【道南EXPOレポート④】道南の未来を考えよう-ソーシャルビジネス編-
道南EXPOレポート第4弾🔥
「道南の未来を拓く」をテーマに開催された道南フェスティバル2024。
全国で活躍するローカルプレイヤーをお招きし、
道南の未来、在り方を考えるトークセッションやワークショップを開催しました!
学びと発見の2日間。
さあ、これからやってくる道南の未来とは?
そんな2日間の一部を皆さんにお届けします!
第4回は「道南の未来を考えよう-ソーシャルビジネス編-」
今回のレポーターは福祉について勉強をしている大学生、佐藤 夏鈴ちゃん!
福祉に携わる学生が思い描くソーシャルビジネスの未来とは
1.道南におけるソーシャルビジネスの大いなる可能性
セッションを聴いて感じたこと。
それは、
今後の社会は「ソーシャルビジネス」の視点で人、そして環境を変えるアクションを起こしていくべきだということ。
「待って、「ソーシャルビジネス」って何?」
「なんか難しそう。」
「自分にはあまり関係ないかな。」
そんなことを思った人にこそ読んでもらいたいなという思いで綴ってみました!
早速ですが、「ソーシャルビジネス」とは一体何か。
この言葉の定義は様々。
今回のセッションにおいて、ソーシャルセクター・パートナーズ・すくらむの久保 匠さんは、次のように定義して話してくれました。
まだ「ん?」ってなりますよね、、、(笑)
もっと具体的に言うと、
目先の利益、つまり、事業での儲けを追求するだけではなく、中長期的な視点を持って事業を行った先に生まれるインパクトに着目するということです。
そして、生み出そうとしているアウトカム(成果)から逆算してビジネスモデルを設計し、社会課題解決のための事業に取り組む。
かつ事業的成長も諦めないというのが「ソーシャルビジネス」です。
「ソーシャルビジネス」が従来のビジネスと異なる点はその目的にあります。
従来のビジネスは事業利益を上げることを目的としているのに対し、「ソーシャルビジネス」の一番の目的は、社会課題を解決することにあるんです!
まずはこの「ソーシャルビジネス」というものについて理解を広げるところから始める必要があると思っています。
その過程でいかに多様なステイクホルダーを巻き込み、自分事として「ソーシャルビジネス」に関わる人を増やすことができるかがカギとなるのではないでしょうか。
一般社団法人Local Revolutionの代表である岡本 啓吾さんは、道南で進行中の「ソーシャルビジネス」の事例として、「ハコダテアンチョビ」と「おまめとみるくに花束を」を紹介してくれました!
「ハコダテアンチョビ」は「はこだてわいん」さんとコラボしたり、「おまめとみるくに花束を」は函館空港でも販売したりしていますが、ご存知でしたか??
どちらも地域の産業を今ある資源で盛り上げるために、未利用や低利用の食材の価値を高め、商品化した事業です。
例えば「ハコダテアンチョビ」。
なんとその経済効果は、商品を販売することで得る収益だけではないんです!
まず、マイワシの廃棄にかかるコストの削減ができます!
さらに、「障害」がある人たちの就労支援にかかる行政のコストの削減ができます!
さらにさらに、「障害」がある人たちの作業工賃の上昇といった面でも高い経済効果を発揮しています!
こんなにもたくさん、、、!
私もこの夏、実際に作業を請け負っている事業所で「ハコダテアンチョビ」を作ってきました。
マイワシの身を一つ一つ手作業で削いで骨を取る作業や瓶のシール貼りを体験する中で、「今自分は社会的に意義のある商品を作っているんだ!」という誇らしい気持ちになったのを思い出しました。
未利用や低利用の食材を活用するという事業は、「社会的に価値のあることに貢献している」という働く人のやりがいや就労意欲にも繋がりそうだなと感じました。
岡本さんは、利益を出すことが難しい「ハコダテアンチョビ」の事業をある意味サークル活動のようだと話していました。
一方で久保さんはこの事業におけるお金の流れを高く評価し、その可能性について言及していました!
