祖父母に代わって国の新型コロナワクチン大規模接種大阪会場の予約をした話

インターネットバトルの日々を生きるみなさん、いかがお過ごしでしょうか。わたしは昨日(2021年5月17日)70代と80代の祖父母(大阪市内在住)のために、大阪に開設される予定の新型コロナワクチン大規模接種会場の予約をしてきました。午後1時から予約開始だというので、そのために半休を取って祖父母宅に行って来た次第です。

ちなみに大阪市の新型コロナワクチン接種は、接種券が既に発送されたもののワクチン接種の予約ができるようになったのは昨日からで、しかも85歳以上の高齢者限定です。

つまり、大阪市在住の65歳から84歳までの高齢者は、5月17日現在ではワクチン接種券は手元にあるが予約ができない状況に置かれており、その数およそ60万人。対して国の大規模接種会場は1日5000人×7日間で3万5000人分の枠となっています。なかなか厳しい戦いですね。

なお、祖父母宅にはワクチン接種の予約手順のフローチャートのビラが置かれており、大阪市は丁寧だなあと思ったのですが、デカデカと大阪維新の会制作と書かれており、なるほど、この一点だけ見ても大阪ではどうして維新の会の支持が根強いのかがよくわかるのではないでしょうか。

でも、こういうものは大阪維新の会が出すんじゃなくて大阪市がちゃんと行政として出すべきものだと思います。どうなってるの?

祖父母のワクチン予約

話を戻しまして、実際にわたしは午後1時になる直前に予約サイトにアクセスし、午後1時になってからは予約待機画面でずっと待たされ、予約に進むというボタンが出たのでクリックしたらまた予約待機画面になるを繰り返して、午後1時15分頃にようやく予約ページにたどり着きました。この程度待たされること自体は、アクセスが集中していることからやむを得ないことだと思います。

さて、予約ページに行きますと、接種券の番号を入力する欄と生年月日を選択する欄のみがあって、そこから手元にある接種券の番号を入力し、更に生年月日をプルダウンで選択入力すれば予約日をカレンダーから選択するページに移動します。

なお、東京会場の予約システムでは、更に市区町村コードを入力する必要があったようですが、大阪の場合、そもそも現在は大阪市民限定であることと、予約ページに遷移する前のページで大阪市と固定表示されているボタンがあったので、たぶん、大阪市民以外が予約できるようになった時にはこの予約ページの前のページで居住市町村を選ぶようになっているものだと思われます。

予約日を選んだ後は、30分ごとに区切られた時間帯を選ぶページになり、空いている時間帯をクリックすると予約が完了した旨の表示が出て、無事に予約ができたわけです。

祖父母二人分の予約をするため、更にもう一度同じ操作をおこないましたが、このときはほぼ待たされることなく予約が完了しました。

というわけで、無事に祖父母二人分のワクチンの予約をすることに成功し、頼れる孫としての地位を確立することにも合わせて成功したわけです。

その後、祖父母の予診票の記入を手伝い、持ち物の注意や会場への行き方の確認などをして、わたしの任務は無事完了しました。

祖父の分の予約ができていない…?

予約サイトをもう一度閲覧してみますと、予約枠がもういっぱいになった旨と、接種券の番号と生年月日を入力すれば予約日の確認とキャンセルができる旨が記載されておりました。

念のために祖母の接種番号と生年月日を入力したところ、予約日時が表示されたので祖母の分はこれで安心となったわけですが、問題は祖父の方で、祖父の接種券の番号と生年月日を入力したところ、予約日を指定するページに移動しました。

といっても、予約枠はもういっぱいなのでカレンダーは全部×印になっています。おかしいと思って、もう一度祖父の接種券の番号と生年月日を入力するとやはり予約日を指定するページに移動します。

接種券の番号か生年月日を入れ間違えたのだろうと思い、再度確認しながら入力しても同じでした。どうやら祖父の分はちゃんと予約ができていないようです。

ただ、予約完了画面になったのは事実なので、つまり、接種券の番号か生年月日を誤って入力して予約した可能性が高い。うーん、これは困った。

自分がどう入力を間違ったのかはまったくわかりませんし、予約確認番号等の表示もないし、予約確認のメールがあるわけでもない。このシステムでは入力をミスして予約をした場合のリカバリー手段が何も無いわけです。

