
Good Night Music #79
おやすみ前の夜の音楽を、ネタが尽きるまで紹介する企画です。週3回、月・水・金曜日更新。
今回はこちら。
Sweet William「Jasmine Instrumentals」です。
Sweet Williamは、愛知県出身の、気鋭のビートメイカー、プロデューサーです。
今回ご紹介する「Jasmine Instrumentals」は2019年3月6日に発表されたアルバム。
2016年に沖縄出身のラッパー・唾奇(つばき)とのダブルネームで発表したアルバム「Jasmine」の、インストゥルメンタル作品です。
Hip Hopのラップ部分を抜いた音源になります。
軽やかなピアノが印象的な、Jazzのにおいのする楽曲群。
静謐さ、洒脱さ、どこかユーモアを感じさせるニュアンス、くつろぎなどを感じさせる音世界です。
唾奇×Sweet William「Jasmine」と聴き比べるのも面白いかもしれません。
唾奇のラップがのったものと、インストゥルメンタルだけのものを聴き比べると、インストゥルメンタルだけで構成されているバージョンの役割が浮き彫りになるのが興味深い。
唾奇のラップには、人が人として生きるうえでの闇を見据えていて、その闇と闇の向こうにある光のうつくしさもうたいあげるような、深く重たい感情の美を感じます。
その唾奇のラップを、Sweet Williamの軽やかで静謐なインストゥルメンタルが支えています。
インストゥルメンタルだけのバージョンを聴くと、人けのない早朝の渋谷駅前スクランブル交差点や、部屋の主が外出した後のいい感じのインテリアの部屋のような感じがしておもしろい。
いろんな感情を動かし、いろんな思考を働かせては、喜んだり怒ったり悲しんだり嘆いたりする生々しい人間を、やさしく包み込んでは抱きしめている何かのようです。
或いは、揺りかごのような。
なんというか、言語化するのが難しいのですが、センスすごいなと…(ボキャ貧)
音楽を言葉で説明することの難しさと面白さと、言葉にすればするほどそこから零れ落ちる大事な要素に気づかされるジレンマを、このマガジンをやっているとひしひし感じます。
それでも、言語化しようとするのをやめられないのですがね。
そんなわけで。
よろしかったら、夜のリラックスタイムのおともにどうぞ。
やすらぎに満ちた夜を。
おやすみなさい。
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