10月11日(木)日記

コンロの掃除をすることに。
2年ほど掃除をしていなかったので、黒いカスのようなものがたくさん付いている。黒カス君。
黒カス君が付きすぎているのでコンロの上に鍋が乗らない。ゴロンと転がって落ちてしまう。
スーパーに行き「黒カス君ハンター」という洗剤をかけてこすってみたが一向に落ちない。
再度スーパーに行き「黒カス君ハンターNEO」を購入し、こすってみたがあまり落ちない。
再々度スーパーに行き「黒カス君ハンターデラックスセット」を購入したが、これは黒カス君ハンターと黒カス君ハンターNEOと黒カス君キーホルダーが入ってるだけだった。レジの人がなんかニヤニヤしてる時に気付くべきだった。
こうなったらもう自分のパワーを信じひたすらこするしかない。「ゴシゴシゴシゴシゴシゴシ」というBGMをかけて自分を煽る。少しずつ、少しずつではあるが黒カス君が落ちていく。なんとかなりそう。
すると何者かが声をかけてきた。
「力がほしいか…」
僕は驚いて辺りを見渡したが誰もいない。
頭の中に直接話しかけているようだ。
僕は
「いらない…」と言った。すると何者かは
「なぜだ…」と言う。僕は
「そこまでじゃないからだ…」と言う。
「そうなのか…」
「もうなんとかなりそうだ…」
「それは良かった…」
「もっと別のタイミングで来てほしかった…」
「別のタイミング…?」
「もっとなんか力が必要な時…」
「というと…?」
「なんか、Mー1の決勝とか…」
「Mー1って力いる…?」
「あ、ほんまの物理的な力だけなの…?」
「いや、エネルギー的な力も与えるけど…
Mー1は自分の力で勝つからこそ良いものかと…」
「なんでお前にそんなこと言われなあかんの…
分かってるよ…」
「…すまん…」
「いや…すまん…」
「…」
「…」
「力が欲しいか…」
「いや、今はいらんって…」
「そうか…おつかれ…」
「おつかれ…」
なんとか自分の力だけで黒カス君を落とすことに成功した。もっとこまめに掃除をしよう。

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