初参加したWebX2024はエキサイティング!だった
WebXは2023年に初開催された、Web3系メディアCoinPost主催の大規模国際カンファレンスです。
本当は去年も興味はあったものの、自分のコンディションが万全ではなかったこともあって、「人が多くて英語も飛び交うこんな大きなイベントに行って大丈夫だろうか…オロオロ 」みたいな気持ちに勝てず見送ったのでした。
今年はモチベーションや気力が上向いてきたので、単独参加ではあるものの、一番早くて安い販売タイミングでビジネスパスを購入し行ってきました。(チケットは4〜5段階くらいに販売時期が分かれていて、早ければ早いほどディスカウントが大きくなる仕組み。丸2日間出入りできるビジネスパスが早割とはいえ$59で入手できるなんて、もうべらっべらに安いです!)
結果、行って良かったです。各種プレーヤーや業界に興味ある人たちが同じ場所に集い、熱や知見を共有する機会はやはりエキサイティングです。来年もまた参加しよう、そしてもっと色んな人とコミュニケーションをとってみたいと思いました。
イベント全般
まずはイベント全般に関して、軽くレポート。
WebXの本番は8月28日・29日の2日間ですが、前後には数々のサイドイベントが開かれ、前日には東急歌舞伎町タワーのZEROTOKYOというクラブで前夜祭がありました。
私は密かにずっと行きたいと思っていた人生初のクラブデビューを叶えることができました。とても楽しかったですよ!ありがとう、Steve Aoki。
見るものがいっぱいある
さて、踊り明かした(終電で帰りました…)翌日は、カンファレンスの本番です。
WebXではメインステージだけでも3つ設けられており、そこで同時並行的にセッションが開かれているので、ステージセッションだけでもかなり見たいものが重なります。私の場合、結局1日目はブースを回れませんでした。
そうそう、お昼ご飯を食べる時間も決めておかないといけません。
ネットワーキングエリアで弁当が配られているような光景も目にしたので、会場で食料をGETする/ビル内のレストランやコンビニで調達する/周辺の飲食店まで歩いて行って食べる/朝の段階で持ち込んでおく、のいずれかになりそうです。
特にコミュニケーションを多めにとる人などは、MUSTで回りたいブースやセッションをチェックしておき、事前に行動計画表を作らないとWebXを最大限楽しむ・活用することは難しいと思います。
※ もしかしたら、昼食をとらずに1日こなす人もけっこういるのかな。でも飯は大事!エネルギー補給して頭フル回転させて楽しむのがベストなはず。
私のスケジュール結果を『[参考]タイトなスケジュール!』の章に載せてみたので、良かったらご参考まで。
※ セッション全振りタイプのスケジュールです。
上の2枚の写真は2日目の朝にあった、元台湾デジタル大臣のAudrey Tang氏と都知事選立候補者の安野氏のセッションです。前日朝イチの岸田首相の時間帯に長蛇の列を目の当たりにしていた私は、同じ失敗はしない!と意気込み1つ手前のセッションから乗り込んだので、そのまま席に座ったまま2人を迎えることができました。
(もちろん1つ前のセッションも多少は興味があったのですが、結論あまりおもしろくありませんでした涙)
しかし今回、3つあるステージのうち、bitFlyer Stageで混雑や長蛇の列ができる場面が多かったですね〜。
コンテンツ力というかブッキング力というか、それは素晴らしいのですが、会場の広さ(スポンサー関連の大人の事情もあるでしょうけど)や収容戦略(椅子の数や配置、立ち見客の負荷軽減策)がもう少し改善すればよりスムーズだったかもしれないですね。
スマホを新しくして良かった
以下のnoteでも書いた通り、私は今年の6月にスマホの突然死(故障)に見舞われました。ローカルデータの取り出しも叶わず、新端末とともにアプリやデータ周りの再構築を行なったわけですが、怪我の功名と言いましょうか、スマホが新しくなったのはWebX参戦にとってはプラスでした。
