【中編】ギターアンサンブル編曲講座【実質的な「編曲」】
このnoteでは前編に引き続き「誰でもできるギターアンサンブル編曲」ということで、「実際に編曲する流れ」を講座的に書いていきたいと思います。
↓今回の対象範囲はこんな感じです。
ある意味、「編曲」を行うのはこのフェーズのみと言っても良いかもしれません。
イメージとして、この中編では各パートの音をガチャガチャ入れ替えて「こうかな、どうかな」と試行錯誤を繰り返すような感じで「編曲」を進めていきます。
では本題に入っていきます。
1. 他パートの音符入力
前編でメロディの入力が終わり、アンサンブル譜としての「頭からお尻の骨組」は定まりました。
引き続き、編曲素材となる音符入力の完遂を目指し、他のパートの音も入れていきます。
ちなみに今回は三重奏構成なので、人手にそれほど余裕がありません。
エレキギターやキーボードなどの助奏的フレーズも取り込むことも考えると、伴奏パートは和音とベース音を一人で賄う場面が多くなりそうです。
そうした点にも配慮しながら、「他パートの音符入力」を進めていきます。
↓まずはイントロから。
とりあえず、一旦以下のように仮で音を割り振っていきます。
・1st→メロディ※入力済
・2nd→助奏的フレーズ(弦楽器的な音やエレキギターの補助的なフレーズ)
・3rd→伴奏的フレーズ(和音・ベース音など)
慣れるまでは(否、多少慣れても)面倒に感じる作業かと思いますが、最初のサビまで終了後はけっこう楽になります。
そう、コピペができるからですね。
想像以上の時間短縮が可能になりますので、まずは「最初のサビまでが山」だと思って入力していきましょう。
1-1.取り込むべき楽器(音符)の判断基準
バンド譜を基にした場合、当然ですが楽器、もといパートがたくさんあります。
その際「どの楽器の音を取り入れるべきか」といった判断基準について書いていきたいと思います。
「メロディに相当するのはボーカル」ということはもちろんですが、バンド構成において、「楽器パート」はだいたい以下であることが多いです。
・キーボード
・エレキギター(×2本のことが多い)
・アコースティックギター
・ベース
・ドラム
「こんなにたくさんあるのを、どうやって数パートに落とし込むんじゃい」
って話なのですが、落ち着いて見てみると各楽器の音の重要度がわかってきます。
・キーボード
「和音の構成音を重ねているだけ」のケースが多い。
→他の和音パートでその音がカバーできている場合はカットして良い。
助奏的な音を担当している場面では、可能であれば取り込む。
・エレキギター
「パワーコードなどのコード弾き」をしている場合が多い。
→他の和音パートでその音がカバーできている場合はカットして良い。
ソロの場面や、その場面を大きく印象付ける特徴的な助奏・伴奏をしている場合は取り込む。
・アコースティックギター
「ひたすらコード弾き」をしている場合が多い。
→このパートで和音の構成音を把握し、リズムのパターンを参考にするとわかりやすい
※カポタスト装着指示がある場合、楽譜上のコードと実音にズレが生じるので、実音を取り込むよう注意する
・ドラム
そもそも打楽器なので基本的に考慮しないで良いが、各場面でのリズムパターンや、フレーズの変わり目のフィルイン(後述)においてはドラムのリズムを踏襲すると良い。
…つらつらと書きましたが、総合的には「目立つ動きをしている音符を優先的に取り込む」と考えると良いです。
「目立つ動き」は楽譜上で判断するよりも、「原曲を聴いたときに印象的な音」という、感覚的な判断で問題ありません。
また、ギターアンサンブルでは全パート「クラシックギター」という同じ楽器を使いますので、「重複している音はカットしてよい」といった判断も重要です。
1-2.フィルインの考慮
これまで述べている通り、基にする楽譜に載っている音符を割り振っていけばよいわけなのですが、ポップス系の楽曲の場合、「ドラムのフィルイン」を考慮すると、より良い編曲になります。
※フィルインとは、楽曲の繋ぎ目の小節で用いられる演奏パターンの変化のことで、主にドラムが担当します。
「そろそろリズムパターンが変わりますよ-」と予告してくれる、気が利くやつです。
ドラムのフィルインが入る箇所、例としてAメロ→Bメロの継ぎ目やBメロ→サビの継ぎ目で伴奏パートに変化をつけてあげると、アンサンブルが締まるからです。
いくつか、フィルインの実例を挙げます。
↓後半2拍を8分刻みに
↓後半2拍を3連×2に
これらは本来ドラムが担当しますが、ギターアンサンブル編曲で取り込む際はこのように伴奏の(またはコード弾きの)パートに任せると良いです。
1-3.全パートの入力完了
とりあえず必要そうな音をガーッと入力していきました。
楽譜作成ソフトで入力した方は、ここで一度頭から通してプレイバック(再生)してみると良いです。
後のフェーズで「楽しいアンサンブル」を目的としてパート間で音をこちょこちょ入れ替えるわけですが、音の機能的にはこの段階で一旦の「完成」になるためです。
※ここで違和感が拭えない場合、次フェーズで音を入れ替えていったとしても良くなりづらいので、その箇所の音を見直してあげた方がよいです。
大丈夫そうであれば、次のフェーズに進んでいきます。
2.パート間の音入れ替え=編曲
…なんか締まらないタイトルですが、ここが実質的な「編曲」と言っても過言でないくらい大事なフェーズです。
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