夜行バスから綴る
お別れをして約半年経った
「恋人」ではない自分としては初めて彼の家に泊まった
彼に会うためではなく大阪に用があって京都に住んでいる彼の家に泊まらせてもらった
夜行バスで仙台から京都駅へ
そこから最寄り駅、一緒に食べる朝ごはんを買うためのパン屋さん、彼の家
と、もう何も見なくてもたどり着けるようになっていた 私本当に方向音痴なのにな
彼の家
付き合っていた時にプレゼントしたものが居場所が引っ越されることもなく配置されていた
彼にチョイスしたメロンパンとクリームパン
やっぱり好きなままだった
今回一緒に出かけた先での私たちの視界の中から彼は私の「好き」を間違うことなくピックアップしてくれた
何故この文章を綴っているか
それは私たちの本質がなんにも変わっていないことが嬉しかったから
その気持ちを遺しておきたかったから
お別れをしてから恋愛が親愛に変わって 私に好きな人ができても それを知っても
私にとってただただ大切な彼がそこに居て私を迎え入れてくれて
「恋人」ではなくなって「親友」になっても、こうして仲良しでいてくれているのが有難くて泣きそうになった
人間関係なんて周りに迷惑をかけていなければ当事者がしたいようにすればそれが正解なのだと私は思う
でもそれが私たちのように男女だとしたら世の大多数の意見が人間の総意になりがちで、そんなことを、周りの目を、気にしがちで縮こまったりしてしまう
私たちは私たちのために変化を選択して今に至るけれど、変わる必要のない、変わって欲しくないことがちゃんと自分たちの意思で今ここに堂々と在り続けていること 誇りだ
「男女の友情は成立するのか」
大きな花を咲かせる種になりがちなこのお題の答えを私たちだったらどう掲げるだろう
そんなことを考えながら私は今夜行バスに乗っている
まず成立はするだろうな、現に今しているし
あとそもそも性別でお互いを見ていないしな、人間として好きだし
明日私は好きな人に告白をする
付き合うことになれば第三者が関わることになるからこうして彼の家に泊まるなんてことはしない
(彼に彼女ができても同様だけれども)
世間一般的にはこうだから、という理由で私たちの関係をそちらに均すようなことはしたくない 私たちらしいやり方を突き通したい そこに誰かの理解はいらない
これらを深く感じられる日になったからきっと私は今嬉しくて涙を流して鼻水啜りながら文字を並べているのだろう
もうすぐ消灯時間が来る おやすみなさい
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