5月12日(日)日記

兵庫にある牧場の動物ふれあい体験に参加してきた。
日曜日ということで人も多かった。
動物とふれあうことによって自分の感性を育もうとする者ばかり。

あまりにお客さんが多かったので、ふれあえる動物は抽選ということになった。
抽選箱の前に大人たちが列をなす。

抽選の結果に一喜一憂しながら大人たちがふれあいスペースに案内されていく。
僕の番までもうすぐだ。
僕の前に並んでいる40歳くらいのおじさんが抽選箱から紙を引く。
おじさんはおそらく右利きであろうに左手で紙を引いていた。右利きだとは言ってなかったが、右利きとしか思えない顔だった。

するとおじさんが「ウシュ」と小さくガッツポーズをした。ちらりと見えた「アルパカ」の文字。
これは大当たりだ。お見事おじさん。
おじさんはるんるんで大きめのふれあいスペースに案内されていった。

僕の番がやってきた。
僕も左手で引こうとも思ったが、少し恥ずかしくて出来なかった。
自分を信じ、抽選箱から紙を引く。

頼む。いい動物きてくれ。

いや、動物にいいも悪いもない。
ふれあえたら満足。
すいません。
お願いします。
きてくれ。

引いた紙を開く。

「スズメ」

うわ~スズメか~、と言いたい気持ちをぐっと押さえ
「やったぁ」と言った。

本当はもう少し毛のある感じのやつが良かったけど、スズメにももちろん良いところがある。
スズメとふれあえる機会なんて貴重だ。
僕の次に並んでいた人が引いた「コイ」に比べれば何倍もマシ。もちろんコイが悪いとかではない。

お姉さんに案内され、ふれあいスペースに向かう。

テンションが上がってしまい「お姉さんとはふれあえないんですか?」と聞くと
お姉さんは無表情で謎のスプレーみたいなものを腕にかけてきた。
無色無臭の謎のスプレー。何なのかは聞いても全然教えてくれない。
痛みがあるわけでもないが本当に怖い。
二度とふざけるのはやめようと思った。

ふれあいスペースに到着。
スズメが4羽ほどいる小さい小屋だ。
スズメのエサを800円で購入し、小屋の中に入る。

手のひらにエサをのせて、立っていると
スズメが手のひらにちょんと乗ってくれた。
この瞬間、本当に来てよかったなと思った。

スズメがエサをついばむ。
ただ、ついばむ時に若干僕の手のひらの肉もついばまれる。
これが地味に痛い。我慢できないというレベルではないが、痛いは痛い。
あれ?ちょっと血出たかな?と思うくらいの痛さ。

2羽目も乗ってきた。
手肉がついばまれるスピードも倍になる。
結構痛くなってきたので
手のひらをぶるぶると震わせるが、スズメは逃げない。
仕方ないのでエサを全て食べ終わるまで、待つ。

しばらくして、エサを食べ終えたスズメが手のひらから去った。
手のひらを見てみると、出血こそしてないが小さい内出血みたいな傷が結構できていた。
少しグロかった。

小屋を出て、お姉さんに
「結構痛いんですね~」と手のひらの傷を見せると
お姉さんは
靴を脱ぎ、靴下も脱ぎ
僕に足の甲を見せてきた。
足の甲には、僕の手のひらの傷と全く同じ内出血の傷があった。

なんでそこにエサを乗せてたんだろう。

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