32歳 貯金6万 東京に行く その2

私が家から出られなかった理由に、母との関係があります。
そう大げさなものではないのですが。

我が家は、父母と私と弟の4人家族です。
父は警察官で、母は私が中学を出るくらいまでフラワーデザイナーをやっていました。
花屋を営んでいるわけではないので、知人の生花店と組んでブライダルの仕事をしたり、自宅で教室を開いたり細々とした活動でした。
専門的なことはわかりませんが、この地方としてはなかなかセンスのいい仕事をしていたのではないかと思っています。母の飾り付けた式場の写真を見るのがいつも楽しみでした。

さてここで

警察官とフラワーデザイナー、それぞれどんな人が思い浮かぶでしょう。果たしてその2人の性格が合うと思いますか。

まぁ、もちろん足並み揃いませんよね。

母はどちらかと言えば夢見がちで繊細な(神経質ともとれる)人で、父は体育会系で職業柄ゆえか常に正しいのは自分という感じでした。
いつも父の様子をうかがって、先回りして気を遣う母。そして、気を遣われていることを、父は気付いていなかったと思います。

父は自分の機嫌を自分で取れない人でした。

機嫌が悪ければ「今、俺は、機嫌が悪いぞ!」という空気を身体中から発散し、全ての動作が荒々しくなり家族を無視します。
小さい時はよく無邪気に「お父さん、お父さん」と声を掛けて全く無視されたり、「うるさい!!!!!」といきなり怒鳴られたりしていました。暴力がないだけマシとも思えますが、無視されたり怒鳴られるというのはかなり精神的ダメージがあります。

これは今思えば仕事が原因だったではないかと思っています。ストレスも多いでしょうし、守秘義務のある仕事なので。
そういえば父から仕事の愚痴はおろか、同僚や部下などの話はほぼ聞いたことがありません。それどころか趣味や好きなものの話もしたことがないので、正直どういう人なのか未だにわからないでいます。

とにかく父の原因不明の不機嫌で家の中の空気は左右されていました。

酷ければ3日ほど、母と私たち姉弟はそこに居るのに居ないように無視されて過ごすのです。もちろん機嫌がよければ世の中のお父さんよろしく、遊んだり構ってくれるのですが。
なにがスイッチでまた不機嫌になるか分からないのでとても怖かったです。

私が今、人の機嫌を必要以上にうかがってしまったり、先回りしすぎてしまうのはこの辺の体験が影響しているのかもしれません。
あと、男の人って感情が無と怒りくらいしか無いのかなって思っていて、すごくコミュニケーションが取りづらいです。私の思い込みのせいなんですが。だから見た目も女っぽい人の方がとっつきやすいし、おしゃべりな男の方が好きです。

どうでもいい話になった。

そう、で、母の悩みや父に対する愚痴を聞いて慰めたりする係を私がしていたので、母から精神的に頼られていることもあり、なかなか家を離れられなかったのです、という話。

ちなみに父は5年くらい前に、なんの心境の変化かどこかでアンガーマネジメントでも覚えてきたようで比較的マシになっています。
しかし遅すぎだ。

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