#2 白壁土蔵群の裏の方(鳥取県・倉吉市)
やーー!前回からしばらく経ってちょっと秋めいてきましたけどまだ暑い。
今回は、もともとする予定じゃなかったけどたまたまご飯食べるために近くに来たので倉吉市をどんぶらこ。中でも白壁土蔵群は観光地だけど、本企画の趣旨に沿ってメインストリート外を漂流してみました。
まず、鳥取県は大きく分けて2つに分類される。東は因幡、西は伯耆。倉吉はその真ん中にある。因幡は鳥取城の城下町、伯耆は大きくは大山と米子を要する山岳信仰と商人文化のまち。
高校時代までを西部地区で育った人間にとっては、むしろ一番身近だけど行ったことないまちが案外倉吉だったりする。西部の人の生活は米子で完結しがち。「ほんで倉吉とはなんぞや」を学ぶためにどんぶらこ。
とりあえず市営駐車場に車をとめ、お昼を食べるところを探して歩いてみよう。
倉吉には赤瓦の家が多い。観光資源にもなっている。
レトロで美味しそうな洋食屋を発見。これは地元民のオアシスに違いない。
食べてみたいけど今日はカレーの気分なので泣く泣く通り過ぎる。
映えるとかを意識する世代としない世代のちょうど間に生まれてしまい、そういう意味では意識しない側の陣営についてしまったんだけど、こういうレトロな場所はやっぱりそそる。
倉吉はその昔、物流の要衝だったそう。趣ある通りが多い。歴史ありげな建物がたくさんある。この日は暑すぎたけど、水路からチャプチャプ音がしていてとても気持ちが良い。
最近は風情をぶち壊すレベルに暑いが、ほんとに地球どうなってしまうんだろう。
倉吉といえば、名横綱「琴桜」を生んだまち。最近は伯桜鵬関(倉吉ではてっちゃんの愛称で親しまれる)が活躍している。
相撲が盛んな地域ってどうやって生まれるの?と思うが、よく考えたら地元のまちでも夏祭りの日に神社で相撲大会が行われていた。
なんで神社に土俵?と思って調べてみたら、相撲をとったのはその年の豊凶を占うためだったそう。農村の神社には土俵がありがちらしい。なんでも調べてみたら理由があるものだ。
農村の相撲大会といえば、故郷のまちの夏祭りの日を思い出す。
祭りのメイン会場のすぐそばに小さな神社があった。その神社では、お祭りの日に相撲大会が行われる。独特の高揚感が町を包む祭りの日。相撲をする人たちの姿も、祭りの空気を作る欠かせない要素になっていた気がする。
いつも教室にいる同級生男子たちがほぼ全裸でふんどしを巻いている姿はちょっと可笑しかったし、本当はちょっと自信があったので私も出たかった。
その祭りは、「江尾十七夜」という。一応、400年の歴史を称える、小さな町の誇りが詰まったお祭りだ。その昔、町に小さな山城があった頃。優しい人柄の殿が年に一日、無礼講の日を作った。それがこの祭りの起源だそう。
その原体験おかげか?私は未だにちょっと相撲が好きで、見るだけじゃなくて取るのも好き。変な比喩とかではなくて、本当にトレーニングの一環として真剣に相撲を取ることがあるし、誘われたらいつでもとりたいと思っているので声をかけてほしい。
自分の関取DNAを自覚したのち、どんぶらこは続く。
引き続き、灼熱の商店街を歩いていると、気になりすぎるお店を発見。
非売品の帽子が並びまくった帽子屋さん!勇気を出してお邪魔してみた。
やっぱり帽子はいい。何個あってもいい。一昔前の帽子めちゃくちゃかわいい。奥から出てきてくださった女性の方に聞くところによると、めっちゃ老舗だそう。でもたまにこうやってふらっと入ってくるお客さんがいるらしい。昭和の野球コントやりたい人とか、ここで仕込んだらいいよ!
野球好きのみなさん、帽子好きのみなさん。ここは一見の価値ありでは。
メジャーリーグもたくさんあるし。
帽子の次は靴屋さんも発見。
白壁土蔵群の裏を歩いて溢れてきたのは、いや、ほんと商店街っていいなという感情。次はどんなお店が出てくるの?みたいな、欲しいものとか必要なものをトコトコ集めていくワクワク感が半端ない。
しかもそれが、ちょっと前の時代のままで封印されてるみたいなここの商店街、あまりにも魅力的でどんぶらこが止まらない。楽しい楽しい楽しい!
そういえば去年、仕事でちょっとだけこの倉吉と関わることがあった。
地方創生系の事業で、『外から(都会)見たら、地方は魅力の宝庫です、地元の人はもっと自分たちのまちに誇りを持つべきです!』ということで「地域の魅力を地元の人たちが再発見しよう!」みたいな趣旨の企画をやることになって、ちょっとそのお手伝いをした。
地元の人たちと一緒に町のPR動画を作ったり、地元の面白い人を尋ねたりするワークショップをしたりしたが、なんか初めからずっと違和感があった。
そもそものところで、地元の人たちが、地元の良さを自覚していない。と全然思えなかったからだ。話してみるとやっぱりみんな地元のこと好きだし、ていうかそもそもまず、この人たちはこのまちに住んでいる。
ここは良いところだと、「住む」という行為以上に説得力ある形で証明することはできるだろうか。それは普段は言葉にはならないかもしれないし、なんか自慢できるとこあるんかい?って聞かれたら「ここには何にもないですよー」っていうかもしれないけど、それはここにはそんなところはない、と思ってるわけではないのではないだろうか。(読みにく!)
おそらく、それをいちいち声高に、遠くに住んでいる他人に分かってもらう必要がないのだ。
ここは何もないですよ、いやいや、よく外から見たら良いところありますよ、みたいな田舎像にももうなんか疲れてるよね。
うるせえ、ほっとけ!ってみんなどうかもっと勝手気ままになってほしい。
まあ、めっちゃ嫌で飛び出した人もきっとたくさんいるし、飛び出したい人もいるだろうけど、それはもう飛び出すしかない。どこに住んだって別に良いのよ!
倉吉には、日曜やらないぞ、という覚悟がある店が多くて良かった。
一生歩けるなこの町。終わらない。
大量の汗もかいて、やっとたどりついた名店、夜長茶廊でカレーを食べた。
本当の旅の目的はこれで、これに行き着くまでにめちゃくちゃどんぶらこできてしまった。恐るべし、倉吉の白壁土蔵群の裏の方!
倉吉の白壁土蔵群の裏の方は、昭和・平成を閉じ込めまくった、たまらん商店街があった!まだ全然書ききれてないところいっぱいある。また書きたい。
いや、これ、どんぶらこしたのが9月で、今なんと12月を目前にしている。時が経つのが早すぎる。今年の冬、来年、もっと色々どんぶらこするよー!