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持続化給付金申請のスーパー解説、すごいYouTuberがいる!

思わずまとめずにはいられなかった、パワフルYouTuberの話です。

 

私は、最近やっとYouTubeのおもしろさに気づき始めたのですが、特に専門職系YouTuberにハマっています。

ボイストレーナー、元自衛官、助産師、精神科医、英会話講師、ホスト、税理士、、
そして、これから紹介する元国税調査官!

普段触れることのない業界や知見から繰り出される、エキサイティングな世界が楽しいです。

 

ただ実を言うと、なかなかまとめられずグズグズしていたら、もう動画公開から1か月が経ってしまいました。
それでも言わせてほしい、

この人はすごい!!

▼▼▼▼▼▼

 

この動画を作成・公開しているのは、税金坊こと根本さんです。
大学院卒業後、文科省⇒民間企業⇒国税調査官⇒現在フリー、という経歴の持ち主で、おもに国税調査官としての経験や知識を生かした動画等を公開しています。

普段の動画もいいのですが、特に最近連続で公開されている「持続化給付金」をテーマにした動画が力作で、その中でも個人事業主向けに解説した『【詳細解説&質問70問に回答】持続化給付金(個人事業主編)』は、すげえ・・・としか言いようがありませんでした。

 

個人的におもしろかったポイントをいくつかピックアップしてみたので、魅力が伝わればいいなと思っています!

 

※現在は、申請の要件等が変わっている可能性があります。必ず自分で確認しにいきましょう!ここではあくまでも動画に関する感想を書いているだけなので、情報の現時点における正誤については補足していません。

※根本さんとは公私ともに一切接点がなく、一視聴者として勝手に感想をまとめただけのものです。

 

 

申請要領を1つ1つ見ながらの解説 & 出血大サービス質問コーナー

1:57~】
申請要領を映し出して解説を開始。

まずこれですよね。
私もあまり他のYouTube動画を漁っていないので分かりませんが、数十ページある申請要領を1ページ1ページ見せながら解説をしてくれるYouTuberが、他にいるでしょうか?

しかも、このスピード感。
経済産業省による速報版が公開された27日の翌日には、もうこの動画が公開されています。
その前には、個人・法人それぞれ向けに短い速報版動画も出しているので、資料を読み込む時間~構成を考える時間~撮影する時間~編集する時間などを考えると、
「この人食事や睡眠もそこそこに、命かけて動画作ってるわ」としか思えません。

 

34:29~】
ちょうど動画の真ん中あたりから全70問!の質問への回答が始まります。
目ん玉飛び出そうですね。

えーとこの質問ですねえ。あのダブってるものが、まあ、けっこうある、あるので、あ″まりそのっw、そこまでそのっおー、編集してると、すごく時間がなかったので、同じような質問もそのまま、載せてますので、えーそのへんはご了承ください!

いやいやそれで十分ですよ、根本さん。70問解説してくれるだけで十二分ですよ。

あと、おしらさん(ボイストレーナーYouTuber)も言ってたように、YouTubeで個別の質問コメントや質問DMに応じるのは普通やらないし、とってもエネルギーがいることです。
しかも、このクオリティー。もうお金とっていいんじゃないかと笑

そりゃあ、広告収入は多少あるでしょうけど、まったく見合ってないです。
今は、チャンネルメンバーシップという機能を使って有料コンテンツも公開しているようです。ちょっと安心しました。

 

1:16:53~】
ここで全70問への回答・解説が終了。
体力の持つ限り、さらなる質問にも答え続けると語る根本さんでした。

 

 

迷惑メールフィルタについて熱弁!

2:25~・12:57~・23:11~】
たしかに大事だけど、何度も何度も言うからもう面白すぎます。
「変なメールアドレス」とか言っちゃってるし。

根本さんが指摘しているように、迷惑メールフィルタが厳しく、必要なメールすら弾かれてしまうメーラーはあると聞きます。
Gmailのように手元で迷惑メールフォルダが見られればいいのですが、ユーザーの手元に届く前のサーバーの段階で弾いてしまうメーラーもあったはずなので、侮れませんね。

 

 

独自の見解・分析

6:26~】

注:一度給付を受けた方は、再度給付申請することができません。

という注意書きについて、逆に考えると一度弾かれて不給付となった人も再申請できるのではないか?という推測をしています。

 

7:12~】
不給付要件に風俗営業関係者が記載された点については、色々意見があるので別の動画で話していきたい、と言及しています。
私自身も以前の投稿で触れたように、風俗営業関係者の締め出しについては問題視しているので、近い考えを持っているのかなとちょっと嬉しくなりました。

 

