ラムセス2世のミイラがお引越し
2021年4月3日、かねてより計画されていたミイラの移送が行われた。カイロの中心部にある考古学博物館から、5kmほど南にある国立文明博物館へのお引越し。アブシンベル神殿を造った建築王ラムセス2世、ルクソールに3層の大きな葬祭殿をもつハトシェプスト女王など、古代エジプトの超実力者、錚々たるメンバー22人が新居へと引越しをした。
ミイラといっても「ほうたいでぐるぐる巻きになった」漫画のような姿ではなく、髪の毛や爪痕もくっきり残る見事なファラオ。それでも、なんせ3000年も前の方々。最大限の敬意を払って、エジプト政府は約5kmの葬送行列を執り行った。
ちょっと演出が過剰な気もするけど、なにしろ絶大な権力を誇った王の葬送行列。本当は沿道に大勢の観光客を受け入れて、大々的にアピールするはずだったんだけど。無念。
ファラオのミイラは、ひとりずつ名前の入った寝台車に収められた。車内は湿度や酸素濃度が調節され、あのカイロの凸凹悪路でも損傷しないよう、特別なサスペンションが施されたそうだ。
移転先の文明博物館では、シーシ大統領が出迎えた。2017年に部分開館していた国立文明博物館の目玉展示は、まさにこのファラオたち。2週間後にはミイラの展示が始まり、3年越しのグランドオープンとなる。
ピラミッドをイメージした文明博物館。この建物のどこかにファラオがやってくる!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?