Good Night Music #92
おやすみ前の夜の音楽を、筆者の気が済むまで紹介する企画です。週3回、月・水・金曜日更新。
今回はこちら。
HASYMO「The City of Light - Ambient」です。
HASYMOは、細野晴臣、高橋幸宏、坂本龍一の3人による音楽ユニット。
1978年から1983年までYellow Magic Orchestra(YMO)として活動していた3人は、1993年の再生YMOの活動及び活動休止を経て、2004年にHuman Audio Sponge(HAS)として再集結し、その後2007年にHASYMO名義で活動を始めました。
YMOとHASとHASYMOとでは特に作風を分けていないそうで、ぶっちゃけHAS YMOは実質YMOと言っていいかもしれません(乱暴)。
活動休止と再集結の間にいろいろあったんだろうなあ、というのが名義の変遷の向こうから滲み出ている気もしますが、真実は本人たちのみぞ知る。
リスナーとしては、彼らの創造の美しい果実をただ享受するのみです。
ありがたやありがたや。
今回ご紹介する「The City of Light - Ambient」は、2008年にHASYMO名義で発表されたEP「The City of Light / Tokyo Town Pages」に収録されている楽曲。
「The City of Light」のアンビエントバージョンです。
柔らかな音色の中に微かに混じるノイズすら美しい。
夜の闇にともる建物の窓あかり、流星群のように流れる車のライト、それらに滲む人びとの生活の息吹を感じさせるような音楽。
人間や、人間の作り出すものもまた宇宙の生態系の一部であることを思い出させます。
清らかなものも醜いものも、自然も不自然も。すべてをやさしく包み込むような、あたたかな音楽です。
YMOと名乗ることすら心理的抵抗があったのではないかと感じられる時期もあったのですが、HASとして一緒に活動しているうちに「もうどうでもいいや」とだんだん緩んでHASにYMOをくっつけた感じがしていて(憶測に過ぎませんが)。
ちょっと緩んで柔らかくなったこの時期の3人の音世界が、個人的にとても好きです。
勿論、20世紀の黄金期YMOも大好きですが。
そんなわけで。
よろしかったら、夜のリラックスタイムのおともにどうぞ。
やすらぎに満ちた夜を。
おやすみなさい。