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【夏休みの自由研究】お茶とは何か ~What is tea?~

 皆さんお久しぶりです。ドン=小泉です。最近は寄稿記事ばっかりになっていたので、好い加減書かなきゃなと緊急で筆を取りました。その結果がこのタイトルなら怒られちゃわない?

 さっそくですが、皆さんは「お茶」って知っていますか? ご存知ない方もいらっしゃるかと思いますので、goo辞書さんから語釈を一部引用します。

ツバキ科の常緑低木。(中略)ちゃのき。
1の若葉・若芽を摘み、飲料用に製したもの。葉茶。また、その飲料。
 抹茶をたてること。点茶。また、その作法。
「茶色」の略

引用:goo辞書 

 大まかに植物、飲料、行為、色名の4パターンで解釈されるモノのようです。今回の記事でテーマとして取り上げるのは「飲料としてのお茶」です! では早速本題に移ります。


お茶の定義

 先述の通り、お茶というのはチャ(チャノキとも)を加工した飲料を指す用例が一般的らしいですね。お茶と聞いて思い浮かべる飲料は、緑茶だったり紅茶だったりする人も少なくないでしょう。緑茶、烏龍茶、紅茶は全て同じ植物が由来であり発酵の度合いによってその違いが生じる、なんて話は最早クリシェにもならないくらい一般常識として、広く知られている程です。

 全農の下部団体である全国茶生産団体連合会・全国茶主産府県農協連連絡協議会には以下の記載があります。

最近ではいろいろな飲料が出回り、〇〇茶と「茶」の字が使われているが、本来、茶とは永年性の常緑樹でツバキ科の植物のチャ(学名:Camellia sinensis(L)O.Kuntze) を原料として作られたものをいう。

引用:全国茶生産団体連合会・全国茶主産府県農協連連絡協議会

 goo辞書にも同意の記載がありましたので、この記事としては上記を茶の定義とします。この後にこの定義が活きることはありませんが。チャ以外で作られたお茶は正式には茶ではないという見解のようです。

茶ではないお茶 「茶外茶」

 先章の引用元でも述べられているように「最近ではいろいろな飲料が出回り、〇〇茶と「茶」の字が使われている」という純然たる事実が存在します。チャやチャノキ以外を加工した飲料でも〇〇茶や〇〇ティーと呼ばれるケースは枚挙に暇がありません。麦茶、梅昆布茶、ジャスミン茶などなど、思い付くモノは多いです。因みに焙じ茶はチャを焙じた飲料なので正式にお茶です。

 これらのチャ以外の植物を加工し、お湯で煮出す(水の場合は水出しを行う)飲料のうち〇〇茶と称されるものを「茶外茶」と言うようです。文化的にも一般生活においても茶外茶はもうお茶だと思います、個人的に。

 茶外茶の題材となるチャ以外の植物って色々ありますよね。さっき挙げた麦とかジャスミンとか。梅と昆布で梅昆布茶もまあ植物といえばそうですね。ハトムギ……は麦ですし。豆科のルイボスやモチノキ科のマテ、果てはゴボウなんてのも茶外茶の原料になります。
 逆にどこまでが茶外茶で、どこからが別の飲み物になるんでしょうか。

お茶とは何か

 この話をすると真っ先に思い付くのは「コーヒーは茶外茶」と言えるのか。今までの要素を考えるとコーヒー豆(コーヒーノキから採取できる種子)を加工しお湯で出すという手順を踏むコーヒーは茶外茶と呼んでも遜色ない気がしますが、実際はコーヒー茶と呼ばれることも、お茶であると認識されることもありません。何がこの違いを産むのでしょうか。

 この件について調べていると上記の記事が日経に掲載されていました。記事ではコーヒーチェリーからコーヒー豆を取り出す際に生じる、皮と果肉を加工してお茶にしています。種子であるコーヒー豆からはコーヒーが作れるけど、皮と果肉からはお茶が作れるということは、加工元の素材が何であるかに左右される……?

 植物の種子ではない部分を加工した飲料をお茶ないし茶外茶であるとしても良いのではないか、そう結論付けてnoteを締めようと思ったその時、私は麦茶を飲んでいました。
 気になって麦茶について調べてみると大麦の種子を煮出して作るとありました。種子じゃん。麦茶のことを更に調べてると、英語圏においてはシリアルコーヒーに分類される場合もあるそうです。

え?

 麦茶はお茶であり、コーヒーでもあるってこと?? 確かにコーヒーって凄く濃い麦茶みたいな味(個人の感想)しますもんね。麦茶がコーヒーとお茶の交叉たり得ることについて、個人的にはまだ感覚が付いていきません。これもっと詳しく調べていったら文化論で卒論のテーマに出来そうですね……。

結びに

 結論としては片手間とやっつけで調べたことから得られることなどなく、お茶(茶外茶含む)とそれ以外の違いなんて浅学には分かりっこないってことです。

 何を茶と呼ぶかはそれこそ文化的な文脈に根差す話であり、おそらく国や地域によっても様々です。漢字文化圏における〇〇茶、インド亜大陸周辺のチャイ、欧米州の〇〇ティーなど、それぞれお茶ないし茶外茶を指します。何を茶とし、何を茶ではないとして、名付けをするのかをもっと詳しく追って行くとより興味深い結果が得られそうです。

 本記事タイトルの元ネタであるE.H.カーは「歴史とは過去と現在の間の尽きることを知らぬ対話」的なことを言いましたが、名付けと認識の文化も似たようなことかも知れません。今回のテーマがたまたお茶であっただけで、身近な題材で調べてみたら絶対面白そうですよね。

 ということで夏休みの自由研究にお茶という飲料の呼ばれ方について調べるのも良いんじゃないでしょうか。多分人文系の研究が好きな人にはちょうど良いテーマだと思いますし。それでは自由研究頑張ってください!

2023年に書いた夏休み記事はこちら
「【夏休みの自由研究】点字を読んでみたい #1」

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