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3月のぼくへ
日本プロ野球の流行り文化として【申し送り事項】というものがある。
野球を見ない方は「あぁ、仕事の引き継ぎの時とかで後任者に伝えるアレでしょ?」と思い浮かべるだろうが、まぁほぼそれである。
これが、プロ野球ファンの間で2020年頃からTwitterを中心に流行っている。
使い方としては例えばこんな感じだ。
【申し送り事項】
ホークスさんへ、マリーンズファンより
・バファローズ、相変わらず投手陣が良いです
・ラオウはホカホカに温めておきました
・平野が出てきたら諦めましょう
・紅林は絶賛冷凍中です
#プロ野球申し送り事項
このように、バファローズ戦を終えたばかりのマリーンズファンから、次にバファローズと対戦するホークスの皆さんに向けて、さながら仕事の引き継ぎのごとく注意事項など戦後の感想を伝えていくのだ。
特徴としては
・贔屓チームがボコられた後なのでやや自嘲気味なことが多い
・調子の悪い選手は「冷えてる」「冷凍中」などと言われる
・打たれまくった選手は「解凍」「温めておきました」など
このような傾向がある。
応援してたチームが負けても、このように【申し送り事項】として次に当たるチームに情報を伝えることによって「俺らは負けたけど仇を取ってくれよな!」というプラスの感情を産んで、また懲りずに野球を見続けられるという、なんとも涙ぐましいがとても面白い文化である。そもそも「温めておきました」ってなんで恩着せがましいんだ。ボコボコに打たれたのは君のチームの投手陣の所為だろう。
いい。プロ野球は今、負けたチーム達によって支えられている。
このように"伝える"ことによってより一層楽しめるプロ野球。
しかし開幕直前、3月の僕に遡って伝えたとしても、絶対に信じてもらえないことが一つある。
「2021年シーズン終盤、バファローズとマリーンズが首位攻防戦してるってよ。」
嘘だ!手々を落とすぞ!
なんでこんなことになっているんだろう。
万馬券なんてレベルじゃない。
残り30数試合、まだまだ楽しめそうです。