2024 秋華賞
◎ステレンボッシュ
レース内容
新馬戦は小頭数レースであったが、その後のレースを見ても比較的メンバーレベルはぼちぼち揃っていた。1角でうちの馬が外に斜行してきたことに巻き込まれ、かなりの外まで飛ばされる大きな不利がありながら、ノーステッキで差し切り完勝。
2戦目のサフラン賞は、内有利馬場で4コーナーで大外ぶん回しの距離ロスがありながら、内を立ち回った馬にハナ差の2着。ゴール板を通過後に突き抜けており、まだ余力は残っていたようにも見える。
3戦目の赤松賞は、イン前有利の馬場を差し切り勝ち。勝ちタイムは1:33.8と同日の白秋Sより0.6秒早かったものの、ただ上がり1位の馬が3頭おり、4角を文句なしのポジションで回ってきたのに、右回りほど抜けた上がりを使えていない印象。直線向いて右手前で追われてから100m程で左手前に戻しており、本質的に右回り向きの可能性が残る。
4戦目の阪神JFではレースタイム12.4-10.7-11.3-12.0-11.8-11.3-11.4-11.7と歴代最速時計の1:32.6、ラスト4F46.2秒も最速で全体時計、ラップ共に高水準なレースをクビ差の2着。ただし、ゴール後に他馬を突き放しており、まだ余力は残っていた可能性がある。
5戦目の桜花賞はレースタイム12.4-10.8-11.2-11.8-11.8-11.4-11.2-11.5 と例年のような短距離質なスピードは求められなく純粋なトップスピードが求められるレース。アスコリピチェーノが4コーナーで外に膨れた瞬間に外に弾く、ファインプレーな騎乗によるものが大きく不利がなければ逆転されていた可能性が高い。ただし、そのアスコリピチェーノはNHKマイルカップでも相当な強いレースを見せており、その馬とまともにやりあえているのは強いの一言で、このレースでもゴール後にさらに突き放していることから、距離は伸びても全く問題ない。
6戦目のオークスはレースタイム12.4-10.8-11.5-11.5-11.5-12.1-12.8-12.9-13.4-12.2-11.5-11.4と前半1000mが57.7となっているが先頭が後続を離して先行したもので、後続は緩みのないペースで進み、直線でのギアチェンジ→持続力勝負。道中はチェルヴィニアに蓋をされ続け、自然と進出はできず、早めに追い出さざるを得ない形になった。内の馬群を割りつつ、伸びない内から外を通すために斜行するロスもあっての僅差の2着。1着馬チェルヴィニア、3着馬ライトバック、4着馬クイーンズウォークはいずれも終始スムーズな運びであり、ステレンボッシュが最も強い競馬をしていた。さらにこのレースではスタート直後に落鉄しているという不利まであった。実際にどの程度の不利を被ったかは予想できないが、マイナス要素であることは間違いない。また赤松賞の回顧でも記載したがこのレースでも最後の直線で右手前に変えたものの、約4秒程度ですぐに左手前に戻しており右回りの方がキレる説はかなり濃厚。落鉄の影響との見解もあるが個人的には単純に左手前が好きで右回りでパフォーマンスを大きく上げるタイプとみたい。
追い切り評価と馬体重
追い切りに関して1週間前に坂路調教を取り入れていること、CWの走破タイムが過去と比較して良くないこと、さらに調教師から「硬さが見られる」とのコメントにより追い切りの評価はかなり低い。この点に関しては対策として坂路調教を取り入れているので無策ということもない。坂路のタイムが終い失速についても不得意な右手前のみで走っているだけで気にする必要はなく、最終のCWでそこそこには仕上がった印象。過度に評価を下げる必要もない。そもそもこの馬は阪神JFの時もそんなに追い切りは良くなかった印象で、追い切り内容とレース内容はそこまで直結しないタイプだと思う。
馬体重に関しても、今までずっとマイナス体重できてたので放牧を経て体重を戻してきただけという見立てで良さそう。
他馬との力関係
そもそも世代戦というのは力関係はひっくり返らない。成績の良い馬はずっと上位にいるし、成績の悪い馬はずっと下位にいる。人間に例えても同じで学年ランキングで上位にいるのはいつも同じ顔ぶれ。得意教科の差で多少順位関係が前後する程度。イレギュラーがあるとすれば転校生が来ることで、昨年でいえば春クラシックにいなかったブレイディヴェーグやマスクトディーヴァがそれに当たる。今年で言えばチェレスタやオーロラエックスがそれっぽかったが通用せず。今回ステレンボッシュの得意科目で勝てる馬が1番のライバルだったアスコリピチェーノの不在で何頭いるのかって話です。ということでステレンボッシュと僅差で戦えた馬だけを考えれば良い。
チェルヴィニア
右回りでパフォーマンスdown。これは右手前と左手前の伸び方から明らか。
得意条件のオークスで完璧騎乗かつステレンボッシュに僅差。逆転不可。
クイーンズウォーク
得意と公言したオークスで完璧騎乗かつ負け。追い切りもイマイチで逆転不可。かなりの大飛びで内枠は△。オークスでは上手く外に出せたが、すぐ外にはルメールがいるので蓋をされる可能性大。
ランスオブクイーン
世代の最強クラスの馬は古馬G1でもやり合えないといけない。この馬は展開の有利不利はあれど、斤量も有利だった2勝クラスで辛勝では世代最強レベルとはやり合えない。
コガネノソラ
後方からジワジワ伸びていく持続力タイプ。抜けた脚は無く、勝ったレースは全てラスト2Fが23.0以上、負けたレースは23.0未満と速い上がりを使えないタイプで秋華賞とはマッチしない。典型的な上がりがかかる馬場や展開を好むタイプ。
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