試しに接種券の番号の連続している数字を1つ多くした番号にしてみたり、生年月日がズレていたのかと1年や1日ずらした数字を入れてみたりしましたが、同じように予約日を指定するページに移動しました。予約したときに入力したとおりに入力しないと予約の確認もキャンセルも何もできないワケです。

まあ、それは当たり前なのですが、今回のように入力ミスした場合はどうしようもなくなります。

これ以上はどうしようもないので、祖父の分については次週の予約開始日に再度予約を行うこととし、予約に必要な接種券の番号と生年月日の書類の写真を撮って帰りました。

シンプル1500みたいな予約システム(予想)

接種券の番号がランダムでも予約できるという話はまさしくその通りですね。わたしが番号入力を間違ったと思い、自分が入力を間違いやすいであろう番号で何回か試してみたところ、予約日を指定するページに移動したので、接種券の番号が正しいものかどうかをチェックする機能はないものと思われます。

じゃあ、その機能を入れておけばいいのではと思うのですが、そもそもこの接種券の番号、厚生労働省からは「10桁の数字・固定値・前ゼロ詰め・市町村において一意となる管理番号とすること」という指定しかありません。つまり市町村ごとに番号の生成方法はバラバラです。そのため違う市町村に行くと同じ番号が接種券に書いてある可能性があります。また、チェックディジットの指定もないため、番号単体で入力された番号が正しい番号かどうかを確かめる方法がありません。接種券の番号が正しいものかを確認するためには、それぞれの市町村で発行した接種券の番号をデータベース化してそれと照合するしか方法がない。

この接種券の番号にチェックディジットの指定があれば、少なくとも単純な入力ミスやランダムな番号で予約できるといった事態は防げたのではないかと思いますが、今さら後の祭りです。

じゃあ、市町村で発行した接種券番号をデータベース化して、その照合機能をつければ良いのではないかという話になりますが、データベースとの照合機能を入れるとその情報が漏洩する可能性が生じます。そこの堅牢性を確保するより、やらない方がマシという結論になったんじゃないでしょうか。わたしもそう思います。

だって、今のままのシステムなら何も個人情報のデータを保有していないわけです。今のシステムは正しいのかわからない接種券の番号と、正しいのかわからない生年月日のデータと予約日時のデータしか有してないので、仮に漏洩事故が起こったとしても、だからなんなのかみたいな話になります。

これならアクセスが集中しても、そもそもシステムで処理してる事項が全然ないので軽くて早いシステムになります。実際にわたしが予約している間も待機画面にはなりますが、サーバーがダウンしたりはしませんでしたし。

予約受付番号とかの機能はあった方が良いよねって話

ただ、入力をミスしたと思われる場合に、本当に予約できたか確認する方法がないのはやはり困ります。こうなると、とりあえず会場に行って「ちゃんと予約したんだ!」とゴネるか、その予約はもう無視して、改めて予約を取り直すかのどちらかしか方法がなくなるので。

せめて、予約受付番号があれば「この番号で受け付けてもらったんだ!」と言えるので、接種会場でゴネる必要も新たに予約を取り直す必要も無くなります。

予約受付メールができないのはなんとなくわかりますよ。メールアドレスを取得してしまうと個人情報になってしまうので、管理が大変になるでしょうから。

あと、マイナンバーで管理しようって話は論外で、そうなるとメチャクチャ強固な堅牢性を持ったシステムを構築する必要が生じます。マイナンバーが漏洩するとシャレになりません。そんなシステムを構築する余裕はないと思います。

そもそも接種券の番号自体、市町村段階で判別できればいいってレベルの指定しかなく、しかも今回限りの使い捨てを前提としたような仕様なので、現状これ以上どうしようもないんじゃないでしょうか。

むしろこんなクソみたいな条件下で予約システムを構築した会社はえらいと思います。でも、さすがに予約確認番号は作ってくれ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?