都会のカラス
いっつうです。
「カラスはどれほど賢いか」という本がある。引き算ができるとか人の顔を覚える、などとよく聞くが、確かに他の野鳥と違って何かを考えている風に見えないこともない。
最近よく見かける二羽のカラスがいる。本当に同じカラスか?と問われると自信はないが、ヒトだってカラスの顔を覚えることぐらいできるのだ。
いつも一緒にいるようで、先日はコンビニの駐車場に落ちていた、からあげクンを仲良く分け合って食べていた。
私は「コラ〜」などと言ってその横を通過したのだが、そうしてカラスに声をかけることは実はとても効果的なことらしい。
とある集合住宅の一画に、全くカラスの被害に遭わないゴミ捨て場があるという。すぐ先の収集所はかなり荒らされているのに、そこだけはなぜかいつも無事なのだそうだ。
疑問に思ったある主婦がゴミ捨て担当の旦那さんにそんな話をしたところ、面白い答えが返ってきた。
なんでも毎朝、たむろしているカラスに挨拶してから通勤しているらしい。はじめは逃げていたカラスもそのうち顔を覚えたのか、最近ではお見送りに来てくれたりするそうだ。実に素敵な話である。
都会のカラス問題も、もしかしたらこうして話し合いで平和に解決できるかもしれない。
だったら同じ人間同士、できないわけないじゃないかとしみじみ考えてしまうのだ。