具体的には、サクサクの動作性能・長いバッテリー持ちですかね。故障した低スペックのエントリーモデルで参戦していたら、間違いなくイライラさせられていたと思います。
本当に集中したいところに存分にエネルギーを向けられるよう、スマホやその他ツールはフラストレーションを生じさせないものを持つというのは、基本中の基本ですが大切ですね。
翻訳ツールは重要
WebXでは、英語で39セッション、日本語で28セッションが行われています。数えてみると改めて実感しますが、さすがブロックチェーン。グローバルって感じがしますね。
※ WebXのAgendaページにて、左側に「EN」または「JA」マークが付いているものを目視集計。9月17日時点の情報かつメインの3ステージのみが対象。
もちろん英語のリスニングが達者な人ばかりではないので、同時テキスト翻訳システムが用意されています。WebXでは、国内の翻訳機器市場で有名な、ポケトークのシステムを採用しているようでした。(私もゆっくりめで複雑すぎない英語の短時間の聞き取り、難解すぎない記事・ドキュメントの読み取り以外はお手上げです)
使い勝手はまあ普通かなという感じでしたが、小難しい話になるとやはり意図があまり掴めないのと、ある程度文章を溜めてからまとめて翻訳されるのでタイムラグがわりと大きいのが、仕方がないとはいえ難点ですね。
でも、こういう場所にダイブしてこそ英語学習へのモチベーションが刺激されるので、触れ続けるのは大事です。
ところで、私は最初のうち別のアクシデントに見舞われていました。QRコードを読み取って画面を開いても、一切テキストが流れてこなかったのです。なんでなんで?と思い、何度も読み直したり設定を疑ってみたりしても解決しない。最終的に、以下ツイートにあるようなブラウザアプリの設定が原因と分かりました。いや〜怖い。慣れてない設定をするもんじゃないですね。
おかげで、初日のセッションが2つばかり終始イライラ&注意力散漫な状態で終わってしまいました。電話やWeb会議ツールで音声が聞き取りづらいのと同じくらい、同時テキスト翻訳の不調も体験価値をガクッと下げるので注意が必要です。
何度もしつこく使い方を聞きに行った会場のスタッフさん、本当にすみませんでした・・。
そうだ。細かい点ですが、QRコードの配置が少しイケてなかったですね。
各座席の背面シートに「英語→ 日本語」「日本語→ 英語」のそれぞれのQRコードが印字されていたのですが、あまりにも隣り合っているのでカメラで読み取るときに意図しない方のリンクが出てきたりするんですよね。WebXに限らず世間一般あるあるの問題ですが、ちょっとした配置の工夫で解決できるので、次回以降は改善してるといいな〜と思いました。
あと、採用ツールについても。
私はWebXのちょっと前に、「Super Tokyo」というSuperteam Japan(Solana日本コミュニティ)主催のイベントにも参加していました。利用者体験としては、そこで使われていたFlittoという同時テキスト翻訳の方が良い印象がありますね。
なんとなく全体的に見やすかったのと、翻訳前の英語文が見切れることなくコンパクトに表示されるので、半リアルタイムで会話を追いたい人のニーズにも応えられます。
国外からの参加者が多い!
「何を当たり前のことを」とツッコまれるかもしれませんが、こういう国際カンファレンスへの参加経験が乏しい私からすると、国際色豊かですごいな〜と思いましたね。
もちろん日本人しか集まらなかったら(WebXのコンセプトからすると)それは失敗を意味するので、当然クリアしないといけない点ではあるんですが、東京に居ながらしてこういった接点を持てるというのは本当に重要だと思います。
※ ちなみに前夜祭のFantasy Bullish Nightも外国人が多く、それもあって初心者の自分も気兼ねなく自己解放できたのかなと感じます(人目を気にせず思い思いに楽しむ雰囲気が日本人よりも強いと思うので)。
セッションの列に並んでいるときにチラリと聞こえた会話によると、コロンビアから来てる人もいたみたいです。ワオ!
