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スロウ・ダメージ クリア感想

こんにちはお疲れ様です。
仕事は相変わらず忙しいのに各所返信が来ない。もうすべてを投げ出してnoteの更新です。

タイトルにあります。スロウ・ダメージ、この度クリアいたしましたのでどこかにこの長い感想を吐き出したいと思いました。
クリア感想なのでネタバレでしかないです。そこだけ注意。

私が今回プレイしたのは普及版(2023年4月28日発売)ですが、無印は2021年2月25日と割と発売から時が経っています。なぜ今この作品に出会ったかというと思い出した、ってのが近いです。当時は制作発表のPVも観ていてこれは確実に良作だ!と思っていたのに流れに流れつい最近、原画展開催のお知らせがXで流れてきました。

追記:原画展当たってました!それまでにオフィワも読み込んでいっぞ!

これは…ついにプレイするときが来たのではと。
ちょうどここ一週間弱、体調不良で動けなかったのでリモートワークが続いていたんです。2回調べた結果コロナだったんですが夜間に40度近くでたり死ぬかと思った。なのですべてを休んでいざ家で養生となると時間があってわくわくしました。寝てはいられなかった。

そんなわけでいざスロダメを実際にプレイ。

シンプルな感想から言いますが
めちゃくちゃ面白かった。
形式としてはノベルゲームで、主人公トワのちょっとした特技というか、対話を試みることで相手の欲望を暴き出すというものがあります。
最初はそんなスケベな特技があってたまるかと思いました。
言葉(キーワード)を舞台となる新神海の探索パートでゲットして特技(euphoria)パートの際に相手に投げかけていき、相手の感情ゲージを狂気、幸福のどちらにもっていくかを決めていきます。

実は私、PCのBLゲームはウン年ぶりでした。
ぶっちゃけスロダメに関してはBLゲーム面白かったな!よりもすごくよく作られた良い作品に出会えたな~のほうがでかいです。
体調不良だったのに強行したけど悔いないね。逆に肉体的に弱っているときだったのでのめりこめたまである。


以下は各キャラクターの感想です。
最初、気になるキャラだけさくっとやろうかなーと思っていたら、
タク、レイ→斑目→藤枝
と解放順があります。藤枝ルートはいわゆる真相ENDとなっています。
ちなみに私がPVを見た時から気になっていたのはトワとタクです。


トワ

主人公。ダウナービッチ系はニトキラ作品でもあんまりいない感じだったんじゃないでしょうか。てか商業でも別作品でもなかなかいないパンチの効いたキャラでした。序盤に鷹郷組の構成員の三人と、偶然公園で会った時に『二人とは寝た』とか心の声がでてくるから思わず二度見した。お店で声かけられて路地でもつれ込んだのはまあ他人だしワンナイトか…と流しましたが身近な人物とも寝てると。この時点で私はおそろしくなって既にタクとレイとも寝てたら攻略どころじゃねえ!と思いました。そことは寝てなかったか。


これは全ルートのトワに言えることですが、自堕落に生きているところに非日常が迫ってきて解決。最終的に各攻略対象のキャラたちがトワに生きる意味をくれます。
また、真相ENDの後の演出ですが、トワがゲームのメインメニュー(アトリエ)から消えて窓も開いています。元々ここは淀んだ色と極彩色が使われたアンバランスな『トワが見ている景色』だったのかと。euphoriaの活動として絵画制作をしたり過去を忘れて自堕落に生きてきたトワの罪の象徴だったのかもしれない。だからこそこの演出に感動したし私はどのルートを辿ったトワもここから巣立ったという解釈でいます。
※euphoriaについては考察したかったのであとで考察を書きます。


また、トワといえば全身傷だらけです。最初はスチルをみるだけで痛そうだなと思っていましたが、だんだんと傷すら美しいものに見えてくるんですよね。血もどばどば出るし(生稲のeuphoriaの時点でビビる自分)苦手なプレーヤー向けにオンオフ機能があってもいいかもなとか思っていましたがそれじゃあこの作品とトワの自傷行為の意味が伝わらないんだなと気づかされました。
特にタクルートで痛みを求めるトワに対してそれは自慰行為だというシーンがありました。『生きてる感覚を実感するためにやる』を原理だと考えると人間だれにでもある刹那的な欲の衝動なのかなって。

