10月4日(木)日記

舞台のリハが終わり本番まで空き時間があったので、街を散歩することに。
ただ普通に散歩をするのも退屈だったので、ワックスで髪をギャンギャンにおっ立ててサングラスをかけて散歩することにした。
普通に歩いているだけだったが、いつもより通行人の人たちが僕を避け気味に歩いている。やはり見た目というのは大事なんだなあと思った。
しばらく歩いていると突然柄シャツを着た小柄な男に腕を捕まれた。僕は一瞬でそいつに「小柄シャツ」というあだ名を付けたのも束の間、小柄シャツは「藤井さん、こっちです!」と言い僕を路地裏の方に連れていった。「いや僕藤井さんじゃないですよ」と言ったつもりが焦りすぎたのか「いっふすお」と言ってしまっていた。
路地裏に入ると、一人のぼろぼろになった男が座り込んでおりそれをとり囲むように3人の男が立っていた。僕は一瞬で座り込んでいた男に「おすわり侍」というあだ名を、囲んでいた3人の男に「ミルクティー」「レモンティー」「Mr.Pocket Wi-Fi」というあだ名を付けた。
すると小柄シャツが「藤井さん、こいつこれからどうしましょうか…藤井さんが決めてください」と言った。こいつとは恐らくおすわり侍の事だろう。そしておすわり侍が何か悪いことをしてしまったので、ミルクティーとレモンティーとMr.Pocket Wi-Fiがおすわり侍をぼこぼこにしたのだろう。だが、一見おすわり侍はあまり悪そうな奴に見えない。ミルクティーとレモンティーとMr.Pocket Wi-Fiと小柄シャツの方が悪そうな奴に見える。そして僕のことを完全に藤井さんだと思っている。
どうしようかと思っていると、後ろから髪をぎゃんぎゃんにおっ立ててサングラスをかけた男がやってきて「おうお前らこんなとこおったんかいな。あん?誰やこいつ」と言ってきた。僕は一瞬で「藤井さん」というあだ名をつけた。
ミルクティー達は二人目の藤井さんが現れた事に驚きパニックになっていた。Mr.Pocket Wi-Fiに至っては「panic」と言っていた。
藤井さんは僕に近付き僕の顔をじーっと見た後

「お前もしかして…俺か…?」

と言ってきた。僕もパニックになっていたので

「お前も…?」

と返してしまった。
とても変な間が路地裏を襲った。
するとおすわり侍が急に立ち上がり路地裏から逃げ出した。ミルクティーとレモンティーとMr.Pocket Wi-Fiと小柄シャツと藤井さんは「ま、待てー!」と言いながらおすわり侍を追いかけていった。
大丈夫かなあ、おすわり侍。

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