会場内ではこんなグッズももらいましたよ。 Palau(パラオ共和国)のDigital Residency Programと書いてありますね。年間$248で色々な特典が受けられるようです。目の付け所が素晴らしい…
表現とスモールトークの力を
私は今回、Web3に興味のある個人として参加しました。事業者やプロジェクト関係者ではないし、まだまだビビりなのでネットワーキングエリアに入ったり昼の弁当を狙いに行ったりはしませんでした。
人酔いするのでいったん会場から出たかったというのもありますが。(職場の昼休憩も自席では極力食べたくない派です、気分も景色も変わらないので)
ただ忘れてはいけないのが、このイベントはWeb3、ブロックチェーン、Cryptoなどのテーマの下に世界中の多くの人々が一斉に集まっているということです。みんな似たような興味関心を引っ提げて会場に集まっています。
そんな人たちとコミュニケーションをとらないのはもったいなすぎる!前章にも関連しますが、隣に座った人・並んだ人や目に留まったブースの人とサクッと話してみる姿勢はすごく大切だなと感じました。
まあなんか、これくらいのジャブ打つ感じのやり取りでも最初はいいですよね。
最近思うんです。次の1〜3のうち、私は圧倒的に3が苦手だなあと。昔からの自己完結したがりな思考回路特性もあり、どうしても人とのコミュニケーションが疎かになりがちです。もちろん仕事でチーム内の意思疎通を図る程度のことはできますが、関係性が薄い人やない人とも絡んでいく姿勢、あるいはその重要性・拡張性の認識は薄いと思いますね。
知る/勉強する
使う/実践する
繋がる/コミュニティに参加する
以前、こんなようなnoteも書いたことがあります。
Web3って『コミュニティ』も大きなテーマの1つになってますよね。
それに乗っかるじゃないけれど、自分の興味を引かれるものを通して、自己解放や新しい自分へ変化していく過程を楽しめたらなと考えています。
出張専門のカフェ屋さん
昼ご飯のタイミングに苦戦したと冒頭の章で書きましたが、実は小さなカフェスペースが会場内に設置されていました。軽食などは買えずドリンクだけの提供ですが、私も2日連続で訪れ、ちょっと一息つける良い場所になっていましたよ。(テーブルや椅子も複数設置されていました)
注文して待っている間、カウンター上に置いてあったQRコードからホームページを見ると、なになに?出張対応完備で多言語対応のバリスタが複数人所属し活躍しているらしい。作業中の爽やかお兄さんにも聞いてみたところ、やはり店舗を持たず出張専門でやっているらしいです。そんな特化型の商売もあるんですねえ。
たしか、カフェラテとほうじ茶ラテ(ともにホット)を頂いたのですが、個人的にはどちらもかなり美味しかったですよ。会場内のふらっと立ち寄れる距離に出店してくれるのは、ほんとありがたかったです。
あと、上の写真を見てもらったら分かりますが、このスペースはスペイン語圏のCEX「Bit2Me」がスポンサードしていたようです。(WebX事務局が仲介して割り当てられたような形なのかな?)
