4月15日(水)日記

MBSラジオでお仕事があったので

自転車で向かうことにした。

人も少なくスイスイいける。
風が気持ちいい。

家を出る前に地図を軽く見て
「この道をまっすぐいけばいいのか。簡単だ」
と思っていたのだが

大きい道路で真っ直ぐにいけないところがあった。
歩道橋はあるのだが自転車ではいけない。

仕方なく、結構な距離を回り込み
反対側の歩道へと行くことができたのだが
自分がどこにいるのか分からなくなった。

携帯電話は家を出て序盤の段差を乗り越える際に
ポケットから飛び出しそのまま排水溝に入ってしまったので、地図を見ることはできない。

遅刻しそうだったので、携帯はその排水溝に置いてきたままだった。
Bluetoothのイヤホンで音楽を聴いていたのだが
携帯を落とした後も、音楽はしばらく鳴っており
60mほど進んだあたりのところで
音楽がブンッと切れ、
とても寂しくなった。

なんとかMBSラジオへの目印がないかと、周りを見渡してみると

着物を着た小さな女の子がまりをつきながら
こちらを手招きしているのを見つけた。

正直吐き気がするくらい怖かったが
(小さいのは出てしまった)
遅刻しそうなので
女の子についていくことにした。

女の子はフワフワと浮くように歩きながら
知らない道をどんどん進んでいく。

大阪とは思えない街並み。
ここはどこなのだろうか。

女の子は時たま僕の方を振り返り
にこりと微笑む。

それに対し僕も微笑もうとするが
恐怖のあまり脂汗だらだらのひきつった笑顔しか返せない。脂まみれの針金といったところだろうか。

しばらくすると女の子の足が止まった。
女の子が前方の建物に手を向ける。

コーナンだった。

僕は
「ち、ちがう!コーナンじゃない!」
と言ったが

女の子は指先を口にあて、小首をかしげている。
よく見たら、女の子がついていたのはまりではなく
工事用のヘルメットを2つ重ねたやつだった。

そこからなんとかタクシーに乗り込み、なんとか収録には間に合った。タクシー代も女の子が細かいのだけだが出してくれた。

あの女の子はコーナンの精だったのだろうか。
それとも…

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