#9 藍生葉のゆっくり編・ちょっと時短編グルコース建てレシピ
前記事#8のテストで、藍の生葉染めにおいても、ハイドロでなくグルコース(ブドウ糖)を使った化学建てによって、ある程度の染色力を出せることがわかったので、ここでは晒の半手拭いを使い、もう少し実用的なレシピを考えてみました。
ここに記した時間や分量は必須ではなく、いろいろな条件で結果は変わってくると思うので、実際に染められる場合は、染まり具合を確かめながら(乾くと色はかなり薄い印象になることも加味)、それぞれの状況に合わせて調整していただけたらと思います。
1.グルコースを使った木綿の藍の生葉染めレシピ(ゆっくり編)
タデアイ生葉 50gと、水 500mLをミキサーに30秒ほどかけ、布で漉して絞り、生葉の「ジュース」を作る。
1の「ジュース」に水500mLを加え、そこに消石灰15gを加えて5分ほど撹拌し、沈殿は残るができるだけ溶かす。
2にグルコース15gを加えて5分ほど撹拌し、よく溶かす。
そのまま5~8時間放置した後、布を入れ、ムラにならないよう、ゆっくり水面から出ないように動かしながら5~10分間染色する(5時間放置より8時間放置のほうが色は濃い)。
水の中に布を入れ酸化して発色させ、水洗いして乾かす。
この方法では放置時間が5~8時間と長く、化学建てでも1日がかりになってしまうので、乾燥葉を使った#4の記事の結果を参考に、酸化防止剤のL-アスコルビン酸(ビタミンC)を使って少し時間短縮を図ってみました。
L-アスコルビン酸はグルコース(ブドウ糖)と同様、健康食品として薬局などで販売しているほか、インターネットでも購入できます。
2.グルコースを使った木綿の藍の生葉染めレシピ(ちょっと時短編)
タデアイ生葉 50gと、水 500mLをミキサーに30秒ほどかけ、布で漉して絞り、生葉の「ジュース」を作る(「ゆっくり編」と同じ)。
1の「ジュース」に水500mLを加え、そこに消石灰15gを加えて5分ほど撹拌し、沈殿は残るができるだけ溶かす(「ゆっくり編」と同じ)。
2にグルコース15gとL-アスコルビン酸5gを加えて5分ほど撹拌し、よく溶かす。
そのまま2~5時間放置した後、布を入れ、ムラにならないよう、ゆっくり水面から出ないように動かしながら5~10分間染色する(2時間放置では色が薄めだが、3時間放置と5時間放置は濃い目に染まりほとんど同じ濃さ)。↑タイトル写真はこの条件で3時間放置して染めたもの。
水の中に布を入れ酸化して発色させ、水洗いして乾かす(「ゆっくり編」と同じ)。
3.補足説明
3.1 「ゆっくり編」と「ちょっと時短編」の比較
「ちょっと時短編」の方法だと、3時間の放置でも「ゆっくり編」の5時間放置より濃く染まって8時間放置に近い結果になり、L-アスコルビン酸を加えた効果がはっきり認められました。
3.2 L-アスコルビン酸とグルコースの増量の効果の検討
L-アスコルビン酸の増量に関しては、5g入れたものも10g入れたものもほとんど色に差がつかず、グルコースの増量に関しても15g入れたものも20g入れたものも色の差がほとんどなく、それぞれ増量の効果が認められませんでした。
4.おわりに
グルコースを使った化学建ての方法であれば、自宅でも比較的安全に、木綿で藍の生葉染めが行えるので、今回実際に染めてみた結果をご参考にお試しいただければと思います。
初めて興味を持たれた方は、インターネットに育て方がたくさん出ていますので、ぜひ藍を育ててみてください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?