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2025ハンドメイドバイシクル展

毎年1月下旬の恒例行事がこれ。ここ数年は行けたり行けなかったりが続いていたが、今年は勝田の前の日の予定が空いてたので行くことができた。

ただ、悩ましかったのが試合の前日に課している5キロ調整ラン。本当は朝起きてやりたかったのだが、寝坊。まぁどうしても走らないといけないわけでもないから、どうせ練習不足だし、今回はもう良いか?と思ったのだが。

そう言えば会場の科学技術館(北の丸公園)は、皇居の竹橋至近だよな?あれっ、じゃあ皇居一周すれば良くね?(皇居一周は、わかりやすい5キロ)

ネットから拝借

と言うわけで、バイク装束のまま走ることにして、 ランシューだけ持っていそいそと出かけた。

246をガシガシと・・・もとい、翌日マラソンなのでポタリングで。片道25キロ。まあまあ寒いけど、天気も良いのでイイカンジに走れた。外は外でやっぱりいいものだ。

到着。奥に見えるのが科学技術館

駐輪場はすでに集まったマニアたちのバイクがわんさか。いつもそうだけど、走り屋はあんまりいなくて、ツーリング系もしくは盆栽系(笑)の人たちがメイン。なんなら展示会に出展されてる車両よりスゴイのがこの駐輪場に並んでいたりする。

コルナゴを片隅に置かせてもらって、まずはランシュー履いて皇居ジョグへ。調整なので無理はせずキロ5分半ぐらいで淡々と。まぁ、悪くない。天気が良いので厚着してる冬用バイクウェアだと後半ちょっと暑いくらいだった。

皇居周回は景色が変化に富んでおり、適度なアップダウンもあって宜しい

では、会場に参りましょう。このイベントは競輪の協賛により、いつも「無料」で観覧できる。太っ腹!

会場マップ。当初に比べ、数年前から規模拡大

入ってまず目に飛び込んできたのが、もうすっかり常連になった「エクイリブリウム」のチタンバイクだった。

はは870gだと・・・!?

チタンフレームで1キロ切るどころか、900gも切っている。私のコルナゴC50より多分軽いし、下手したらキャノンデールのスーパー6エボより軽いんじゃないか?

写真を見るとわかるが、ヘッドとかエンドとかをチタン3Dプリントで積層し、パイプと組み合わせて作成されている。

しかし軽さだけではなくて、そのディテールの造形を徹底的に磨き込んでいることに舌を巻いた。

エクイリブリウムのビルダー、ウラジミールス氏は以前から造形に懲りまくった車両を出店し続けており、その技術の確かさとフレーム制作に掛ける思いの強さは国内老舗のビルダーに勝るとも劣らないものだ。

特に今回はこの飛び道具的な軽量フレーム(E1 Factory Lightweight)だけでなく、通常グレードのE1やElysionも展示されていたのだが、各部の仕上げの美しさに見惚れてしまった。

写真では伝わりにくいけど、めちゃくちゃ美しい・・・

前々から「終の自転車」はチタンにしたいな、と思い続けている(いつ実現するのかわからない)が、これは良いな、と思った。ただ、お値段もなかなかである(通常グレードのE1でフレームセット107万円・・・)。

さて、このエクイリブリウムのフレームが衝撃的すぎて、他のブランドが霞んでしまった(あの、ケルビムでさえも!)のだが、一応ぐるりと見て回った。

あとは気になったブランド・車両を順不同に並べてみる。

いつもの佐野マジックさんのマホガニーロード。でも、毎年同じのような・・・
ケルビムのピスト。これぞクラシック
おなじくケルビム。このモワッとした塗装、どうやるの?
ケルビム60周年記念車。限定の割にはお買い得?
この辺の仕上げの美しさはさすがと言う他ない
バイクハイクさんとこにあった謎のモノホイール。これで走れるの?
同じくバイクハイクさんとこの超軽量クロモリタンデム。これで13キロ(!)
さらにバイクハイクさんのトラ車。面白い。ママチャリ改造して作れそう(爆)

そしてしばらく見回っていると「オオッ?!」と目を引くフレームが現れた。

た、竹・・・??!!

なんと、メイン三角のパイプを竹で形成したフレームだった。「おお〜」と思って見ていると、ビルダーと思しき人がカットサンプルを持ってきて「こうなってるんですよ」と説明してくれた。

竹フレームのカットサンプル

「ああ、ムクなんですね」「はい、真ん中はバルサです」「あっバルサ!」ということで接着剤(エポキシらしい)のこととかいろいろ聞いて「うむ、面白いけど、重そうだな〜」などと思いながら、ふと隣を見るともっとびっくりするものが置いてあった。

手製のカーボンフレーム!!

「えっこれ・・・作ったんですか?」「はい、3年掛かりました」「さ、さんねん・・・!!」

3年というのは試行錯誤期間を含めて、とのことだったが、その方はさまざまな困難にもめげず、創意工夫を凝らしてカーボンパイプ(市販)をカーボンラグのモールドで繋ぎ、ついにフレームとしてカタチにすることろまでこぎつけた、とのことだった。

驚いたことに、エンドはスルーアクスル仕様なだけでなく、UDHを採用している!「自作フレームでUDHを使ってるのは私が初めてじゃないですかね」違いない・・・

※UDHとは、スラムが提唱しているUniversal Derailleur Hangerというエンドの新規格。対応ディレイラー(クソ高い)であれば、ドロップアウトなしでスルーアクスルの軸部分から直接ディレイラーをぶら下げられる方式だが、アダプターで従来のディレイラーも取り付け可能。

BB部分は金属製のを圧入してあるとのこと

これには、恐れ入った・・・私が「そのうちにやってみたいな〜、でも難しいだろうな〜」と思っていることをすでに実現している人がいたのだ。やればできる!勇気をもらった。

いろいろまだ課題はあるが、これから組み上げていくということで、今後が非常に楽しみだ。ちなみにその過程はNoteに公開されている。

今回のハンドメイドバイシクル展は、冒頭のエクイリブリウムとこの自作カーボンフレームが二大トピックとして非常に印象に残り(ちょっと無理したけど)行ってよかったと思うことができた。

その他・・・

超老舗、カーボンの魔術師アマンダさんのモノコック(!)
サイクルデザイン専門学校の生徒さんの作品
クロモリの老舗、ラバネロのエキップ。シャープでかっこいい
クロモリ+ディスクのエンドは最近こんな感じなのね
庶民の味方、東京サンエスさんのカタログ。見て楽し

少々夕暮れ近くになったが、足ほぐしの50キロほどのライドを終えて帰宅。勝田マラソンの前日の過ごし方としてはなかなか有意義だった。

楽しかったです(小学生)

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