音楽の贈り物【トランペット編】
トランペットの音の聞こえるほうに行くと、自分と同級生くらいの女の子が銀色に輝くトランペットを吹いていた。その子は私の知っているクラシックの曲を吹いていたので、親近感がわいてきた。一曲吹き終わると、女の子に心から拍手を送った。すると、女の子は『シェシェ』と笑顔で言った。えっ、中国人?と一瞬とまどったが、同じ地球人なんだからいいじゃんと『あはははは。』と笑って流した。笑いがおさまると、しーんと静かになったので、『このトランペット吹いていい?』と身振り手振りで聞くと、その女の子は大きくうなずいてトランペットを渡してくれた。持ち方を教えてもらって、さっそく持ってみると、思っていたより重くて楽器のつくりも複雑だった。それに、いざ吹こうとしても、なかなか音が出ない。それに口の辺りがヒリヒリしびれてきた。すると、それを見ていた女の子が身振り手振りで吹き方を教えてくれた。その通り吹いてみると、プーと音が出た。すごく、嬉しくて楽しくて、もっともっと吹きたくなった。