ピーター・バラカンさんと乾坤一、奇跡のセッション
10月9日にこの夏個展をやらせてもらった宮城県登米市にあるCAFE GATI(ガティ)で映画JAZZ LOFTの上映会とピーター・バラカンさんのトークショーが行われた。
【CAFE GATI】
豊かな田園風景を眺めながら食べるカレーと自家焙煎のコーヒーは格別の美味しさ。食や音楽・アートを通して、カルチャーを発信し続けるGATIは五感で味わって欲しいスペース。仙台から公共交通機関なら登米市総合支所行きのバスで1時間強、そこから徒歩10分ほど。テラスに出て田園風景を眺めていると一日居てしまう居心地が良いカフェ。
【JAZZ LOFT】
写真家ユージーン・スミスの住むロフトで繰り広げられた、 ジャズ・ミュージシャンたちの熱狂のセッション。膨大な録音テープと写真で振り返る映画。
奇跡の様な偶然
さて時はさかのぼり10月4日、所用があった先輩の車に同乗しGATIへ。帰り際オーナーのSくんとピーター・バラカンさんのイベントの話に。当日出す日本酒について(バラカンさんは日本酒ラバー)仙台の黒人音楽好きには有名な「いづみや酒店」のオーナーにSくんが銘柄を尋ねたところ「ピーターは乾坤一が好き」とアドバイスをうけたので乾坤一に決めたと聞かされる。ちなみに乾坤一は宮城県村田町にある大沼酒造の銘酒。
さらにピーターさんは日本経済新聞の「食の履歴書」で最後の晩餐は、イカ刺しと宮城県の日本酒「乾坤一」と語っていると聞かされ、先輩と自分は大興奮!なぜなら我々は大沼酒造の社長を知っているからなのです!先輩がスケジュールを確認し空いているなら当日ピーターさんと会わせようと言う話になりその日はお開き。
我々は奇跡の様な偶然に大興奮しながら帰路についたのです(帰り際にこの日二度目の奇跡の様な偶然があるのですが、その話はいずれ)
純米吟醸 鈴風
大沼酒造の限定商品で純米吟醸 鈴風と言うお酒があります。このラベルの絵を描いたのが墨絵師「小山康博」彼とは前に仕事をしていたショップでお互い切磋琢磨した仲。当時彼が描いていた墨と筆で描く英語は書道とは全く別のオリジナルで、そのTシャツは大人気でした。自分は彼の才能・絵を信じていたので震災前に作品を色々な人に見せて仕事につなげようとしたけれど、良い回答はもらえませんでした。しかし、唯一反応してくれたのが大沼酒造の社長。自分の言葉だけで作品も見ずに彼とコンタクトを取ってあれよあれよと言う間に鈴風のラベルを発注してくれたのでした(発売は震災以降少し経ってから)
サプライズ
映画が終わりピーターさんのトークショー中頃に司会をつとめたSくんがさりげなく乾坤一の話に持っていき、サプライズゲストとして大沼社長をピーターさんに紹介。マイクを渡された大沼社長の話を聞きながら、あの日先輩と自分がGATIに行かなければこの出会いもなかったかもしれないと「ご縁のつなぎ役の一人」として涙ぐむ自分。
打上げでは大沼社長が様々なお酒をひとつひとつ説明しながらピーターさんに注ぐ姿を見て感無量。いやー、奇跡の様な偶然でつながったご縁を間近で見ているだけでお腹いっぱい、胸いっぱい!本当に幸せな時間でした。
小山氏は登米市在住なのでイベントに来てくれて、鈴風の原画を大沼社長に進呈。東日本大震災以降の大きな地震で蔵は崩れ、原画に描かれた蔵(風景)はもう無くなったので貴重な絵だと喜んでいました。
楽しい夜は最後の最後までも楽しい?
JR東北本線で仙台に帰るために小山氏に乗せてもらい近くの駅へ。最終電車で途中乗り継ぎがあるので、遅れたら露頭に迷うぞーと笑っていたらマジで遅れが!JRに電話すると乗り継ぎ電車を遅らせるか遅らせないかは乗り継ぎ駅に行かなければ分からないと言われ「んなアホな!」乗り継ぎ駅に行って最終電車が出ていたらどないすんねん!
と言うわけで小山氏に電話をして結局仙台まで車で送ってもらうことに。オレは申し訳なくて何度も謝るも「水曜どうでしょう」的なハプニングに二人で笑い飛ばしながら仙台へ。当然二人の頭の中には「1/6の夢旅人2002」が流れていました。
往復2時間以上のドライブ(帰りは一人)をしてくれた小山氏に感謝!
終わり