作って食べること
このところ毎年元旦には、つれあいと一子が断食をしている。飢える人々に祈りを捧げているらしい。
あたしは少しだけ盛って、食べる。いつも飲み過ぎのお酒も、少しだけにして。
お節は、好きなものを少しだけ作りたいのだけど、母親が毎年大量に送ってくる。毛蟹、ジンギスカン、煮物、うま煮、黒豆、きんとん、なま酢、漬物。お年玉やお菓子、りんご、加工品(伊達巻、ハムなど)やビールなどですき間を埋めるようにしてぎっしりと入っている。冷蔵庫に入り切らないときは、ダンボールのまま陽の当たらないよう外に置いてやり過ごしている。お節には少々うんざりだが、母が元気なのは有り難い。今夜の雑煮は大根千切りとほたての貝柱で作ろう。
三日は、グループホームでの仕事が入っている。掃除や買いものをし、休み明けのメンバーさんを迎えて夕食を作るのだ。みんなの好きな大葉を入れた餃子にしよう。
今年は福祉の仕事を大幅に減らす。メンバーさんのことは好きだしコロナ禍でも安定している平和な職場だけれど、それだけをやっているとどんどん元気がなくなっているような気がしている。
そんなとき声をかけられたので、老舗の自然食レストランで調理や接客の仕事をはじめた。重労働、不安定な仕事ではあるけれど、内側からちからが湧くのがわかる。ドジなことを度々するので、久しぶりに『天然』と言われた。(グループホームではみんながみんな天然なので、言われようもない!)
いまは移行期なので身体がきつい。グループホームをちゃんと引き継いでくれるひとがいつ来るのか、さっぱりわからないけど、きっと良いひとが来るだろう。
幾つになってもふらふらしているが、自分にだけは嘘はつけない。食べることを大切に。身体を、自分を大切に。そして、ひとにも甘く。