実際、Bit2MeのTシャツを着た2人組がいて、訪れた人たちと言葉を交わしていました。ちょうどBrilliantcryptoのBRILトークンのリスティングを控えていたので、楽しみにしていますよ(looking forward to~)くらいの声かけをしたら良かったのですが、遠慮モードを発動してしまい結局話し掛けずじまいでした。くそっ!> <
※ コロプラの100%子会社が今夏リリースしたブロックチェーンゲームについては、以下記事をご参照ください。
J-CAMの存在感がすごい
今回、会場内でひときわ目立っていた会社があります。株式会社J-CAMです。
まず地下へ向かうエスカレーターのラッピング広告、次に豪華商品と雑誌無料購読が狙える名刺投函キャンペーンおよび華麗なる宣伝軍団、そして各種ステージセッションやブースセッションでも存在感を示していました。
この会社は、レンディングプラットフォーム「BitLending」とWeb3専門雑誌「Iolite」が主軸事業です。実は私、J-CAMとの接点をすでに2つ持っています。
1つ目は、BitLending。ローンチキャンペーンをやっている頃に利用し始めたので、もう2年以上経つでしょうか。ビットコインとイーサリアムの年間貸借料がそれぞれ10%(現在はともに8%)というセンセーショナルな設定に、Twitter上ではすこぶる評判が悪かったのを覚えています・・。
もちろんそれも承知の上でサイト等に一通り目を通し、最悪なんかあったらネタと学びにすればいいという気持ちで始めて、現在まで運用を続けています。
※ もちろん全数量を放り込むようなことはしてません。
2つ目は、WHITE SCORPION。このアイドルプロジェクトは2023年春にDMM Bitcoinとcoinbookにて行われた「NIDT」のIEOで注目を集めたのですが、J-CAMが運営するIoliteでも度々取り上げられています。
しかも今回Ioliteがバックアップして、2日目のbitFlyer Stageのお昼どきに30分間のパフォーマンス枠をねじ込んできていました。けっこう仲良いんだろうな〜という印象です。
※ 本当はステージを観に行く予定だったのですが、ハードスケジュールの調整がうまくいかず、今回は残念ながら断念。
さて、私がJ-CAMについて気になっていたのは、Ioliteの編集長である八木さんはどのような人物なのか?という点、そしてIoliteが数々の業界プレーヤーや芸能人とのコネクションや誌面掲載を実現できている背景は何か?という点です。
Ioliteは創刊から間もないこともあり正直あまり注目はしてなかったのですが、なんだかんだ登場する人物が豪華で今は侮れんなと思っています。2020年に前身となる? 専門誌「月刊仮想通貨」を事業買収しているので、その頃からのコネクションももしかしたら生きているのかもしれません。
2日目のTRON Stage『IoliteSP エンターテインメントと次世代のテクノロジーの可能性について』は拝見しましたが、八木さんがモデレーターのポジションだったこともあり、あまり人物像については掴めませんでした。(まずはIolite購読しろよという感じですよね、すみません)
このデジタル全盛の時代に隔月とはいえ紙の雑誌を継続発行していること、WebXとはいえ6,000名規模の1年間購読無料キャンペーンを打てること、WebXのPLATINUMスポンサーであること、株式会社BLOCKSMITH&Co.に出資していることなどから、けっこう資金力はありそうというのが私の見立てです。
ちなみに、BitLending公式Twitterで時々流れてくるJ-CAM金融アドバイザーの倉本さんのまとめは、情報の整理として比較的分かりやすいので、時間があれば目を通すようにしています。
一方で、BitLendingに関しては以前NIDTのとんでも ‘記事’ を載せていたことがあるので、正直よく分からないしJ-CAMへの不信感もゼロにはなっていません。内容から見ておそらく外部ライターの寄稿、というかあんな雑な「まとめ方」はライターですらない可能性もあると感じました。
※ 具体的な内容は、以下の私のリプからたどってご覧ください。なお、NIDTプロジェクトに関しては、過去に失望と批判と期待の入り混じった長文noteを投下したことがあるので、興味とお時間があればどうぞ。
時期これでいいの?の議論は必要
イベント全般レポートの最後にそもそも論を持ち出しますが、イベント開催時期として真夏が効果的なのかどうかは、どこかで再考の余地はあるかなと思います。
まず今回危なかったのが、途中まで台風が直撃の予報だったことです。奇跡的に進路がそれ影響は極少にまで抑えられたと言えますが、少し前に開かれたSuper Tokyoなどでは直撃は免れたものの飛行機が予定通りに飛ばず、ゲストが来日できなかったアクシデントなどもありました。
天候が不安定で来場が危ぶまれるリスクが上昇するという点は、「人」が集まることが重要な国際カンファレンスにおいては、無視できない課題点かと思います。自然相手だから仕方がないとはいえ、ある程度は季節要因として事前に織り込むことができる要素だからです。
あとは暑さですかねえ。ここ数年はギアが1つ上がったように激烈な暑さが観測されるようになっているので(もちろん会場内は涼しいですが)、どんどん暑くなる想定でプログラムを練らないとダメでしょうね。
WebX開催前収録のEXODUS ep.77(10:28〜)でも時期の話に触れられているので、紹介しておきます。
台風の他に、夏の暑さや国外勢のバカンス期間とかぶることなども話されており、一方で、夏はイベントが少ない(競争率も低い?)のでイベント会社的にはありがたいらしい、という別視点での情報も上がっていますね。
ちなみにフォローではないですが、WebX開催後の最初の収録回で、WebXが絶賛されている(冒頭部分)ことも併せて紹介しておきます笑
雑談:DMM Bitcoinはどうなった?
