見出し画像

【Notion】とにかくシンプル文献管理【卒研生にもオススメ】

私は理系の修士課程を修了し、現在はメーカーで研究員をしています。卒研生のころから今に至るまで、仕事(研究)の一環で論文を読んできました。Notionというアプリを文献管理に使用したところ大変良かったので、もっと多くの人が利活用できるようにと思いこの記事を書いています。

Notionは以下からダウンロードできます。


想定する読者

  • 文献(論文)管理の方法を探している

  • 読んだ論文をシンプルな方法で整理したい(作業の自動化は求めない)

  • 自分用にカスタマイズしながらツールを使いたい

読んだ論文ってどう管理すれば良いの?

高機能なサービスを使いこなせない問題

私が理想とする文献管理は以下の事項が満たされる状態です。

  • 保存した文献が、1文献 : 1行のリスト形式でまとまっている

  • 文献リスト(文字列)を見たときに、既読の論文については内容がぼんやりとでも思い出せる

  • とはいえすべての論文について上記を達成するのは難しいため、論文を読んだときに取ったメモをスムーズに呼び出せる

つまり、「文献リスト」に「論文のPDF or URL (doi)」と「自分で作成したメモ」を紐づけすれば解決なのですが、うまいやり方を見つけられず、頭を悩ませていました。ちなみに、修士時代はMendeley、入社~昨年度まではZoteroを使っていました。両方とも、便利な機能がたくさんあるのですが、有効活用できずオーバースペックだと感じていたり、自分なりにカスタマイズするのが難しかったりで、結局はPDFをまとめたフォルダから直接文献を探しにいくようになっていました。

Notionに出会ってこう変わった

私自身は業務のみならずプライベートでもタスク管理や思考の整理に大いに活用しています。
文献整理をNotionで行うようになってからの効用は以下の通りです。

  • 会社の先輩に情報収集がうまいと褒められた

  • 業務報告書で文献を引用するのが楽(その結果、普段より効率的に多くの文献を引用できた)


Notionで文献管理データベースを作ってみた

こちらです!
Notionをすでに入れていれば、リンクからテンプレートを複製して自分のワークスペースに持ってこられます。

全体像はこんな感じです。ダミー論文を3本入れています!
リンク先ページの右上、□が2つ並んだ「複製」を選択して自分のワークスペース上に持ってこられます。

Notionデータベースのここが良い

見た目はExcelみたいな感じです。特にお気に入りのポイントを以下に記載します。

  • 読んだときに作成したメモが呼び出しやすい(ページが階層構造になっている)

  • PDFが添付できる(無料版は5GBまでの制限あり。学生と教職員は無料でアップグレードが可能のようです!)

  • 1文献に複数のタグを付けられる

  • 複数端末(スマホもOK)からアクセス可能

  • データベースの見方(タブ)が色々あるため、工夫次第で目的の論文にアクセスしやすくなる。

    • 例えば「タイムラインビュー」だと読んだ日を時系列に並べてくれるため、最近読んだ論文、1年前のこの時期に読んだ論文~等。

このデータベースでできないこと

一方で、私の作成したデータベースは「とにかくシンプル・自分でカスタマイズできる」ことに重きを置いているので、「自動化」という点では優れていません
よって、各種サービス(たとえばMendeleyやZotero)には搭載されている機能は使えません。一例を挙げると、

  • 「引用/参考文献リスト」の自動作成

です。Notion APIとか使いこなせるようになったらできるのかな~と夢見ています。

文献管理DBの使い方・手の加え方

論文をデータベースに登録する際に、以下のパラメータを入力します。

  1. 優先度【高・中・低】

  2. ステータス【未着手・進行中・完了】

  3. PDF【ファイルを添付】

  4. URL

  5. 総説の場合チェックを入れる

  6. 原著タイトル or キーワード
    論文管理ページの見出しとなるので、管理しやすい方法(論文の内容を想起しやすい単語等)

  7. タイトル和訳

  8. 一言コメント(読んだ際に追記)

  9. 雑誌【単一のタグを作成】

  10. 筆頭著者【単一のタグを作成】

  11. 出版年

  12. キーワード【複数のタグを作成】

  13. 手法【複数のタグを作成】

  14. 引用実績【複数のタグを作成】
    自分の発表(論文のみならず、卒論や週報・月報等)

  15. データベースへの追加日時

パラメータは、後々論文をフィルタリングして呼び出すために有用そうなものを設定できるようにしています。なお、データベースの列名の1番右に
「+」マークがあり、自分で項目をカスタマイズすることが可能です。

メモの呼び出し方

上記パラメータの「原著タイトル or パラメータ」にカーソルを持っていくと「開く」が表示されます。こちらから当該論文のメモページを呼び出すことができます。

カーソルを持っていくと表示される「開く」を選ぶとメモが呼び出せます。


自由にメモを取っても良いですし、私は「落合メソッド」が効率よく論文を読むのに有用だと感じているので、テンプレートから呼び出せるようにしています。精読した論文については、詳細な実験情報等をさらに追記しています。

フィルター機能の使い方

デモで入れているのは以下のフィルターを使用したデータベースビューです。タブを選択することで見られます。条件を満たす論文のみが抽出されます。
例①、例②を参考に、ご自身でもカスタマイズできると思います。

  • 総説(「総説」にチェックが入っている論文)

  • 優先度高い(「優先度」で「高」が選択された論文)

  • タイムラインビュー(「追加日時」順に並ぶ)

  • 例① 動物
    「キーワード」に「ネコ」あるいは「イルカ」を持つ論文

  • 例② 2020年以降×行動実験
    「出版年」≧2020、かつ「手法」に「行動実験」を含む論文

「総説」タブを選択した例です。
「タイムラインビュー」を選択した例です。論文の【データベースへの追加日時】順に並ぶので、ある時期にチェックした論文にアクセスしやすいです。

おわりに

Notionはいろいろカスタマイズできるところが強みです。スペシャリストが高完成度なテンプレートを公開してくれている(todoリスト、家計簿、議事録…etc)ので、それを使うのも便利ですし、自分で身の丈に合ったツールを作成するのも楽しいです。
この記事が皆様の助けになれば幸いです!

Notionテンプレート集

いいなと思ったら応援しよう!