#11 藍の生葉の残渣を使ったバケツ染め
タデアイの生葉の季節も終わりました。使った後の染色液や、アイの生葉の搾りかすはまだ色が出そうなのでそのまま捨てるに忍びなく、この夏、その活路を探ってみました。
15Lのポリバケツに、記事#8、#9、#10の染色テストなどの藍の搾りかすと、グルコース建てで一度使った染色液を溜めていき、木灰の灰汁も2Lほど加えて10L以上にしました。グループの活動時の搾りかすも加えました。
その時々のpHや消石灰の解け残り方、試し染めした具合などを見ながら、アルカリ剤の消石灰、還元剤のグルコース(ブドウ糖)(pHは下がっていないのによく染まらない時)、酸化防止剤のL-アスコルビン酸(ビタミンC)のうち、必要かなと思われるものを各数十gほど適当に加えながら管理しました。
1~3日に1回は撹拌し、消石灰は沈殿して少し底がざらつくくらいに適宜加えてほぼ飽和させ、pHは11.5から12.0の間になっていました。
溜め始めて3カ月ほど経ちますが、強いアルカリ性である消石灰の水溶液なので、カビが生えることもありませんでした。しかし長期間撹拌せずに放置すると上部のpHが下がってくるので注意が必要です。
表面に薄い幕が張ってきたら染色液として使いました。表面に泡ができることもありました(タイトル写真)。
バケツで染める際は、細かい搾りかすが布に付かないよう、ざるの下に大きめの洗濯ネットをかぶせたものをバケツの液に入れ、その中で布を染めました。
今までいろいろ条件を変えて染色テストを行ってきましたが、このバケツであり合わせのタオルを染めてみたら、これが一番簡単によく染まったように思います。
染まり方の安定性は何とも言えませんが、布の小片を染めてみるとある程度はその時の液の染色力が分かります。搾りかす、他で使用した後の染色液や、消石灰、グルコース、L-アスコルビン酸を適宜加えながら、数カ月間、何度も使い続けることができました。
参考資料
1) 吉原均:藍 地域資源を活かす生活工芸双書、農山漁村文化協会、 2019.8
2) 山口律子:藍染に関する研究--ポリ容器(容量15l)使用による藍発酵建て、園田学園女子大学論文集 (23)、園田学園女子大学 1989.3 p.125-146
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