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バディミ ドラマCD感想①【越境のハスマリー】

バディミッションBOND Extra Episode『越境のハスマリー』のネタバレ感想になります。
ゲーム本編の後日談としてCD展開があることは知っていましたが、まさか一緒に歳を重ねていくとは。
ルーク・ウィリアムズ(28)、アーロン(27)…ごくり

どうやら本編並に大事なお話があると聞きました。この4人の掘り下げはなんぼあっても良い。
ということで越境、ヴィン愛、ホリデーバーレルを入手。
ルークのハスマリー訪問、逆鍾乳洞、ルクスイの再会etc…気になることいっぱいです。
※ゲーム本編、ドラマCD及びシナリオブックのネタバレあり
※妄想と自語りを含みます



















聴く前に

アーロンの紹介文

ブックレットのキャラ紹介を読んでいたら、アーロンの「ルークとの出会いをきっかけに、運命の歯車が回り始める」という文が目につきました。この紹介文、色んな意味で深くて好き。アーロンがこう紹介されていることに思いを馳せてしまいます。本当に回り始めたのがいつなのかを知ると味が出る文だと思います。
世界を騒がす怪盗が正義感の強い警察官と手を組んだ。それでも運命変わっているけれど、本当は幼い頃から大きく運命が変わっていたという事実。この「運命の歯車」って表現、主人公(ここならルーク)に使われるイメージですがふさわしいのはアーロンなんですよね。彼そういうポジションだったっていうのが意外で面白かった。公式サイトもくまなく探したら印象変わるかもしれません。

ざっくりとした感想

ドラマCDごとにテーマ曲がある。続編として丁寧に制作されています。新作OVAとか劇場版を見た気分(聴いてるのに)。
そして豪華といえば、豪華版特典のシナリオブック。
ブックに書かれた情報でより理解が深まります。日時や場所まで書いてあって、情景もイメージしやすい。豪華版にして良かった~!!公式様太っ腹!

次に内容。私が見たいイベントてんこ盛りでした。アレとかコレとかソレの対比とか…(後述)
ルークとアーロンの掛け合いで笑い、アーロンの語りに胸がキュッとなり…この1時間30分があっという間でした。話のテンポが良くてリピートもしやすいです。場面がコロコロ変わるから飽きないのと、二人の対話にスポットが当たるよう中だるみが無かったからでしょうか。
なにより、今回はアーロンの心情に踏み込んでいて、彼のことがほんの少しわかったのが嬉しかったです。
ということで次からアーロンの話題が多くなっております。何回「アーロン」が出てきたか数えてみてください。

本編の感想

〇〇力が試されているな?

ドラマCDでも記憶力を試されるとは
作中、ゲーム内に出たセリフが随所に出てくるとは。「※ゲーム内で二人が出会った時、ルークは似たセリフを言っている」って書かれなければ当分気づかなかったです。何度シナリオブックに救われたか。

こういうゲーム内のやり取りを覚えていると一層気持ちが良いです。ヤマを張ったところがそのままテストに出てきた感覚に近いです。印象に残っていたセリフがあらわれたことで、公式と自分が通じ合えたような気がします。
嬉しかったのは、アーロンが「『うかがいたいこと』があんだよぉ」って近づいたシーンです。二人で初捜査した時の台詞ですね。
チグハグだった時を知っているので、こうして同じ気持ちで捜査している今が嬉しい。

一言一句覚えてるアーロン、曖昧なルーク

この再現のしんどいポイントはアーロンがセリフを一言一句覚えていることです。

(ため息)『見てのとおり、刑事だからね。捜査はわりと慣れてるんだ、任せてくれ!』

倉庫に出入りする男を捜査するシーン

それに対してルークは「なんか覚えのあるセリフだな……。まあいいか」とおぼろげ。
このルークの反応はおかしいものではない。むしろそれが普通。初対面で関係値0の人と何しゃべったか覚えてる人は少ないと思います。
自然と出た言葉なら尚更そう。だけど、アーロンにとってルークは昔から知っていた人なので、覚えてる可能性が高い。記憶に焼きつけていたのかもしれない。そう考えると彼だけが鮮明に覚えてるという事実がまぶしくなる。アーロンはあっさりしてるようでしていないんですね。それが会話に漏れてるのが良い。ルークがそれにあまり気づいてないところも良い。そして本人もバラすつもりないのがもっと良い。自分だけ知っていればいいと思っていませんか?さては。