J-CAMの章でNIDTに触れた流れで思い出し、どうしても書きたくなったので雑談コーナーにします。
みなさん、DMM Bitcoinっていう取引所覚えてますか?私はもう半ば忘れかけていますよ。
一応これでも、お知らせ画面をブラウザのタブで開きっぱなしにして、目についたら更新を掛け最新ニュースをキャッチしようとしているかなり熱心なユーザーではあるのですが。あまりにも何も動きがなさすぎて、どんどん印象が薄くなっています。
遡ること5月31日、日経にも載ったので覚えている方は多いと思いますが、500億円規模の不正流出事件が発生しました。と同時にDMMはかなりのスピード感で全量補償(個人的感覚で言うと ‘保証’ は誤字)を決定・発表しました。
そこまでは良かった。けれど、今日に至るまで発生原因や関係者の処分、再発防止策などについては1mmも具体的な発表がありません。現物の新規買い注文・レバの新規建玉注文等の停止措置も継続しています、3か月以上。
やっぱりね、これは前代未聞ですよ。暗号資産業界としてのみならず世のサービス企業として、事業の根幹に関わる事件や不祥事が世間・監督官庁に明らかになった状態で、何か月も何が起こったのかが明らかにされないというのは。我々顧客や業界関係者は相当舐められていると思います。
最近の『Cryptoの盛り下がり大丈夫かよ論争』で一部触れている人がいたり、またDMM会長に私が以下の通りリプしたように、Crypto業界はこの “資産逸失リスク” と本気で向き合い乗り越えていかないといけないはずです。特に初心者のゲートウェイとなりやすいCEX(中央集権型取引所)ならなおさら。マスアダプションを目指すのなら、少なくとも現行技術と並ぶ有力オプションとして多くの人に価値を届ける存在に育てたいのなら、「500億円失っといてタラタラしてんじゃねえ、ちゃんとコミュニケーションしろ!」と言いたいです。
これ、金融庁とかにみんなで電話したり問い合わせフォーム送りまくればプレッシャーになるのかな。あるいは全員で解約しまくるか集団訴訟みたいな最終手段しかないのでしょうか。
※ Twitterで噛みつき癖のある人だと思われると嫌なのですが… 誹謗中傷ではない本質的な批判はちゃんと表現していきたいタイプの人間です。あと、ただの「読みました」の意味の可能性もありますが、一応1つ目のリプライには亀山会長のアカウントからいいねをもらいました。
一点、関連性が気になるのは、取引所内に工作員が潜伏している可能性です。先日Twitter上でどこかの分析グループが、Cryptoプロジェクトに潜伏している北朝鮮系工作員のリサーチ結果を公表していたのを目にしましたし、今日はちょうど以下のような記事も流れてきました。
もちろん北朝鮮(ラザルスという組織が有名)だけがクラッキングや各種工作行為をしているかというとそうではないでしょうが、日本のCEX内にも知らず知らずのうちに悪意を持った工作員が紛れ込んでいる可能性は、簡単には否定できないと思います。
加えて、監督官庁である金融庁が黙認しているという状況から、やはり警察・行政・国際問題などが関係している線は1つの候補として浮上します。もし工作員であった場合は、水面下で各CEXの内偵調査が進んでいるのでは?なんてことも考えてしまいます。
とにかく情報が少なすぎて、想像(妄想)するしかないんですよね。。
私はそもそもほとんど資産を入れていなかったので不幸中の幸いでしたが、動揺された方も多くいるかと思います。
引き続き、早期の事態詳細の発表を強く望みます。以上、雑談でした。