19:47~】
売上ゼロの月も計算対象にできるが、不正チェックで疑われるリスクも想定し、対象月以外の売り上げもあえて含めて台帳提出することにより、
「売り上げのあがった月もあったが、この月はたまたま0円だった」ということが、より明示的にできるのでは?と語っています。

おもしろい視点ですね~。

 

 

舞台裏の省庁の話、税務署の現場のこと

3:55~・14:29~・1:10:18~】
申請要領の内容を読んでいると、経産省と財務省(国税庁)の連携がうまくとれてない気がする、と語っています。
確定申告の現場の実態を知っている国税庁としっかり連携をとれていれば、こんな要領にならなかっただろう、と。

e-Taxを通じて申告を行っている場合、これに相当するものを提出してください
所得税青色申告決算書を提出しない者(任意)

などの表現について、んん~とうなる根本さん。よくわかんないを連呼するのがおもしろいですね。

 

45:59~】
確定申告書の「収入金額等」ア・イは空欄で「所得金額等」①・②だけ記入している場合が、現場の実態としてはけっこうあるらしいです。
税務署も消費税課税事業者の判別(1,000万円)くらいでしか気にしないみたい。決算書見れば、事業に関するお金は全部わかりますしね。

 

 

可能性があるので行動しましょうという呼びかけ

4:42~】
不動産所得が対象外になってしまう件について。
地元の自民党の政治家の人に訴える等の行動を起こせば、もしかしたら変わるかもしれませんよ、と語っています。

 

55:29~・58:15~・1:00:52~】
青色申告会を通して申告した場合、確定申告書の控えには税務署ではなく青色申告会の収受印が押されるらしいのです。
経済産業省が実態を把握していない場合、審査に通るかわからないと危惧する根本さん。

青色申告会は経産省とは付き合いがない(情報がちゃんと伝わっていない)可能性があるので、青色申告会を通して経済産業省に訴えかけよう!青色申告会の会長から梶山経産大臣に陳情してもらおう!と言っています。
やっぱり官僚経験があるからこそ、こういう省庁との連携を読んで色々喋れるんだろうなあと感心しました。

そして、コールセンターに電話して要望する時との比較をしたり、「青色申告会も自民党に対して強いと思うので」と語ったり、色んな実態まで知った上で喋っているので、とても内容が濃いです。

 

1:17:33~】
これほんとに動画終わるちょっと前なのですが、こんなことを言っています。

あのー、ほんと経産、梶山経産大臣を動かせばなんとかなるんですよ!ほっ、なので、えーまあ、自民党にコネがある人とか、人脈がある人とか、梶山経産大臣に繋がるラインを持ってる人は、ちょっとそこ頑張ってもらったらですね、うまくいくかもしれないので、えーちょっとこう諦めずに、ですね、やってもらったら、いかがかなっ、という風に、思います!

めちゃくちゃおもしろいし(でもこういうのって実際コネとか人脈だと思う)、少しでも救われる人が増えるようにと一生懸命方策を提案してくれているところが、もう人柄出てますよね。
最高です、根本さん。

「制度って、今あるものとか与えられたものをそのまま順守するだけじゃなくて、私たち自身が運用し必要に応じて作り変えていくものなんだ」、と誰かが言っていたのを思い出します。

 

 

屋号とかテキトーでいい!笑

8:29~・12:45~・1:15:26~】
申請時に、基本情報として屋号・雅号を書く欄があるようです。
屋号はある人とない人がいるので、なければ自分の名前を書けばいいです、と言及。
最後の方では、

はい、屋号はテキトーでいいです。ええ、はっはっは。全然テキトーでいいです。

とか言ってるし笑 すかっと一刀両断でいいですね!

私も経験があるのですが、個人事業主で確定申告とか各種手続きに慣れていない方は、悩まなくていいところでけっこう悩んでしまったりします。
屋号とか業種欄とか事業主借・事業主貸勘定の残高とか、それほど(もしくはまったく)重要でない部分で、不安になります。仕方ないですよね。

ただ、税務署でも税理士でもない一企業のサポート窓口では、「重要ではないのでテキトーでいいです。」とは言えないんですよ!笑 ほんとは言いたいけど。
そういうジレンマを根本さんが代わりに吹っ飛ばしてくれた気がして、なんか爽快でした。

 

1:04:08~】
現金主義か発生主義かは気にする必要がない、という内容です。あくまでも申告書・決算書上の数字と提出した帳簿で判断するので、それ以上の細かい部分は気にしなくてよいという意味かと思います。
ただ、去年は現金主義、今年は発生主義とかでやってると、ちょっと問題かもしれませんね。言わなきゃわかんないだろうけど。

 