権利スレスレ発言ではっちゃけルーク

ハスマリーでアーロンと再会したルーク。公式の通常運転なのかネタセリフが想像以上に多かったです。
次々来るボケにすかさずツッコむアーロン。ダイ・〇ードでついに「元ネタ」って言っちゃうし、ずっと漫才してたな(?)アーロンに少し同情する。

プレイ中、トンチキ選択肢を選ばなかったもので(ゲージ下がると思ってた)、ネタの多さにはアーロンと同じくらい焦りました。そうか、これが公式の見解なんですね。ルークはこれぐらい言うだろうという。
大企業から訴えられないよう相棒を守るアーロン、お疲れ様です。ブランクをものともしないキレキレのツッコミ、流石バディ。

美味いし上手い退行催眠

テロを防ぐため奔走する2人。
そしたらルークが子どもになってビックリ。
地雷原を思い出すため、退行催眠をかけてもらっていました。ルークはいざという時大胆ですよね。ここで催眠かけるって相当リスキー。相棒に背中を預け、大胆な行動とるのがルークらしい。
子どもになったリスクも、相棒がいるから乗り越えられるってことか。そしてアーロンもルークの腕前を信じて射撃を任せているし。この二人、最強か?君(相棒)がいるから乗り越えられるってことか。

いま色々書けるけど、初見は「美味い展開ありがとうございます」でいっぱいだった。
なんて野暮なんだって思われそうですが、突然の展開に気が抜けちゃったんです。国の未来がかかってる大事な場面で、無邪気なルークと一瞬戸惑うアーロンが出てきたら笑ってしまって。ココでも少しコミカル出してくるんかい。
このシーンで好きなのは、退行催眠を入れる流れが上手いことです。催眠のきっかけが無理矢理じゃなくて、序盤から地雷の話も入れている。美味い展開に持ち込むのが上手い。

そして、ここからのアーロンが新鮮。私の知らないアーロンがたくさん。ルーク相手でも態度は変わるんですね。
確かに対子どもになるといつもより優しい。ぶっきらぼうではあるけど決して乱暴ではない、守る存在として丁寧に接しているように見えます。おっかないけど優しい近所の兄ちゃんです。
そして子ルークでも例外じゃありません。特にこのセリフ、絶対本人の前で言わないですよね。

「オレは誰よりもお前を知ってる。お前ならできる。絶対にだ」

本当にそう。ルークが覚えてないことも覚えてるという意味でもよく知ってる。(ここではそういうニュアンスではないが)そう思ってるのはわかってたけど、改めて言われると嬉しい。ルークの実力を誰よりも知り、信じているんですね。多くは語らない人がここぞで出す言葉って刺さる。
相棒がピンチな時は引っ張ってあげるのが務めと言わんばかりのサポート。このセリフのグッと来るところは、自信なさげな相棒(子)を見た第一声というところ。
ロボット「直接伝えてみればいいのに…」

次に、孤児院での話を聞いてアーロンが一瞬黙りこむシーンですね。
ヒーローもアーロンと似た経験をしていたんですね。小さい子に食糧を届けるため、危険な地雷原を毎日通っていたこと。後に孤児院ごと爆撃で亡くなってしまうということ。大事なものを守れなかった経験を出会う前にしていたんですよね。
ここでヒーローが悲しそうに話しているのが心苦しいです。アーロンが一瞬黙ったのも、似た経験をして同情していたからなのか。そのあとすぐ「ヒーロー「ごっこ」じゃなくて、お前は本物だろうが」って言うところがかっこいい。幼い頃から「ごっこ」じゃなくて困ってる人を助けていた。本当にヒーローしていたわけです。ヒーローの過去に思うことがあったのかもしれません。