9月26日、業務改善命令が出た(追記)
詳細は以下の記事をご覧ください。
Web3の価値とマスアダプション 〜セッションに触れて〜
今回のWebX、私はとにかく国内外の有識者たちのセッションを聞いて回ることに主軸を置いていたので、その中で考えさせられることの多かった「Web3の価値とは?」を取り挙げたいと思います。
ひろゆき氏のツッコミはけっこう重要
真っ先に触れておきたいのが、1日目の最後に組まれた西村 ひろゆき氏 × 加納 裕三氏 × 渡辺 創太氏 × 高橋 弘樹氏による『ReHacQs 出張SP ディベート:Web3で生活と産業の未来は変わるのか?(仮)』です。
日本人ってひろゆきさん好きだよなあ〜と笑ってしまうくらいの人の詰め掛けようでしたが(私もその中の一人・・)、あそこで展開されていた話はわりと重要な問いを含んでいると感じました。
なぜなら、
「Web3がユーザーにもたらす価値はどんなもので、あとどんな技術が揃えばグッと社会に広がっていきますか?」
「必要な技術は全部揃っていて何年も経っているのに世に広まらないのは、結局社会に必要ないからじゃないですか?」
という問いに、2人が明快に答えられなかったからです。
もちろんあれは一種のパフォーマンス要素も強く、ひろゆき氏もツイートで事後フォローしているし、とても奥行きのあるセッションだったかというとそうでもないですが、これを「ただのパフォーマンスだからね」と一笑に付するのはちょっと違うと、私は考えています。
以前「ひろゆきはリトマス試験紙だ。ひろゆきごときにまともに反論/説明できないようなら一人前の専門家とは言えない。」という説を目にしたことがあります。
これはけっこう的を得た分析だと思っていて、今回のセッションに関しても「一般社会に対して分かりやすい説明をしたり分かりやすい価値を届けることができないのであれば、もはやそこにマスに必要とされるような価値があるとは言えないのでは?」というきつい問いを投げかけられています。
私もここ2〜3年界隈のニュースや発信・雰囲気を見てきて感じるのは、クリプト業界はエコーチェンバーに陥りやすい危険性を常にはらんでいるということです。自分の信念やクリプトの魅力にコミットするのは素晴らしいことですが、同時に今の一般社会にとってどのような意味合いをもたらすのか/もたらさないのかといった ‘温度差’ を客観的に捉える自分も存在させないといけません。
(そもそもマスに届く必要はないと考えているならまだしも)マスアダプションだ!と掲げるのであれば、ではそのマス(一般消費者)にとってどのような価値をもたらす技術なのかということを常に問い続け、本質的で分かりやすい言語化の努力を怠ってはいけないと思うのです。
そして残念ながら、今の業界プレーヤーも私も、簡潔で分かりやすい価値の説明(言語化)をいまだにできているように思えません。
※ 国内と国外で状況は異なるかも。国外の情報インプットは私もまだ足りていないところです。
もちろん何か新しいものが世の中に広がる際、数式のようにロジカルで合理的な進み方になることはありません。様々な偶然や必然が重なりながら、広がりを見せていきます。とはいえ『現時点では一般社会に対してWeb3の価値は明確には届いていない・認識されていない』という圧倒的な事実から、決して目を逸らしてはいけないと感じるのです。
1つのアンサー? けんすう × 家入 × 設楽
ひろゆき氏が浮き彫りにさせた問いへのアンサーっぽい内容が含まれていた興味深いセッションが『新しい経済SP Web2とWeb3は共存共栄できるのか?』です。
