島ドラゴンの約束あとがき
本日、マンガ「島ドラゴンの約束」が完結しました。
シナリオ自体は2022年4月くらいには書き始めていたので個人的な感覚としては、2年にわたって作ってきた作品になります。
今作は全編フルカラー、総ページ数120超えのボリュームとなりました(それでも一般的な単行本一冊分に足りないくらい?)。
それゆえに中々筆が進まずに苦労することもありましたが、完成させることができて安心しています。
読んでくださったあなたはどんな感想を抱いたでしょうか?
悲しい気持ちから楽しい気持ち言葉にしきれない何かまで
あなたの心に残るものがあればとても嬉しいです。
このお話を考えた時、自分で人生を選んでいくことの大切さと厳しさ。
そして、友人を持つことの尊さについて考えていました。
人との出会いは、そこから築かれる関係性にはとても大きな力があります。出会いが生まれ持った運命を変えることだってあるかもしれない。
たとえどんな存在だったとしても、どんな間違いを犯していたとしても、きっといつからだってなりたい自分に気づけるし、なりたい自分を目指せる。
そんな風に本当に自分を大事にする行いは、きっと巡り巡って誰かを慈しむことに繋がるんじゃないか...そんな思いから生まれたのがヘルアであり、アリスでした。
ただ変えようがないもの、どうすることもできないものだって現実にはたくさんあります。
起きたことは変えられない。どんな良いものだって色褪せて、風化していくのは避けられないし、価値がわからないからといって本当は大事なものを粗雑に扱ってしまうこともある。
伝わっていくものと、途絶えてしまうものの両方があるでしょう。
でも、それでも、この世界は続いていく。
たくさんの出会いと関係性が積み重なって、今日という日が創られていく。
火を吐くことしか知らなかったドラゴンが、火起こしができない少女と出会って、焚き火の温かさを分かち合い、春の夢を共有したこと。
悲しみを背負って戦ってきた勇者がふたりの決断を見届けたこと。
そして、ふたりの約束が島に溢れ、花咲く春が当たり前になった時代。
悪態をつきながら歩いてきた少年が、ドラゴンの最期に立ち会えたこと。
それぞれにとても意味があり価値があるんだって、私は思います。
P.S. ラストシーンで登場した白い花は「ニリンソウ(二輪草)」をモデルにしてます。花言葉は「ずっと離れない」「友情」「協力」。
春に咲く小さくてかわいらしい花なので、よかったら実際に探しに行ってみてくださいね(資料撮影に付き合ってくれた友人に感謝)。
・島ドラゴンの約束まとめ
・過去作
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