話がちょっと逸れますが、ODについて。ちょうど私が事務員をしていた学校で学生がしてしまった為とんでもない事態になりました。私はいまいち彼彼女らの行動心理が分からなかったため、去年ごろ本を買ったりドキュメンタリーを見て勉強しました。ぶっちゃけ勉強するまでは市販薬の過剰摂取をするくらいならお団子早食いとかでいいじゃんとか思ってました。
私なりに結論付けたのは生きるための手段。辛いとかもう生きてけね~よって感情を一時的に失くすためであって死ぬためではないんですね。
希死念慮といったところでしょうか。

これを踏まえて面白いのが、トワはいつ死んでもいい旨を作中何度か言っています。しかしながら自分で命を絶とうとしたりはしていないので(藤枝ルートを除いたトワの信条的な部分です)自然な流れで死がくるのなら受け入れるスタンスなのかと思いました。実際、生稲とか浅倉とのeuphoriaの後に死にかけてタクやレイに電話しているので。


あと柊三太さん…受けの演技がうま~い。普段つんと澄ましてるキャラクターなのにあっちシーンがくると全単語が色っぽい。
本気でスロダメも最近アーカイブで追いまして、柊さんへのオファーをしたくだりで演技への信頼が伺えてにっこり。
その話で言いうと私クリニック勤務のトワの制服姿と斑目ルートで見られるスーツのトワが大好きです。なぜあの恰好でエロシーンがなかった。諦めきれません先生。特にマスクプレイは昨今のBLで人気なはずです。私が描くしかないんでしょうか。それとも当時プレイした先人のネキたちも同じ気持ちでしたでしょうか。

攻略キャラクター

タク

初見の印象はこの見た目で医者!?です。BLにおける医者ってそれこそ浅倉みたいなビジュアルをイメージしてたので。
実際のタクですが優柔不断で臆病、思いつめやすいの三拍子です。
トワからすればじれったく感じる部分はあると思いますがある意味で攻略キャラの中では一番人間らしい葛藤ができる人だと思います。根が良い人なので。それもあってか尻を叩いて判断を迫るとか発破かけられるトワは相性がいいのかも。

幸福ENDの遠野おじさんがトワのことを呼んでるときに盛り上がってはじめるシーン、トワが痛みや暴力ではないやさしさとか愛のあるセックスを体験していて嬉しくなりました。

嘘です。全身幸を感じてトランス入ってるトワ困惑してて激かわい~~~ しか考えていませんでした。意図せぬ甘い声!?!?!?!?!?!?  やはり40代の手練手管は経験豊富なトワでもやべーってことか。

トワの女装もなかなか良い仕上がりで当初はうおおおおおおおだったんですけど後に藤枝ルートをやって母親のことを知るとあの姿でのエロシーンがなくてよかったなと思います。
最後、あんなにふらふらしてたトワが操立てて健気にタクを待っていたのかと思うとトワの変化に感動しました。

このルートではトワの過去はしまわれたままです。この先何かの影響でふとフラシュバックがあったとしても死ぬまで隠し通して、悪夢をみたら優しく抱いてやれタク。タクは精神的に思いつめやすいが故、結構重いルートなのかと思います。トワが実の母親から受けていた傷を小さいころから治療していたわけですからおそらく館で何があってトワが何をされていたかは知っている上で黙っていた可能性があります。自分も鷹郷組というか遠野に恩がある手前ここからは逃げられないし。作中、『主治医』というワードが出てきますがタクが自分自身に言い聞かせてきたのかなという考察です。FDが今後あったとしてそのあたりの話が来たら胃が痛すぎて泣いちゃうかもしれん。あと大学時代の女遊びタクもたのむ。

タクについてはドラマCDも視聴済なのでその感想も。
やっぱり葛藤してる。(知ってた)でも悩む気持ちもわかるって感じ。
トワのこと嫁にもらっておいて覚悟ができてねーな?!と思ってたけど最終的には腹くくったのでお幸せに。トワが嫉妬したりわがまま言ったり本編で見られない恋人が抱く感情みたいなものを露呈していてうれしかったな。

レイ

私は終始レイちゃん呼びしていました。レイちゃん大好き友達にしたいタイプ。ルースとの仲間も明るくていい人ばかり。

おいしそうな飯もたくさんでてくるしなんなら作ってくれる。
余談ですが『食事』のシーンというのは映画でも小説でも『日常』の象徴として使われることが多いです。トワのアトリエで、ファミレスでごはんを囲むシーンなんてまさにそれです。タク、レイルート自体がトワの記憶は戻らないけれども日常→事件(非日常)→日常へ帰るものなっています。特に料理を振舞ってくれるレイちゃんはこの印象が強いです。
(ただレイちゃんルートでの親子丼だけは皮肉すぎるチョイス)
そしてトワもレイちゃんの手料理ならちゃんと食べる、そんなの愛じゃん。

