毎週ショートショートnote

「究極の暗闇を求めて」
そんなキャッチフレーズで始まった
黒幕甲子園
 
当初は、お化け屋敷運営会社と町の暗幕工場が参加する小さな大会だったが、会社のブランドアップを狙って参加した大手化学繊維メーカーから斬新な技術が披露され、一躍世界が注目する大会となった。
 
光エネルギーを効率よく吸収し、エネルギーを蓄えるだけではなく、そのエネルギーの放出をコントロール出来ると言うものだ。
暗室を作るだけでなく、それ自体が照明にもなるのである。
 
この技術は、布状太陽電池として技術転換され、技術覇権を狙った日本政府からの補助金制度が発表されると、多くの資本が、光を吸収する繊維の開発に流れ込んできた。
 
そして遂に、某物理化学研究所が究極の技術を開発したのだ。
全ての光を吸い込むブラックホール繊維の発表だ。
 
これで優勝かと思われたのだが・・・

 
この繊維はその名の通り、光だけでなく大会会場自体を吸い込んでしまい、黒幕甲子園は結果発表を待たずに消滅した。

(414文字)


お化け屋敷には一度も入ったことがありません。
幽霊やお化けの存在を信じていないので、怖くなんてないからと思っている?からですが、こんな暗幕で覆われたお化け屋敷には興味津々。
 
たらはかに(田原にか)さんの
毎週ショートショートnoteに参加しています。


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