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暗示にかかりやすい人の脆さ--映画『マクベス』

 マクベスが魔女の予言に暗示され、王を殺害。王になったものの罪の恐れから狂気に蝕まれていく様を描く(視聴したのは、ジャスティン・カーゼル監督の2015年の作品)。

魔女や妻にそそのかされ、覚悟もないのに臆病者が罪を犯して地に足がつかなくなり、予言の通り王位はすぐに剥奪される羽目になる。いわば、社会学の予言の自己成就self-fulfilling prophecy そのものになってしまう。
 
暗示にかかりやすいマクベスの脆弱な性格描写がなかなか見事だと思った。人は誰でも自己制御できるわけではない。フラフラとやってしまい、その隙を突かれて破たんすることもある。それを上手く描いていると思った。

 ちなみに、シェイクスピアの原作は1606年。映画の英語は原作に忠実だったようでやや難解だった。

しかし、それでもこのあたりから宗教改革と印刷技術によって近代の英語やドイツ語の原型がほぼ確立し、現代でもそれなりに理解可能なことに気づいた。またそのことによって“国民”文学が確立していく。

日本語は明治期に日本語が再編され、江戸の書き言葉と相当な断絶があり、慣れないと読むのに苦労するのとかなり違う。
 
また日本の場合、漱石などの国民文学の登場も明治の言語改革以降なのは重要な意味があると思う。

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