レイちゃんルートをやってて思ったのがトワがよく喋るなと。
レイちゃんが話しかけてくれるシーンが多いからそのようになっているのもあるんですが(冷蔵庫のあれ食べた?とかトワはどう思う?とか)二人は序盤の印象不思議だなって。恋愛になるのかわからんなとも思っていました。
でも、このルートはレイちゃんを描きたいっていうトワの目的も大いにあるかもしれないけれどもすごくレイちゃんの事情に自分から突っ込んでいくんですよね。トワの行動がイケメンな部分が多く見られました
レイちゃんルートだとトワはガチで自分の過去は忘却しますが必ずしも悪いなんてことはない。

そっちの話だとあのご尊顔でまさかの童貞だったのでしっぽりトワがいただいちゃうんですがこれがかの有名な筆おろしだ!と大興奮しました。あとビュッフェ会場でなんつー会話してんだって突っ込んだ腐女子私だけじゃないよね。

当初からそうですがトワはレイちゃんのいうことなら基本聞くしコレ着てよとかヘアアレンジ(例のみつあみトワね)とか恋人になったからこそ、身近になったからこそ焼ける世話がどんどん増えていくんだなと思うとめちゃめちゃハッピーかわいいカップルなのでは。

斑目

顔と声が良くなかったら許されないだろ。当初は暴力と水とパンの印象しかなかった。
トワのこと攫っておいてこの仕打ちなのでトワきゅんトワきゅん言いながらプレイしていた私はキレそうでした。が、首輪つけておまえを飼う発言だったのでニトキラあるあるそっち系だと察しました。飢餓寸前まで食べ物に手を付けないトワもこれまた強情で好き。

斑目はマジで愛情表現が下手で口にもしないために分からないだけで激重攻略キャラです。しかも余裕がある。攫った後トワを解放はしたけど絶対に俺のところに戻ってくるっていう自信があるからこの攻めは強い。
そして鷹郷組は潰すけど金も権力も興味ない男がトワにだけは執着してるこの贅沢さ。

斑目ルートではタク、レイと過ごした日々に違和感を感じ、二人といた日常とは決別する形となります。この心情もまたいい。攻略ルートの順番が決まっていたことによくできてるゲームだなと。

あと圧倒的感謝。抗争時代の金髪トワのスチル。当初は毛先が金でおしゃれキャラデすぎる~とか思ってたんですけどまさか過去の男の名残だったなんて。 そして幸福ENDでみられる現金髪トワ。また斑目の色に染められちゃったわけです。ここで他の男の名前だすなという感じですがタクルートでは完全に毛先の金がなくなって髪も伸びて黒髪になっているので昔からつるんでいた男2人のルートの対比がえろすぎる。

ドラマCDも拝聴しましたが、トワを傷つけるのは今後斑目だけの特権になるのだと思うとこの二人のつながりは恋人じゃないのに愛じゃないのに暴力による繋がりを感じます。(本編でもドラマCDでも終ぞ『好き』ってお互い言わないので)
元鞘ってやつですがなぜか私はトワが斑目にNTRれた気分でえんえん泣きました。何故なんだろうか。トワきゅんこんな暴力男は辞めて俺と幸せになろうよ!って昼間に必死に言ったら夜に廃屋に呼び出されて二人のセックス見させられるしトワきゅんはめっちゃ喘いでるしで自分に勝ち目が一切ないからなんでしょうね。てか誰も最強の雄の象徴みたいな斑目に勝てねーよ。

藤枝

ダークホース藤枝。いやPV見ただけじゃラスボス攻略キャラだとは気づかんて。まさかの正統派イケメン枠。
今までもちらちら他のルートに登場していましたが印象という印象がなくただの堅物そうな弁護士だなと。まあ新神海にいる弁護士って時点でワケありでしかないんですけどね。

この藤枝ルートですが全ルートを解放後に現れるいわゆる真相ENDになります。急にトップにうさぎのぬいぐるみでてきてそういやこれなんで部屋にあったんだろう?とかeuphoriaのときに揺れてる砂時計赤いけどトワの部屋にあるのは色違いなの?とか。
ありとあらゆる伏線回収がされる回です。

一貫していい人。あなたボブゲのキャラでいいの?乙女ゲームじゃないの?私が惚れちゃうんだけど。
元ホストだから経験豊富なのに事後に良かったか?とか聞いてくるの真面目でギャップでこっちがギャー!ってなった。


