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忙しい人のためのHip Hop史ー西海岸編ーその①ー黎明期ー
Hip Hop誕生から数年後、舞台は1970年代半ばのロサンゼルス。
同市出身のカリスマDJ、ロジャー・クレイトンが、コンプトン出身で同じく実力派DJであったアロンゾ・ウィリアムズと手を組み、「ユニーク・ドリームズ(Unique Dreams)」という地元の実力派DJ達をプロモーションするPR会社を設立し、LAのパーティシーンを盛り上げ、若者達から熱狂的支持を得ました。
70年代も終盤に差し掛かると、クレイトンとウィリアムズはそれぞれ別の道を歩むこととなります。
クレイトンはUnique Dreams Entertainmentから改名するとともに、あのIce-TやDJ Poohも所属していた伝説的グループ、「Uncle Jamm's Army」を発足させ、地元のクラブで1000名以上の観客を埋めた会場でパフォーマンスするなど、過去の実績も相まってデビュー後すぐに大人気を博します。
ウィリアムズも、その後NWAの創設メンバーとなる当時駆け出しのDr.DreやDJ Yellaなども所属した、「World Class Wreckin' Cru」を発足させ、自ら所有してたクラブ、「Eve's After Dark」でデビューさせます。東海岸のブレイクビーツサウンドをよりハイテンポにし、Run DMCなどのラップスタイルからも影響を受けたアグレッシブな曲調は、総じて攻撃的なサウンドが特徴的な後のウェストコースト・ヒップホップの原点となります。
1980年前半から半ばに差し掛かると、有名地元ラジオ局 KDAY FMの猛プッシュも功を奏し、両グループは商業的成功も収め始めます。同時期に流行だったZapp & Rogersなどのエレクトロファンクサウンドの要素を取り入れることで、東海岸のそれとは一線を画したウェストコースト独自の音楽性を編み出していきます。これが後のG-Funkの基盤となっていくのです。
ウェストコーストのHip Hopというと、Gangsta-RapやG-Funk、Hyphy、 Ratchetなどをまず先に思い浮かべるかもしれません。実際は西海岸も、かなり早い段階からHip Hop文化の発展に多大な貢献をしているのがわかりますね。
参考文献:
Charnas, Dan (2010). The Big Payback: The History of the Business of Hip-Hop. New York Media