おかしな童話(おいもちゃん)
あきの、かぜがきもちいい日、りんごのおうりんくんと、みかんのうんしゅうちゃんが、さんぽをしていると、むこうに、おおきなものが、ごろんとねころがっていました。
「なんだろう? あれ。くじらかなぁ」「くじらは うみにいるんだよ」「じゃぁ、ぞうかなぁ」「そうかもねー、ぞうかもねー」「うわぁ、おやじギャグだぁ」
おうりんくんとうんしゅうちゃんが、のぞきこむと、なんとそれは、けたはずれに大きなおいもちゃんでした。こんな大きなおいもちゃんをみるのは、はじめてです。おうりんくんとうんしゅうちゃんは、おもわず、いいました。
おいもちゃんは、すねたように、ごろんとむこうをむくと、いいました。
おまけに、おいもちゃんは、むこうをむいたまま、「ブブブーっ」と、大きなおならをしたのです。おこった、おうりんくんと、うんしゅうちゃんが、おいもちゃんを、まるはだかにしました。
はだかになった、おいもちゃんは、ますますでっかくて、それはもうりっぱないもねえちゃんでした。おしりには、セルライトがでこぼこしています。
ところが、しばらくすがたが、みえなくなったとおもったら、なんと、おしゃれに変身していたでは、ありませんか。
あの、いもねえちゃんが、こんなにおしゃれになっちゃうなんて、だれが そうぞうしたことでしょう。
ところが、そのあとも、おいもちゃんは、どんどん変身していきました。なにしろ、おいもちゃんはとてつもなくおでぶちゃんだったので、いくらでも、変身できたのです。
おやまあ、マリー・アントワネットのまねをして、おおきなカツラのおひめさまに変身してしまったのです。わらいかたも、「おほほ、おほほ」と、おじょうひんです。
おひめさまの、お付きの人たちも、みんなまねして、おしゃれになりました。
おいもちゃんは、もともとはおでぶのいもねえちゃんだったのに、そんなことは、すっかりわすれて、パリピーになって「おほほ、おほほ」とまいにち、あそんでばかりいました。
それをみた、かみさまがおこって、ついには、おいもちゃんを ちいさなどうぶつに変えてしまいました。
そうです、おいもちゃんは、きれいなおひめさまから、ねずみになってしまったのです。「おほほ、おほほ」のおじょうひんなおひめさまから、じぶんのことを、「チュウチュウ、おいら」なんて、いうようになりました。
ねずみくんになったおいもちゃんは、つぶやきました。
ねずみになった、おいもちゃんをみて、おうりんくんとうんしゅうちゃんはおもいました。
あんまり、ちょうしにのって、うかれてばかりいては、いけないんだな。
(おわり)
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