ここはいわゆる嫌い→好きになる関係性って感じです。
複雑なのもありますがルート中に1回も『好き』って言葉は双方から出てきません。
藤枝も妹を探すためだけにがむしゃらに生きてきたので事実を知った今ボロボロ、トワも自身の出生を知った今ボロボロ。辿ってきたものは違えど親から与えられた傷ってでかいし悲しくなった。スロダメは親がアカンのが多すぎるよ。

灯油をまいて心中未遂の後にシャワーシーンがあるじゃないですが。あそこで向き合っているのがどうも藤枝もトワも鏡写しのようになっていて共に生きていくことへの儀式のように感じられて神聖でした。お前と俺は同じだって藤枝が言ってたけどトワもそれが感じられたシーン。

藤枝に出会えたことで過去を受け入れて自分を愛して前に進めるようになったトワによかったねって言いたい。藤枝ありがとう。

摩耶

人心掌握

なんか特殊能力というか才なのかそういった人心掌握をトワにかけていましたが今となってはそれが幸か不幸かというとどちらともいえない。
救われもしたしトワ自身の記憶を自ら封じることにもなった。
この力を使って上り詰めた摩耶ですが、この館が繁盛して鷹郷組も潤ったのでしょう。しかしながら摩耶はこの力で金儲けをしたかったのか?と言われるとそういった目的でもないように思えます。
やり方はぶっ飛んでいますが日記にもあったように誰かに寄り添える人にはなっていたんでしょうか。

怪物なりの愛

摩耶は最後の日記で自身の怪物性について自覚していました。
(『非情な怪物』)
榊が言うには、摩耶は自分は相手にどう見られているかを完璧に理解した上で、自分の思い通りになるように誘導することができる、神様のような存在ってことでしたよね。摩耶自身もその怪物に飲み込まれていたと考察しました。だからこそトワを愛していると綴っている部分で「そう思っている」とか「わからない」とか乖離的な表現で書いたのかなと。トワを愛する心はあったけど歪だっただけのひとであると言えます。トワは実際は売りものにされて、でっかい傷がついたのは事実ではあるけれど、確かに『母親からの愛』はあったし摩耶なりに葛藤していた。(日記の金庫のナンバーもトワの誕生日にしていたくらい)最後にトワがそれを知れたことがほんのちょっとはトワにとって救いになったかもしれない。

あの館

大丈夫というワードが出るたびにバグのような演出が面白いですね。本気でスロダメでも解説がありましたがEuphoria(館)の大階段が映るのにはでヒヤッとしました。そこで個人的に思ったのですがあの館の象徴部分は制作陣的にもあの大階段だったのかなと。そこで主人の摩耶。
ぴんと来て調べましたが、あの造形はマヤ文明のピラミッドを彷彿とさせるつくりですね。ピラミッドは最大の祭祀建築とされて発見されています。
そもそもピラミッドって何してたの?ってことですが、検索したところ王族の墓、礼拝所、生贄を捧げる場と出てきました。しかしながら定説が多いのでこの辺は曖昧だそうです。個人的には礼拝所に近いのかなと思いました。礼拝についてはキリスト教関連のものを調べました。噛み砕いたことを言うと、『神に従順になってその敬意を表す態度』をもってして礼拝になるそうです。
私的には摩耶にすべてを曝け出して、願いを叶えてもらう場所(祈り)という解釈をしました。
人には言えない世間的に憚られる欲求を満たしにあの館に訪れる客にとって、望みを叶えてくれる摩耶のことは神に見えていたでしょう。Tipsにありました生稲の父がまさにそんな感じでしたね。

Euphoria(トワの行為について)

結構考えさせられましたがトワって絵描くのが趣味だし芸術肌なんだな、で片づけていましたがこれちょっと歪じゃない?Euphoriaの後は寝食も疎かにしてこの暴いた感覚を新鮮なうちにキャンパスにぶつけて没頭します。そして怖いのが完成した絵には興味がないとう部分。

芸術家って自分の作品を『子供』に例えたりするそうです。
愛情を注いでるし制作工程中はまるで子育てなんていうくらい完成したものにはその時の感情と経験が詰まっています。自殺を謀るシーンでは自分を中心に作品を囲んでいます。芸術家でいう『子供』『遺作』ではなく自分もろとも生み出したそれをなかったことにしようとしています。トワにとって作品たちがが自身が行ってきた『罪』だと悟ったのかな。

また、暴き出した相手の欲を描きだすことによって『叶えてやる』ことに昇華しているのかなと思いました。
この辺は個人的に理解できてしまう部分があり、自分の中の抽象的なものをすべて文字で書き出してみる行為が近しいのかと思いました。調べてみたところ筆記開示【エクスプレッシブ・ライティング】とかいういらしいです。