あとの会話で好きなのが、ヒーローにお願いされて再会までを話すシーン。ここ、嘘ついてない程度に話してるの偉い。本当のことを全部言わないところが気遣ってるのかな。自分が本当にしたこと(ルークに名前あげてリカルド大使館に預けたこと)は言わないんですよね。伝えたらヒーローが悲しむかもしれませんし。生き延びることはできても、ヒーローが喜ぶとは限らない。最善を選ぶことができるのも、大人の判断だと思います。
ひととおり話したあとのあの言葉

「過去を思い出してしみったれたところで、何も変わらねえ。だが、忘れたことだって一度もねえよ。親父のことも、死んでいった仲間のことも。――遠い国で暮らす相棒のことも」

~~~~~~~~~~っっっ!!!!!!
そうか。そうか……アーロンはこんなことを思っていたんですね……
彼にとって過去は辛く悲しいことがほとんど。それでもルークが生きて再会できたことは嬉しく思っててほしい。これから温かくて優しい思い出が増えればいいなぁと願ってやみません。
ルークが調子に乗るからあえて言わないのか、嬉しいとき犬が大きく尻尾を振るように、感動されっぱなしになるのが今更照れるのかしら。
でもアーロンがルークに強い信頼を寄せてるのはよくわかっていて…だから本人に直接伝わる瞬間も見たくってぇ…(オタク特有の早口)

わざわざ本音を言わなくても、離れることはない。
しかし関係が揺るがないからといって、何も知らないままなのは少し寂しい。行動だけでは伝わらない気持ちってあると思うんですよね。今何を思ってるかは行動や態度でわかるけど、過去のことは形に残さないとわからない。あの時どう思ったか、何があったのか言葉でないと知ることは出来ないからです。
だから催眠中に空白期間のアーロンが何を思っていたか、教えてくれるのはめっちゃ良いやり取りでした。

対子どもの時のアーロンに思うのは、例え一時的の存在でもヒーローにちゃんと接してるのが素敵です。聞かれたことに答えるのはもちろん、それが同じ質問でもあしらわず返事してるのが誠実。守る存在でありながらも、決して子どもを下に見てるわけではない。いち個人として向き合ってるのが良い振るまいだなった思いました。好き。

見事に騙された仲間割れ

催眠が解けたら闇バと喧嘩してました。なんてこった。
大使は裏組織を牛耳るのに有益な密輸ルートを持っている。だから大使を逃がしたい。ヒーローたちと裏社会の両立では多少の犠牲はやむを得ない。生粋の悪党は人の不幸を糧にする生物。証拠隠滅のためタブレットをよこせ(意訳)って押しかけて来たわけです。
それに対し、大使は多くの国民を犠牲にして利益を得ようとした。再び紛争が起きかねない事件を起こした罪人、裁きは受けるべきと反論するルークたち。

いま聴けば嘘くさいとわかるのですが、当時はまんまと騙されました。なぜならルークの演技が上手かったからです。この土壇場で上手く演技できるとは思えない。
このシーンで膨らむ妄想は2つ。①チェズレイはルークが演技しやすい話題を争点にした②ルークは自分の本心に近ければ即興で演技ができる
ルークって器用では無いんですよね。人を騙すことをしないからその経験が少ないわけです。過去バックダンサーとして潜入する時も徹夜してダンスを仕上げたくらいなので、本人と離れた設定を作り上げるのは時間がかかる。だから、ルークが感情移入しやすいよう、わざと悪党っぽく立ち回った。ように見えました。
確固たる正義を持っているので、それに反することを言えば、すぐ反論しやすい。ありのまま思ったことを言えばいいので、自然な主義主張の応酬になります。そこまでの計らいをするチェズレイ、さすが用意周到。実際本当に対立しても同じことを言いそうです。あれ?これ演技っていうかほぼ素じゃないか?