私は設楽さんと大木さんが運営しているEXODUSというポッドキャスト番組を毎回聴いているので、設楽さんの掘り下げ力にはいつも期待をしているのですが、このセッションもとてもおもしろい内容でした。
いくつか覚えているコメントを挙げてみます。
集積は効率を生み、分散は安全性を生む。(けんすうさん)
これから国家ごとにインターネットが分断する時代がくるかも。分かんないけどね。(家入さん)
覇権国(アメリカ)が衰退するときは世界情勢が不安定になる。色々分断や不自由さに耐えられなくなりWeb3的な分散されたものが求められるかも。そこでようやくマスのニーズが追いつく。(けんすうさん)
いつドンと波が来るか来ないかは正直分からない(事業者が頑張ったからどうなるという話でもなかったりする)。だから、理想の世界を信じて続けていくことが大事かも。(家入さん)
特にけんすうさんが話した「そこでようやくマスのニーズが追いつく」というのは、けっこう本質を捉えているのではないかと思います。
というのも、以前サマーウォーズの感想noteで書いた通り、
と私は感じているからです。
特に日本ではそれが顕著です。日本は良くも悪くもインフラが整いすぎている。金融アクセスもコンビニや商店へのアクセスも病院へのアクセスも非常に充実しており、識字率やアンバンクトやハイパーインフレなどが話題に挙がることはありません。
加えて、政府や行政に対する信頼が厚いです。どんなに文句を垂れたり不信感が高まったところで、大規模抗議活動もボイコットやストライキも起きません。なんだかんだ腹の奥底では国や行政を信じている、自らで何かを変えよう創り出そうとはしない、自身に及ぶリスクを本気で憂慮し始めるのはかなり後になるであろう、そういう社会だからです。あと(これは多分に学校教育の影響だと私は考えていますが)日本人は、公私ともに組織や国家に管理されることに慣れすぎています。
だから、日本でマスにWeb3の価値を届けたいのであれば、この壁は必ず認識しておかなければいけません。
そうそう、最近聴いたpajiさんのVoicyでも、少し違う角度からブロックチェーンのアダプションについて触れられていました。とてもおもしろかったので、参考までに貼っておきます。
特にビッグテックの収益性・競争力と利益相反するリスクに関しては、重要な指摘だと思います。
ユーザーが意識せずとも vs ユーザーに意識してもらう
もう1つ興味深かったのが、マスアダプションを遂げる上で、ブロックチェーンやWeb3を前面に出していくかどうか?という方針の違いです。
現在のトレンドは『Web3技術を使っているとユーザーに意識させず、いつの間にか裏側で活用されていたというような状態を創り出していく』方に傾いている、というのはある程度間違いないと思いますし、WebXの各セッションでもその類の発言を随所で聞きました。
たしかに専門技術そのものが大衆にダイレクトに評価されるということは、あまりないかもしれません(評価できるのは一部の専門家などだけ)。マスに届くにはその間のクッションというか、その技術が生み出す分かりやすい価値・成果や、あるいはその技術によって実現された魅力的なプロダクトを通して技術の可能性を認知する、という過程が通例な気がします。
そういう意味では、多くのプレーヤーが口にするキラーアプリ・キラーコンテンツの必要性というのは、その通りなのでしょう。
ただ、本当にそれだけでいいのでしょうか?