トワの場合は暴いた欲を受け止めて、それを絵にすることで客観視していたのではないでしょうか。
あくまでもトワにとっては欲を暴いて絵にすることだけが目的であり行為の一環にすぎないように見えました。

でもタクルートではタクを描き続けて待っていた描写とかふとスケッチしてりと絵を描くこと自体は本当に好きなんだと思います。

その他登場人物や感想

エイジ

トワが冒頭で会った鷹郷組の構成員、寝たことあるうちの二人ではなく寝たことが無いのがエイジ。
掴みどころがなく飄々としているけれども、味方にいると頼もしい。と思っていたけれど敵に回すと驚くほど厄介。
彼なりに新神海が好きであるがゆえに榊の計画に協力していましたが、藤枝ルート以外では特に個人的な協力はしていなかったのではないでしょうか?新神海が『面白くなる』面白くならないなら『無くなっていい』とのことなので他ルートではそれぞれ手引きはするものの自身の目的に沿った動きはしなかったのかと思われます。
終盤に正体が分かるのも面白いし、なかなかトリッキーなキャラでした。
三白眼!三白眼!

トワはメイに会うまでは逃げ出そうとか辛いと思っていなかったのではないでしょうか。というか異常さが分かっていなかったのでは。幼い子供にとって父親が居ないも同然な場合、最も近くにいて頼れるのは母親だけです。トワにとっては摩耶が世界になるわけだし親子にしては歪な関係だったといえます。だからこそ目が覚めてトワ自身が突き落とした事実は辛いね。

レイの父親もそうですね。最後はデスマッチ中にレイを応援していたし
愛が全くない、と一括りにもできないけど。
タクの母親は薬に走るし、藤枝に関してはメイちゃん売ってるしもう擁護もできないクズっぷりです。(斑目は親の話は出ないけど組が家族みたいな捉え方をしました)

このスロダメ、親に狂わされた子供の視点から成長するにつれての呪縛を描いて親の顔を出すからむしろ親も重要なキーワードなのかなと思います。
親の心子知らず、子の心親知らず。
何か話し合えていたら、きっかけがあったらこんなことにはならなかったのかなとか。でもその時は無理だったんだよ…。

作中では夢の描写が『赤』が基調とされていました。
夢占い的な観点でも『不安定』『ストレス』といった意味合いだそうです。
実際進めていくと館の内装が赤いのでトワにとっての不安定でストレスのかかる記憶だったのでしょう。

駄菓子屋にある絵画について。
摩耶はあの絵画を好きではないと言っていますが(Tips幼少の記憶2)トワのために購入していますし最終的には流れ着いて駄菓子屋のおばあさんの元へ行きます。
あの絵画は当時の摩耶にも黒塗りにみえていた、だから好きではなっかた。
または、本来のあの絵画のいかにもな『幸福感』『愛』に耐えられなかったか。最後、あの絵画を見たトワが涙を流すのを見て、そういったモチーフを感じ取れる作品なのかもしれないと思いました。

トワの記憶まわり

トワは館で摩耶の日記を読んだ後に風景の色覚が正常になっています。もともとあの絵画が黒塗りに見えていたり、町の風景が淀んで見えたりしましたが色覚異常ではなく(絵画制作はできるし、クリア後のアトリエでも作品に変化がなかったため)自分に不都合なものを思い出さないようにし改編していたのではないかと思います。
トラウマによる記憶の混濁は人間あるものですが、決定打はうさぎのぬいぐるみにある名前の見落としです。あんな目立つところにあるのに見えないというのは明らかにそういった症状だなと。
また最もトワが思い出したくないことは、母親が何をやってたかとか館の存在ではなく母親を自分が突き落としたことにあるのかと思いました。『大丈夫』の演出、オフィワのアートボード、藤枝ルートに入る際のOPに階段から転がり落ちるシーンがあります。結果としてトワが負った一番でかい傷になったのでは。


感想

こんなに感想を吐きだせるくらいには脳を侵食されたし考えさせられるゲームでした。 
ドラマダってFDでているしこちらも期待させてください!!!
自分の妄想で補うには膨大すぎるので、過去編をください。
やさぐれ医学生のタク、学生時代のストーカーレイちゃん、組にいたころの斑目、ホスト時代の藤枝…全部みて~!

あと本気でスロダメのライブドローイングも観させていただきました。山田外朗せんせいのイラストが大好きになってしまいました。
ちょっと…今から展開をどんどこ増やしていただくことは可能でしょうか。とりあえずあの輸血ドえっちフィギュアは予約します。
 
以上


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