これはあくまでも妄想なので実際はわかりません。もしそうだったらかわいい。チェズレイ健気だなぁ、面倒見良いなぁ、ママだなぁ、ピアノ以外でも先生だなぁと癒されたのだった。

一方、アーロンはノリノリだった。この二人のガチバトル好き。強い者同士がバチバチに殺り合ってるのは迫力がある。あの手この手で戦術変えて、相手を負かす。お互いの本気が伝わってきますよね。茶番なのが惜しい。この演技しながらのバトル、飲み込み早いなと思ったらバディエピで何度もやってましたね。ニンジャジャンとワルサムライとして演技しながら本気のバトルしてたあのシーン(あの時もアーロン無理矢理倒されてた)を思い出しました。嘘でも本気でやり合えば本気の闘いに見えますもんね。ある意味アーロンも本心に近い演技ををさせられていたな。闇バの配慮?

始めと終わりの対比で唸る

モクマとアーロンの電話。電話で始まり電話で終わる。モクマさんの話し方が明らかに違う。構成が上手い…!!
冒頭で普段のモクマさんを見せることで、最後怒っていると私たちにも気づけるようになっていますね。最初モクマさんが出た理由をメタ的に解釈できて説得力がある。装置の仕掛けを見つけたような気持ちです。
確かに久しぶりのルークを前におふざけ無しは少し違和感があります(ここで瞬時に察するアーロンはちゃんと話聞いてて好き)。電話で対比させてくるのは斬新で好きでした。

数秒後


「スペシャルトラック♡アーロンの留守電集♡」

モクマさんのそういうところ好き

さっきシリアスだった直後におどけるのズルイ。Mission7の最後を思い出すギャップ。温度差風邪引きポイントです。

ルークが入れた留守電15件+αが聴けるトラック。ルークのタフさと豊富なボケが楽しめます。

回を重ねるごとにどんどん遠慮がなくなっているのが面白い。最初普通の留守電だったのが、後半キャンペーン、一発ギャグ、長文語りと様子がおかしくなり、終盤ただの近況報告になるというオチ。ルークのしぶとさが出てて面白かったです。こういうギャグに発展できるんですね。
だんだん留守電にこだわらなくなって、とにかく耳に入ればばいいと手段を選ばなくなってるところがしぶとい。「無視している」と推測してあのネタを入れたんだろうか。アーロンがツッコみそうなネタにしておびき寄せようっていう魂胆だったのかもしれません。それにしても15件とも趣向違うのは強い。私はルークを侮ってた。怒られるのわかっててあれだけやってのけるんですよ。アーロンにはビビらず対等でいるルーク、逞しい。

ドラマCDを経て二人の印象

この二人は背中を預け合っている関係だと思いました。日頃の振る舞いはもちろん、捜査においても。ルークなら、アーロンなら大丈夫っていう確固たる信頼を築けてるのがよくわかりました。
次に、アーロンは本人の前では本音を言わない。照れくささもあるけど、言わなくても伝わるだろっていう信頼と期待も見えます。
一方ルークは「相棒となら乗り越えられる」という考え。相棒となら時に危険な賭けにも出られる、相棒ありきで動いていくんだろうなと思いました。
こんな風に二人は信頼しきっているが、良い意味で落ち着いてないところがカラッとしてて好きです。何年経ってもふざけふざけられツッコミ、ツッこまれワイワイしていて欲しいです。

入りきらなかった感想

・いま気づいたけど、ヒーローは一人称「おれ」なんだ。言葉遣いも少しやんちゃになるし、環境も関係しているのかな
・近藤さんとアーロンの相性が良い。アーロン内に秘める男だから、わずかなセリフで感情を込める演技を得意とする(個人的に)近藤さんにバッチリハマる。アーロンが近藤さんで良かった!
・最初シーツ落とした住民を怪しんでた
・二人がそれぞれ独自のコネクションを作っていたのが、BONDの経験が活きてて嬉しい

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