地味な男性と派手な女性の距離感
以前、梅田のヒルトンプラザウエストにある「グランカフェ」にアフタヌーンティーをしに行った時のこと。
そのカフェは6階にあり、天井高は7mほど、まわりはガラス張り。
きれいになったJR大阪駅が見えたりと景色もよく、昼は開放的な雰囲気、夜はおしゃれでムードもあり、というお店なのですが、
その雰囲気の良さもあってか、お昼はマダムのみなさまのお茶や、恋人たちのデートなどでよく使われているようでした。
その時も、まわりを見渡すと、どうやらデートをしている人たち、
それも、出会い系アプリやお見合いなどで初めて対面したような雰囲気の方たちがちらほらいました。
(あの、「実際に会うのははじめまして」の独特な手探り感あふれる雰囲気わかりますでしょうか)
店内は満席で、外の椅子にも待っている方たちが数組いるような時間帯。
4組ぐらいがそんな感じのちょっとした緊張感とぎこちなさ、ワクワク感があるような雰囲気を出していたのですが、中央の丸テーブルを囲む1組の男女がとくに目を引きました。
男性は30代後半から40代前半ぐらい。
色付きのシャツに落ち着いたニットを合わせ、ズボンは短めなので靴下が見え、背筋はピシッとしています。
まさに、背中に「真面目」と書いてあるような方。
かたや、女性は20代後半から30代前半ぐらい。
茶髪でクルクルな髪型、派手めな服装と、一見すると、夜のお仕事をされている方なのかな? というような方でした。
2人。
丸テーブルを囲み、とんでもなく距離が空いています。
「男性 ○ 女性」
みたいな感じ。
「心の距離は実際の距離に出るな……」
と目の前に大量に並べられた小ぶりなケーキの数々をばくばく食べながら観察していたのですが、
他にもいた数組のはじめましてな感じのペアを横目で観察しつつ、お茶をし、少し時間がたったところで、そのお二人のところに視線を戻すと先ほどとは変化が。
男性が前進していました。
「男性○ 女性」
のような感じ。
いつの間にか、肘がテーブルの上に乗るまでに……!
さっきまで、手を礼儀正しく膝の上に置き、Amazonの大きな段ボール箱一箱分ほどテーブルと離れていたのに……。
めっちゃ距離詰めてる……!!
と思わず二度見してしまいましたが、
残念ながら、女性の椅子とテーブルの距離は、Amazonの大きな段ボール箱ぐらい離れたままでした。。。
そんなお二人に2回目があったのかどうか気になるところですが、遠くから観察しているからわかることって多いです。
保護者さまから、
「ダメです。子どもの勉強を見ているとイライラしてしまいます……」
とご相談されることがありますが、基本的に、親が子どもの勉強を見るのは難しいです。
それは家族だから主観的に見てしまうということもありますが、
心理的にも、自分のことを認められていなかったり、自分の中がクリアになっていないと、悪いところが目につきやすかったり、曇ったメガネで見るようなもので、子どものことをフラットに、等身大にはなかなか見えません。
自分の顔のことを気にしている人や顔に対しての意識が強い人が、誰かのこと間近で見ると、
「近くで見ると毛穴開いてるな」
と気づくみたいに、近くだから目につくことってあります。
悪いところというのは目につきやすく、逆に良いところは見えにくくなるものです。
通ってくれている保護者さまの中には、有名な進学塾で先生をされている方や勉強がすごく得意な方もいらっしゃったり、
友人でも、カウンセラーや心理のプロがいたりしますが、その方たちも、自分の子どもの勉強は見ないようにしている。見れない、とおっしゃっていました。
よその子どもだったら冷静に見られたり、ていねいに粘り強く教えられるかもしれませんが、自分の子どもだとそれが厳しいというのをわかっているのですね。
子どもの良いところがあまり見れていないなというとき、
子どもにきびしくなってしまってるなというとき。
そんな時は、カフェで気になるペアを観察するように、少し物理的に、時間的に距離を空けてみたり、おいしいものでも食べて、ゆっくりすることが必要なのかもしれませんね。
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