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俺という人間
承認欲求が抑えきれないから書く
アメリカにて爆誕。一歳半で来日
4歳の頃サンタクロースの正体を知るために寝たふりをして、ついに叔父が枕元にプレゼントを置くのを見た。「サンタはいない」という事実に落胆することは一切なく、むしろ真実を知れたことがあまりにも嬉しく、幼稚園の奴らにサンタはいないんだと言いふらしまくって夢を摘もうとしたのを覚えている。バカしかいなかったから誰も俺の言うことを信じなかった。
小学校に進学し、ごく普通に過ごす。誰とでも仲が良く、成績優秀で、努力でき、根性があり、モテる…
かのように錯覚していたが、本当は変人ではぐれものだった。小6ごろに気づいた。普通の人間は授業中にタケモトピアノのCMソングを歌ったりしないのだと…
中学校に進学し、爆音で校歌を熱唱したことから周りの奴らから一目置かれる存在となった。はぐれている自分が認められて、目立つことに激しい快楽を覚えた。
目立ちたい…目立ちたい…目立ちたい...........…
目立つためにキ◯ガイが如く勉強した。
学校配布のワークが4倍ほどの厚さになるまで解いた。
ついに定期テストで1位を取ったら、周りの人間が全員俺のことを天才だと褒め称えた。ひたすら目立つための執念はいつしかカリスマ性を帯び、校区内のすべての生徒、親、先生が俺のことを尊敬し、どうしてそんな執念があるのかと羨んだ。
最高に気持ちよかった。
が、限界を超えて動き続けた代償に精神が崩壊した。
人格が刻々と変化していき、数分ごとに意見が逆転する不安定な性格になり、一貫性のなさを隠すためにほとんど人と喋らなくなった。
そのまま高校に進学したが、目立つ快楽が忘れられたわけではなかったから、とりあえず勉強をしてみた、が、精神を病んでしまったことがトラウマになり学習効率がガタ落ちして全く目立てなかった。目立てなければただの変人。おまけに無口で気味が悪いから孤立した。
一人でできる趣味を探して絵を描いてみたら意外と上手い。
これしかない、絵で目立とう。
目立って、目立って、その先にあるのは破滅なのかもしれないけど、それでも目立つことでしか生きている実感がなかった。
キ◯ガイみたいに描きまくった。上手くなるとやっぱり周りから一目置かれる。一方で精神は悪化の一途を辿り、短期記憶が死んで一瞬前のことを忘れ、夢と現実の区別がつかなくなることさえあった。
それでも進む。
進路調査の紙には一番肩書きが派手な東京芸大の四文字を書き記した。目立てそうなデザイン科志望。
卒業する頃には同級生がみんなお前は大成すると言った。
当たり前だろうが。
結局東京芸大には落ちて、滑り止めの公立美大に行くことになった。
大学は少人数で、互いに協力しながら課題をこなしていくスタイルがとられていた。が、有象無象と協力してたら俺まで有象無象になると思ったから学校に行かなくなり、結局留年して今に至る。
留年して学校に行ってないと目立てる場所がないから承認欲求がぶくぶくと太っていく。
だからネットの海に解き放つ。
承認欲求が抑えられないから書く。