事業者と一口に言っても、いわゆるWeb2プレーヤー側の人もいれば、Web3の1ユーザーとしてのペインやワクワクからチームを組成していって事業展開している人もいると思うので、安易な一括りには躊躇した方がいいのかもしれませんが、とはいえ何かの社会課題の解決を考える際に、当事者(しばしば弱者やマイノリティ)が議論の輪の外に置かれる/置き去りにされるというのはよく起こることなので、それは本当に最終的にユーザーの価値になるのかという視点は常に持ち続ける必要があります。
ブロックチェーンはインフラ的要素が強いので事業者の視点も重要ですし、よく言われるようにマスアダプションが進んだ未来にはわざわざ「ブロックチェーン」という単語を出すまでもなく、当たり前にみなが使っている状態になるのかもしれません。
でも、ユーザーが価値の源泉を直接実感しない/明示的に認知する必要がない状況ってなに?とも思いませんか。前述のひろゆき氏の問いに戻りますが、「それって本当に社会に必要ありますか?」という残酷な問いには絶対に蓋をしてはいけない。今取り組んでいることが、誰に対してのどんな価値に繋がるかを考え続けることは、とても重要だと思うのです。
それこそ、ブロックチェーンと不可分なP2Pや自己主権の概念は大切にしないといけないのでは?と、なんとなく感じています。
さてここで、‘ユーザーに意識させない派’ ばかりではないということにも触れておきましょう。私がセッションを回る中で「おおっ!むむっ!」と思ったのが、次のお二人です。
株式会社Kyuzan CEO 髙橋さん @8/29 bitFlyer Stage『持続可能なWeb3活用 日本の産業に与える革新性』
INTMAX共同創業者 藤本さん @8/29 EchoX Stage『世界で勝ち抜く:現Web3業界で求められるニーズと事業戦略』
まず、Kyuzanの髙橋さんに関しては、横に並ぶ各有名プレーヤーたちが口々に「ユーザーに意識させない」戦略を語る中で、それらに部分的に同意しつつも表情が晴れないというか、口ごもりながらも頑なに自らの信念を話し続ける姿勢がとても印象的でした。
彼は、「Web3でしか提供できない体験や価値があり、それは絶対に実現したい。ゲームやエンターテイメントを通して実現してユーザーに感じてもらいたい。」というようなことをたしか言っていました。
藤本さんが登壇されていた回は複数セッション間をはしごしていたせいで冒頭の一部を聴けなかったのですが、最後の方に放った言葉がパワフルでした。
記憶が薄れてやや曖昧なのですが、「私たちINTMAXは、Crypto(Web3? ブロックチェーン?)を前面に押し出してやっていくことだけは譲らない。」的なことを仰っていました。いや、かっこよすぎ笑
※ 取り扱うプロダクト・サービス、業界内でのポジション・戦略等によって、エッジを利かせやすいか/利かせるメリットがあるかどうかが異なるので、その点は一応断りを入れておきます。
ん〜、そんなこんなでごちゃごちゃと書いてきて自分でも混乱してきましたが、結局はやはり「どんな価値をユーザーに届けたいの?届いてるの?届いたら何が変わるの?」を情熱的に突き詰めるしかなくて、価値がちゃんと届きさえすればその先に自ずと未来は開けていく。途中過程やアプローチに多少の差異はあるとしても。
という抽象的なまとめしか今の自分にはできなさそうです。。
[参考]タイトなスケジュール!
あんまり意味があるか分かりませんが、自分の行動スケジュールを公開してみます。
コンテンツ盛りだくさんなので、事前スケジューリング必須ですよ!
1日目(8/28水)
2日目(8/29木)
来年も開催が決定済み
実は閉幕早々、2025年分のチケットが$39で販売されていました。
私は「各務さん明日までって書いてるけど、ページ内ではもう少しやってる風の表示だな」と思って油断してたら、いつの間にか$59に値上がりしており(それでも十分安い)最安値購入を逃しましたが、来年も楽しみですね。
あと春〜秋開催の大阪万博では、DID系の取り組みもあるっぽいと聞いたので(HashPortや暗号屋が協力?)、そっちも行ってみようかなと現在検討中です。
'24/09/19 更新(本文全体)
'24/09/22 更新(一部加筆、リンク挿入)
'24/09/29 最終更新(DMM Bitcoinについて章を追加)
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