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FORECASTERの俺は、HEROをサポートして魔王を倒す未来を予知する

「この上級ダンジョンは私たちが攻略するから、坊やはママの元にお帰り」

 クスクス笑う乙女たちは最強ギルド『バルキリー』所属の精鋭戦士たちだ。

 彼女たちを前に冷汗をかいている俺の能力は『FORECASTER』——未来を予知する力だが、見えるのはわずか5秒先まで。他に使える魔法は『そよ風』のみ。お察しの通り激弱転生者だ。

(絶体絶命な状況だな……)

 だが、俺の隣にはチート能力『HERO』を持つシンがいる。俺は余裕を装った。

「俺たちがHERO&FORECASTERだと知ってるか?」

 すると、乙女たちの表情が一瞬で険しくなる。

「まさか……噂の二人組?」
「魔王討伐コンペの競争相手?」
「うちの魔術師たちが泣かされたって……」

 動揺が広がる。俺はその隙を見逃さない。

(予知発動!)

 5秒後の乙女たちの動きが脳裏に浮かぶ。その位置で発動するように『そよ風』を詠唱した。

「きゃっ!」

 乙女たちのスカートがふわりと舞い上がり、淡いピンクがちらりと見えた。彼女たちは顔を赤らめて後退する。

 俺はにやっと笑う。ラッキースケベが嬉しいわけではない。これはシンを覚醒させるための策略だ。彼のチート能力は、HでEROな経験を爆発的な攻撃力に変換するのだ。

「シン、今だ!」

 シンはうなずき、そのエネルギーを解放する——はずだった。しかし、その瞬間、乙女たちの背後に鋭い目つきの女性が現れた。

「ようやく尻尾を出したわね。よくも私の部下たちを……あなたたち、覚悟なさい」

 その存在感は異世界の住人とは思えない風格だ。俺はその姿を見てすぐに悟った。彼女が元女刑事で、あの『QUEEN』の称号を持つ最強の転生者だと。

(……これは厄介な相手だ)

 彼女から圧倒的なオーラを感じる。大ピンチだ。
 しかし、これだけの強敵であればシンに強大な力を与えてくれるかもしれない。俺はいかに彼女を出し抜くかを考えながら、彼女の胸元に目を移した。

【続く】

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