シン仮面ライダーは「クソ映画」なのか?

庵野秀明が手がけたシン仮面ライダーを観た。
合計3回程。
この映画を観て真っ先に感じた事は

カッコイイ...仮面ライダー」だった。

子供じみた答えだと思うが、頭をフル回転させてもこの言葉しか出てこなかったのだ。
本郷猛がアクションを行い続々とショッカーの一味を薙ぎ倒すかと思えば最後は泥臭く年端も行かない幼稚園児のように泥臭く闘う。
とても無様であり不潔であり、臭いのするなんとも男だった。
藤岡弘のような「漢」という感じではなく「弱く」「辿々しく」「不器用な」男だったのだ。

その描写を主演の池松亮介氏からなる日本最高の俳優陣が全身で表現していた事がとても素晴らしく、これは単なる子供騙しでないアクション映画という事を示していたと思う。

この映画に賛否両論がある事は十分承知しているが
もし当作品に好印象を持たない方がいるのであれば
今後はマーベルやハリウッドの作品を観る事を勧めたい。
(言っておくがこれは否定ではない。)

シン仮面ライダーとは日本人の感性を尊み独自の進化を遂げたガラパゴス的な作品であると感じるからだ。
そしてその数知れない日本古来のアイデアから抽出された一滴の雫であると感じる。
この雫を絞り出した庵野秀明氏とスタッフには最大限の喝采と賞賛が浴びせられる事を祈りたい。

日本は日本。海外は海外の創り方でも良いではないか。
その一つの線引きをした上で当作品に目を通せば如何に作品に対する愛情と真剣さを感じる事が出来るはずだ。

賛否両論のある素晴らしい「傑作」であり、恥ずかしげもなく「カッコイイ」と言い切れる温故知新の日本の映画なのだと思う。




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