1:14:59~】
そこが何か重要な基準に引っかかるわけではないので、従業員数は0人と書いても1人と書いてもでもよいですという話。
「どっちでもいいです!笑」と言い放ってますね。ちょっと屋号のくだりと似た質問かも。

 

 

お役立ち情報

14:29~・51:57~】
確定申告書には収受印が押されていないとダメだそうです。
電子申告(e-Tax)の場合は、右上部分に受付日時・受付番号が記載された確定申告書を出せるらしい。

地味にここが一番のハードルになりそうですね。
そもそも紙で申告した人のうち、収受印の入った控えを大切に保管している人がどれだけいるか怪しいし、申告の仕方によっては収受印が入っていないケースも多そうだし、大変そう。。

 

29:48~・57:16~】
確定申告書にも開業届にも収受印が必要。
手元にない時は、「保有個人情報開示請求書」を出して手続きすればGETできるそうです!
なお、税務署でできる確定申告書の閲覧申請では、収受印は見られないとのこと。

 

30:06~・1:07:02~・1:14:10~】
条件に当てはまったとしても、新規開業特例を使うかどうかは自由に選択できるようですね。
比較して開業特例を使うメリットがなければ、普通の申請をやればよいということです。

 

36:39~・41:17~・43:08~・49:46~】
開業届を出していなくても、事業所得として確定申告をしてればOKという話。
開業届を出していなければ事業所得の確定申告ができないわけじゃないし(ただし青色申告するなら、開業届と青色申告承認申請書の提出が必要)、どちらかというと形式的な書類なんだけど、とはいえ普通の人にはそんなのわからない。
「出してないと対象外になるのかな?」と不安になりがちなところをしっかりとフォローしてくれている点が高評価!

新規開業特例・事業承継特例を使う時以外は開業届は一切関係しないので、ここの切り分けは大事ですね。

 

45:44~・1:12:19~】
昨年赤字だったとしても、売り上げがあがっていれば給付対象になる可能性がある!
利益は「収益(売上)」と「費用(経費)」のバランスで算出しますが、持続化給付金の審査はこのうち「収益(売上)」しか見ていないので、トータルで赤字かどうかは関係ありません。
これは自分も反射的に「赤字ならだめだな」と判断しそうになっていたので、注意点ですね。

話はそれますが、「年商5億です」という言葉だけでは黒字か赤字かはわからない、という話をなんか思い出しました。
年商はすなわち売り上げのことなので、経費が6億かかっていたら年商5億でもトータルでは1億の赤字になります。

 

47:20~・48:29~】
休業要請の対象かどうかは無関係。
東京都の感染拡大防止協力金など、休業要請対象であることを要件にしているものもありますが、持続化給付金については

2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、前年同月比で事業収入が50%以上減少した月(以下「対象月」という。)があること。

としか書いていないですもんね。
※申請要領に記載されている、給付対象者の要件(2)より抜粋
んーでも、不安になるのもわかりますねえ。

 

48:56~・51:06~・1:06:43~】
あくまでも実績に対する給付金なので、前年同月比(もしくは前年月平均比)で確実に半減する予定であったとしても、それを見越して先出し申請はできません。

 

1:07:50~】
事業所得・給与所得のどちらに該当するかの質問です。
所得の種類は、質問者の非常勤職員の仕事が雇用契約か業務委託契約等なのかによって分かれますが、もらった源泉徴収票の記載で判別できますよという説明がとってもわかりやすい!

ここでの源泉徴収の中身は、給与でも報酬でも源泉所得税ということになるのかな。
給与なら雇用保険料が引かれるかと思ったけど、週2の勤務であれば1週間の所定労働時間が20時間以上ないだろうから、適用外となりそう。

 

 

私の感想

給付金の計算については、①売上50%減を満たすかどうかと②給付金額がいくらになるのか、をごっちゃにせず分けて考えるべきだなと思いました。

あと、私は確定申告サポートの経験と知識があるので、個人事業主のお金回りの基本的なことは分かっていますが、慣れていない人は不安だらけだろうなあと。
お金・税金回りのことが最低限分かっていることもそうだし、資料を読み解く力、情報を集める力、PCやYouTube等のツール・サービスを活用する力が、とても大事になってくると感じさせられました。

まあそもそも、申告・納税情報の管理や申請の簡便さという制度・情報管理の部分をもっと変えていくべきだという議論も巻き起こりそうですが、とはいえこの現状の中、根本さんの丁寧で使命感溢れる解説は、多くの個人事業主を救っていると思います。

他の動画もおもしろいものがたくさんあるので、興味のある方は是非色々見てみてください。

 

'20/06/01 最終更新

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