「ハコダテアンチョビ」の事業が、今後、商品自体の収益以外の要素にも目を向けることで成長の可能性が大いにあると言います。
社会に与えるインパクトを見えるようにして、適切なところに適切に資金をつけていくことを提案していました。
それを聞いた岡本さんの今後の事業に対するワクワク感と期待に満ちた顔が印象的だったなと思います!
面白いことをやろうとしている人の輝きってこういう感じなんだ、何か自分もやりたいな、とワクワクが伝染した感覚が残っています。
2.道南の過渡期に身を置く一人の学生として思うこと
従来の企業は複数ある資金調達の手段の一つでしかない、目先の事業収益を追求するばかり。(私の完全な主観ですが、、、)
そんな中に、中長期的な視点を持って社会課題の解決に取り組む企業が出現することは、社会に大きなインパクトを与えるのでは?!。
目に見えない価値にお金の流れをつくり、ビジネスとして持続させていく。
こうした動きはこれまで収益を生みにくかった事業に率先して取り組む企業やプレイヤーが増えるきっかけにもなるはず。
しかも、社会課題の解決に事業として着手しやすくなるだけではなく、ソーシャル計画を持って社会課題に取り組む企業が注目されることで、社会の関心を集め、その価値が理解される。
そうすれば他の企業も自ずと変化を求められるようになり、社会全体もが変化していくんじゃないか!と思ったり。
もはや「まちづくり」や「福祉」は行政が制度でやる範疇には収まらないところまできている今の社会。
これは行政が、これは民間企業が、などという線引きでは対応できない事態になっているとは思いませんか?
今後は企業やその地域に暮らす住民一人ひとりなどといった多様なステイクホルダーを巻き込み、各々が自分事として考え、連携して取り組んでいく風潮をつくるべきではないでしょうか。
また、社会的価値と経済的価値を両立させることで、本当に必要なものが安定して供給されることが期待できると思います。
今の社会では、福祉のように絶対に必要なのに他と比較して収益を生むのが難しい事業は、ボランティア精神に頼りがちであるように感じることがあります。
でも慈善だと持続可能性は低く、長期的に見ると、必要としている人にサービスを提供できなくなる可能性がありますよね。。。
だからこそ事業に新たなお金の流れをつくり、ビジネスにすることで人々が安定してサービスを受けられる世の中になってほしいと強く感じています!
3.私が描く道南の未来
道南には”アツい思い”や”夢”を胸を張って語る人がいて、先陣を切ってそれを実現していくパワーを持った人がいます。
私自身、日々活動する中で挑戦できるフィールドが豊富で、機会を与えてくれる大人たちもたくさんいることに気づきました。
さらに、そこに食らいついていこうとする若者の意欲があります。
もちろん私もその一人です。
そして、まちを盛り上げたいという熱が高い地域の主体性も活動を通して感じてきました。
場があって、人がいる。
そこに熱を帯びた相互関係がたくさん張り巡らされている。
そんな道南は”アツい”まちとして注目されること間違いなしなのでは!!
暮らしている人たちが誇れるまちになる未来が想像できるなと思いながらセッションや参加者の感想を聴いていました。
実は私自身も道南に残りたいと決意を固めたうちの一人です。
私は将来道南で「福祉」のポジションで活躍できる人材になりたいです。
福祉の視点から私が描く道南の未来において起こしたいアクションは、”まるごと”が浸透したコミュニティをつくること!
年齢や「障害」の有無、一人か複数かなどに関わらず、誰もがそのコミュニティにいて居心地が良く、互助が浸透していて、互いに頼り、頼られ合って成り立つような場をつくりたいです。
「福祉」は誰かを一方的にケア・支援する仕組みという認識があるかもしれません。
でも、「福祉」は「協働」や「助け合い」といった生きていく中で当たり前のことなのではないかと思うんです。
「福祉」に対する認識が変化していくよう、自分なりに活動を模索していきたいです。