竹工作 [竹のベンチ]
ボランティアで竹林整備
数年前からボランティアで竹林整備活動に参加しています。中山間地域と呼ばれる現場で増えすぎた竹を切る作業です。休憩するような場所は特にありません。地面に直接すわると、すぐにお尻がぬれてしまって困ります。でも竹は豊富にあります。孟宗竹という極太の竹もありました。そこで整備活動で切った竹をそのまま並べれば、ちょうどそこに座れます。
竹だけで作ろう
私たちはボランティア。活動に毎回参加できるわけでははありません。また、作ったものはいずれ劣化し廃棄する日が来ます。その時に立ち会える保証はありません。適正に処分できるか。そこで釘や針金、プラスチックは使わず、自然素材(竹)だけで作りました。(お金をかけたくなかったというのも、大きな理由ですけどね。)
作り方
ここで紹介するのは(2024年)最新バージョンです。
作り方の詳細は、別途投稿したいと思います。
だいたい分かってもらえますでしょうか。丸い竹がばらけないように左右で押さえている構造です。ベースに太い孟宗竹があることで座面が少し高くなる点も、座りやすさのポイントです。竹に丸い穴を開けるのは、ステップドリルという工具を使いました。~φ30mmくらいまで、好きな大きさに開けられるので、現場現物合わせに良いと思いました。
使う様子
地面は濡れていても、このベンチの上はすぐに乾き、座れます。丸竹の間にお尻がフィットし、意外に座り心地はいいもんですよ。「座面は平面でなければならない」、意外とそうでもないなと気づきました。
なんの説明もなくとも集まった人が自然に荷を下ろし、腰をかける。そんな様子を眺め、私はひそかに心のなかでガッツポーズ。
工業製品とは違う手作り品
この竹ベンチ、およそのイメージ(大きさ)はありますが図面はありません。私がかかわる工業製品には設計があり図面があり、その通~りに部品を精度よくつくり、その通~りにきっちり組み立てて作っています。でもこれは違います。現場の竹をできるだけそのまま活かし、現場現物合わせで価値あるものを作る。いずれ劣化して使えなくなったら、また作ればよい。だから捨てる時のことも意識して作る。現代の技術(電動工具)を使いながらも、工業化以前の要素も取り入れてみる。そんな物づくりを楽しんでいます。
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